嫉妬、愚痴、マウンティング……女同士の人間関係の処方箋

2017年09月13日

「どうしてあの人は上から目線で話すの?」
「あの人と話していると“どうせ私なんて”とみじめになっちゃう……」

こんな気持ちになったら、あなたの心はきっとイエローランプが点滅している証拠。もっとつらくなる前に適切な処方が必要です。ちょっと面倒な女同士の人間関係から少しでも楽になって、新しい自分になる一歩を踏み出すためのアドバイスを、心理カウンセラーの石原加受子さんにうかがいました。

 

知らないうちに、あなたの心は悲鳴をあげている

「女同士の人間関係って難しいし面倒くさい」とよく言われます。なぜそうなのでしょうか。その理由は、女性は男性と比較して、容姿やファッション、学歴、優遇されているかどうかなど、自分と相手とを比較する傾向がとても強いにもかかわらず、それに気づいていないことが多いからです。

女同士の人間関係を語るうえでよく耳にする「マウンティング」は、自分と相手を比べて「自分の方が相手より上」と態度や言葉で示すことですが、そこには必ず勝ち負けや優劣が生まれます。嫉妬や愚痴も根は同じ。「女同士で話していると疲れる」と思っている人は、実は無意識のうちに相手と自分とを比較し優劣をつけている、ということが多いのです。

知らないうちに優劣をつけてストレスを抱えている、そんな自分の気持ちに鈍感になっていて、「もうキツいなぁ、誰か助けて」と心が悲鳴をあげていることすらわからなくなっているのです。
 

まずは「他人を気にしすぎる自分」に気づくことから始めよう

大切なのは、相手のことをあれこれ考えすぎないこと。「あの人、なんかイヤだな」と感じたときはなおのこと。「どうしてあの人はいつもエラそうなの?」「どうして自分の考えばかり押し付けてくるの?」などと相手の言動を気にしすぎると、頭の中が「あの人」中心になってしまいます。それによって「あの人と比べて私は……」というような思考に至るのです。

「相手を見極めることができれば、自分が傷つかない対処法が見つかるはず」などと考えがちですが、頭の中でいくら策を巡らしても、理解できない相手への対処法など見つかるわけもありません。気に入らない相手のことをあれこれ考えすぎて、不快な時間をいつまでも過ごすことにもなりかねません。

まずは、「他人を気にしすぎる自分」に気づきましょう。それをきちんと自覚し、他者と比べた自分ではなく、あるがままの自分にOKを出してあげるのです。自分を認めることで、自分自身を大事にする気持ちが持てれば、おのずとイヤなことはイヤ、と言える勇気も生まれてきます

気分がいいと感じること、楽だなと思うことに関心を向け、自分の気持ちを起点に考えれば、きっと相手との関係であれこれと悩まなくてすむようになります。
 

気が乗らない相手とのランチの断り方

また、「ちょっと女子疲れかな」と感じたとき、相手との関係性を悪くせずに、程よい距離感を作る方法も。例えばランチに行くとき、Aさんから誘われるケース、Bさんから誘われるケースがあるとします。実はふたりは少し険悪な関係です。しかしあなたは両方からよく思われたいので、どちらからの誘いも断れず、間に入って悩みます。こんな場合、どのように対処したらよいでしょう。

Aさんから誘われたときに、「ありがとう。Bさんも一緒にどう?」と相手の同意を得るような提案をしてみるのです。当然Aさんは「イヤよ」と言うでしょう。Bさんから誘われたときも同じように返してみます。その結果、自分もAさん、Bさんも傷つくことなく、ふたりからも程よい距離感が生まれ、楽な状況を作ることができるのです。
 

マウンティングも愚痴も嫉妬も根は同じ。自分と相手を比較すると、そこには必ず勝ち負けや優劣が生まれます。「女同士で話していると疲れる」と感じるのは、そこに原因があるからです。

大切なのは、相手のことをあれこれ考えすぎないこと。誰かと比べるのはやめて、あるがままの自分にOKを出しましょう。そうすれば気が楽になり、悩むことも少なくなります。

 

記事監修:石原加受子
心理相談研究所オールイズワン代表。心理カウンセラー。「自分を愛し、自分を解放し、もっと楽に生きる」ことを目指す、「自分中心心理学」を提唱し、性格改善、対人関係、親子関係などのセミナーやカウンセリング、講演などを行う。日本カウンセリング学会会員、日本学校メンタルヘルス学会会員、日本ヒーリングリラクセーション協会元理事、厚生労働省認定「健康・生きがいづくり」アドバイザー。『「女子の人間関係」から身を守る本』(PHP研究所)、『“いまある”不安がスッキリ消える本』(三笠書房)、『「とにかく優位に立ちたい人」を軽くかわすコツ』(学研プラス)など著書多数。

※この記事は2017年8月時点での情報です。