マネージャー型? プレーヤー型? サポーター型? 自分のポジションタイプを知って仕事に活かそう!

2017年10月24日

転職やキャリアアップを考えるにあたって、その第一歩となるのが自分のパーソナリティーや考え方の傾向を知ることです。今回は「マネージャー型」「プレーヤー型」「サポーター型」の3つのポジションタイプに分けて、それぞれの特性を知る自己分析法をご紹介。

得られた結果を転職に活かすコツも含め、メンタルトレーナーや一級キャリア・コンサルティング技能士として活躍中の金森秀晃さんにうかがってきました。

 

異なる役割を担う3タイプ、それぞれの特性とは?

今回、お話しする「マネージャー型」「プレーヤー型」「サポーター型」、3つのポジションタイプですが、「マネージャー」といっても役職としてのマネージャーではありません。どのタイプも、あくまでチーム内での立ち位置や役割といった意味で捉えてください。

それぞれのポジションタイプの具体的な特性は、次のように考えられます。

■マネージャー型
トップが求める方向性や目的に基づいて全体を見渡し、メンバー各人の能力や役割を把握した上で、人に成果を出させるよう動く。

■プレーヤー型
何よりも自分が出す成果にこだわりを持ち、物事の課題や問題点を改善していくことに熱意を傾ける。

■サポーター型
共感力が高く、コミュニケーション上手。みんなが気持ちよく働けるよう、チームの潤滑油的な役割を果たす。

どんな組織にもそれぞれの役割を果たしてくれる人が必要ですから、どのタイプが一番よいというようなことはなく、3タイプがバランスよく揃ったチームが理想的です。
 

自分はどのポジションタイプ? まずはチェックテストで自己分析

では、自分のポジションタイプがどれにあたるのか、さっそく簡単なチェックテストで確認してみましょう。

【ポジションタイプチェックテスト 】
下記の質問で当てはまると思うものにチェックしましょう。

□人のよいところを探すのが得意(A)
□社交的で誰にでも愛想よく対応することができる(A)
□自分である程度裁量を持って仕事をするのが好き(A)
□同僚や上司からどう思われているかが気になる(B)
□仕事の改善点を見つけるのが得意(B)
□職場の空気に早く溶け込めるように工夫していることがある(B)
□あなたと話すと癒される、安心するなどと言われることが多い(C)
□「空気を読む」のが得意な方だと思う(C)
□悩み相談をされることが多い(C)

(A)(B)(C)のうち、チェックが一番多かったものが、次のとおりあなたのポジションタイプになります。

(A)が一番多かった人 ⇒ マネージャー型
(B)が一番多かった人 ⇒ プレーヤー型
(C)が一番多かった人 ⇒ サポーター型

20~30代前半頃の女性には、圧倒的に「プレーヤー型」か「サポーター型」が多く、「マネージャー型」は少数派です。

けれども、実は「マネージャー型」と「サポーター型」は、“他人に対して寛容で思いやりを持って接する”など共通点が多くあります。「プレーヤー型」も、優れた人になればなるほど自分が経てきた成果へのプロセスを他人に共有することができ、「マネージャー型」に近づいていきます。

3つのポジションタイプは決してきっちりと分かれるわけではなく、少しずつ重なり合うもの。また、ほとんどの人は、自分の傾向には無自覚のまま働いています。そこを客観視できるようになれば、自分の適性を仕事に反映していく道筋がつかめますので、まずはポジションタイプを自覚することが大切です。
 

職種だけでなく、求められるポジションタイプとのマッチングも肝心

「自分のポジションタイプ=職種の向き・不向き」と捉えてしまいがちですが、その企業や組織が求めているポジションタイプと自分のポジションタイプとがマッチングするかどうかも重要な要素です。企業の方針や採用のタイミングなどにより、同じ職種の求人であっても違うポジションタイプの人材を欲しているケースもあります。

求人情報にはそこまでの詳細は書かれていないことが多いので、面接時にはしっかり自分のポジションタイプについてアピールすると同時に、企業側が求めているポジションタイプをきちんとヒアリングすることも忘れないようにしましょう。そうすることで、「転職したけど実力を上手く活かせない・発揮できない」というような、残念な結果を防ぐこともできます。
 

面接では具体的な事例を挙げて、自分のポジションタイプをアピール!

面接などで自分のポジションタイプをアピールする際は、性格的に根気強いとか寛容だといった特性だけを伝えるのではなく、今までの経験による具体的な事例を挙げて説明するよう心がけてください。

「マネージャー型」であれば、「上長の意図を自分がメンバーに分かりやすく説明したことでみんなの士気が上がった」とか、「ときには自分が悪役になることで、上長の意向が通りやすくなるようにした」といった経験をアピールできるといいでしょう。

「プレーヤー型」は、今までの成果を数字などの目に見える形でアピールできるかどうかが肝心。事務職などでは難しい場合もありますが、「自分の仕事によって業務がスムーズになり、みんなから感謝された」「こんな工夫を盛り込んだら、お客さまから高い評価をいただいた」などの事例を話せるようにしておきましょう。

「サポーター型」は、忙しい上長が気遣いできない部分をくみ取り、まわりへのフォローや報告・連絡・相談がきちんとできる姿勢をアピールしたいところ。たとえば、上長の言葉で落ち込んでいるメンバーに対して「きっとこういう期待があって、そういった表現になったんじゃないかしら?」とサポートした、などの例示ができるといいでしょう。
 

客観性を持って自分のポジションタイプを意識すれば、たとえば「サポーター型の特性を活かしてチーム全体のサポートに徹しよう」など、その役割の中で一層、充実感を持って仕事に取り組めるようになるだけでなく、「今は、どちらかというとサポーター型の傾向が強いけれど、マネージャー型の資質を高めて新しい仕事につなげていこう」といった風に自分のポジショニングを変えてキャリアアップを図ることも可能になります。そのためにも、まずは自己分析からスタートし、目指す未来を切り開いていってください。

 

記事監修:金森秀晃
株式会社ZAC代表取締役。人事コンサルタント。一級キャリア・コンサルティング技能士。法政大学卒業後、野村證券本社勤務。2003年、認知行動療法を主軸に人材教育・組織開発を行うコンサルティング会社、株式会社ZACを設立。2010年には、なでしこJAPANの主力選手が所属するINAC神戸レオネッサのメンタルトレーナーを担当し、“アジア最高のメンタルトレーナー”と称される。2015年からは私塾「LEC(新世代リーダー育成塾)」にて若手の育成にも邁進。主な著書に『凹んだ数だけ強くなれる29の法則』(総合法令出版)など。
金森秀晃 新世代リーダー育成塾LEC(Leaders Education College)
http://f-zac.com/LEC.html

※この記事は2017年10月時点での情報です。