これだけ押さえておけばOK!「完全版! 面接でよく聞かれる質問集」

2017年05月31日

面接に臨む前、押さえておきたい質問15

転職の面接を受ける際、一番大切なのは事前の準備。準備さえできていれば安心感があるので、何を聞かれても焦らず落ち着いて面接に臨めるはずです。

まずは、聞かれる質問をある程度想定し、回答の準備をしておくと、面接に対する心構えができますね。

そこで、人材紹介・再就職支援などを手掛ける、パソナキャリアカンパニーのキャリアアドバイザー・柏倉光子さんに、面接でよくされる質問と回答のポイントについて教えていただきました。

 

質問集をチェックする前に……

どんな質問に答えるにしても、まずは自分のキャリアの棚卸しがしっかりできているかどうかが重要。これについては以前の記事「正社員転職を叶える秘訣! キャリアの棚卸しで自己PRを磨こう」でもお伝えしたとおりです。

面接は、ただ「自分のアピール」をする場ではなく、自分と志望企業の方向性がいかにマッチしているかを、お互いが知るために設けられた場です。そのためには、自分を知ること、そして相手の企業を知ることが欠かせません。

準備にしっかり時間をかけ、「自分の能力」と「相手が求めている能力」の重なる部分がどこかを考えたうえで、アピールしていきましょう。「自分軸」ではなく、「相手軸」を意識することが大切です。

また、完璧な応対をしようとすると回答を丸暗記しがちですが、話すことだけに集中しすぎると、面接官とのコミュニケーションが疎かになってしまうことも。自分の話したいことの「キーワード」や「ポイント」を押さえて、面接の場の雰囲気や相手に合わせて話すと良いでしょう。

それでは早速、よく聞かれる質問を見ながら、回答のポイントを紐解いていきましょう。

 

完全版! 面接でよく聞かれる質問集

自分のスキルや経験と相手が求めているスキルや経験の「合致部分」をアピール!

1:「自己紹介・自己PRをお願いします」
自己紹介だからといって、「自分はこういう人物です」ということをひたすら話せば良いというわけではありません。

これまで自分が仕事を通して培ったスキル、経験、実績と、相手が求めているものとの合致部分を挙げて、「こういうことができます」という話をしましょう。

その企業が募集しているポジション(職種・雇用形態など)が何なのかを正しく把握し、それに添った内容を念頭に自己紹介することが大事です。

また、ひとくちに「自己紹介・自己PR」と言っても、面接官の人数やポジション(部署や役職など)、性格によって長めに語る必要があったり、端的にまとめなければならなかったり、会話のキャッチボールをしながら話したりとパターンはさまざま。

なかなか難しいところですが、これらに対応するためには、まずは1分半程度の自己紹介・PR文を用意して、あとはその場でそれを削ったり、付け加えて話すと良いでしょう。

もし1分半話してみて相手の反応が「短いな」という雰囲気だった場合は、「以上、簡単ではありますが、自己紹介とさせていただきます」と、枕詞を添えると、相手にも思いが伝わりやすいです。

2:「志望動機を教えてください」
「なぜこの会社なのか」「なぜこのポジションなのか」という2方向から話をするのがベストです。ただ魅力に感じた点を伝えるだけではなく、そこに自分のアピールポイントを加え、「だから御社でならこんな活躍ができると思います」「御社ではこういうキャリアを積みたいと思います」という話に繋げられるとなお良いでしょう。

3:「転職理由を教えてください」
大前提として、マイナスな理由や批判は避けた方が良いでしょう。

また人間関係についての理由も、相手にネガティブな捉えられ方をされる場合があります。

転職理由が「~~が嫌だったから」という後ろ向きな場合も、逆に考えて、「自分はその反対のこういうことを求めているんだ」と置き換えてみましょう。

例えば、もっと新しい業務にも挑戦したいのに、そうした企業風土がなくて転職を考えた場合、「会社の風土が合いませんでした」と答えるのではなく、「もっと新しい業務に挑戦し、仕事の幅を広げたかった(が、前職または現職ではそのような体制ではなかった)ので、転職を決めた」というような伝え方はいかがでしょうか?

4:「これまでの職歴をご説明ください」
ここでは概要というより、数字などを使って具体的な事例を盛り込んで話すと良いでしょう。

面接に呼ばれているということは、書類選考は既に通過しているということです。すなわち、書類上では「経歴は募集しているポジションに則している」と判断してもらえている、ということ。

先方はもっと踏み込んで、採用した場合どれくらいの活躍が期待できるかということを知りたがっているので、深く携わった業務などについて、具体的に伝えましょう。書面上だけでは伝えづらい部分をアピールするチャンスです。

5:「長所・短所を教えてください」
長所は自己PRと同じで、会社が求めている能力に合致するような自分の強みを話しましょう。

一方、難しいのは短所です。
会社が求めている能力以外の、そこまで重要視されていない部分を話した方が良いでしょう。

また、短所は長所の裏返しでもあるので、例えば「のんびりしているところが短所ですが、その分じっくり思慮する性格なので、早計に走らないという長所にも繋がっています」というように、長所とセットで伝えてみるのもひとつのやり方です。

6:「これまでの成功談を教えてください」
自分の言葉で語れる、具体的な事例を用意しておくことがポイント。大きな実績だからといって、自分と関わりが薄い話をしてしまうと、細かい質問をされたときに焦ってしまうかもしれません。

小さなことでも良いので、何かを改善したという話や工夫した点など、実際に自分が携わって成果に繋げた話を準備しておきましょう。

7:「これまでの失敗談を教えてください」
これも短所同様、影響がなさそうなものを選びましょう。さらに失敗談だけで終わらせず、そのことをその後どのように教訓にしているか、どう改善したか、どんな再発防止策を立てたかといった話まで、合わせてすることを忘れずに。

8:「学生時代に力を入れたことはなんですか?」
職歴がまだ浅い20代後半の場合、実は聞かれることが多い質問。かつての就職活動の頃と同じように経験を語れば良いので、念のため、振り返っておきましょう。

 

企業やポジションについては、自分なりのイメージを語れることが大切

9:「当社の事業内容は理解されていますか」
事前準備として、ホームページのチェックは必ずしておきましょう。ホームページの感想を質問する会社も少なくありません。

これは会社への志望度の高さ、興味・関心や仕事への姿勢を知るための質問です。ホームページを見たうえで事業内容を把握していることを伝え、どのような部分に共感できたかを述べましょう。そのうえで志望動機とリンクできればベストです。

10:「入社したら何をしたいですか」「どんな貢献ができると思いますか」
自分の希望や貢献できそうな実績を伝え、意欲をしっかりとアピールしましょう。ただし、これもまた、企業が求めているものや目指している方向性と合致していることが望ましいです。

11:「どんなキャリアプランを持っていますか」「5年後、10年後をどう考えていますか」
前向きに伝えることは大前提ですが、必ずしも上昇志向をアピールすればいいというわけではありません。ポイントは、自分が思い描くキャリアプランと、企業側がそのポジションに求めているキャリアの方向性がマッチするかどうかということ。

面接は一方的に企業側に判断される場では決してなく、自分自身がその会社に入ったときにギャップを感じることなく活躍できるかどうかを見極める場でもあります。企業側に合わせた答えでその場を取り繕うよりも、自分が思い描くキャリアプランを実現できる会社かどうかを判断することが大事です。

12:「会社選びの基準は何ですか」
この質問は、すなわち「ご自身の転職の軸は何ですか」ということ。そこが一貫していることがポイントです。志望業種がさまざまだとしても、会社選びにおける自分の軸がブレていなければ、そのまま答えても良いでしょう。

13:「他にはどんな企業を受けていますか?」
必ずしも社名を出す必要はないので、どういった企業を受けているのか、業界を伝えるとよい良いでしょう。

ただし、自分の転職の軸と全く関係はないけど、興味のある業界・企業がある場合、特段伝える必要はありません。話してしまったがために、相手に「一貫性に欠ける」という印象を与えてしまう恐れがあるからです。

14:「希望年収はありますか」
最終面接に近づくにつれて聞かれるのが、この質問。

差しさわりのない答え方として、「基本的には現収以上を希望します」といったものが挙げられます。

どうしても現収アップを望む場合は、例えば「以前は○○円いただいていましたが、今は業績低下でボーナスがカットされ、△△円になりました。今回の転職に際してはピーク時の○○円を希望しておりますが、基本的には御社の基準に合わせあわせます」といった言い方をするなど、その根拠を述べるようにしましょう。

 

15:「最後に、何かご質問はありますか?」

面接の締めに、必ずと言っていいほど聞かれるものです。

相手に意欲的な姿勢を伝えるためにも、質問を用意しておくことはとても大事。3個ほど用意していたのに、それまでのやりとりで不明点がすべて解消されてしまった、ということにならないよう、10個は準備しておくとよい良いでしょう。

また、こちらから質問をするのは、意欲をアピールするためだけではありません。

先ほども述べましたが、面接はこの会社が自分にふさわしいかどうかを判断する場でもあり、質問はそのための絶好のチャンス。入社してから「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぐために、この機会に疑問をクリアにしておくことは不可欠です。

聞くとよい良い質問例としては、自分が入社したときの状況をイメージしやすくするために、

「どのような業務からスタートするのか」
「その部署の人員構成、人数は何名か」

などが挙げられます。

ただし社長面接の場合は別。各論の質問より、企業理念や今後目指す方向性など、相手に合わせた質問ができるよう、事前準備をしておくとよい良いでしょう。

「社内のキャリアプラン、人事異動や評価の考え方」や、「部署の目標・目指す方向性」についての質問もその会社の姿勢を知ることができます。

 

以上が一般的な質問ですが、忘れてはならないのは、「何のために転職するのか」ということ。これによって、質問の内容は変わってくるはずです。

例えば「マネジメントに挑戦したい」というのが転職理由であれば、社員のキャリアアップのスピード感や評価方法、立場が上がると仕事内容がどう変わるのか、といったことになります。

転職活動を続けていると、色々な企業に目移りしてしまい、元々の転職理由を忘れて、いつのまにか企業側に自分を寄せようとしてしまうことがあります。そうすると転職の軸がブレてしまい、転職後のミスマッチにも繋がることに。何のための転職なのかをもう一度自分に問うて、質問内容を精査してみましょう。

 

面接においてもっとも大事なのは、自分がこれまで積んできたキャリア・実績や今後やりたいことと、企業が求めるものの合致点を考え、きちんとアピールすること。また転職理由や転職の軸を明確にすることです。これらを念頭に置いて準備を進めて臨めば、面接がお互いを知るためのより有意義な場になるでしょう。
キャリアアドバイザー 柏倉光子さん

株式会社パソナ パソナキャリアカンパニー
人材紹介事業部門
キャリアアドバイザー 柏倉光子さん

管理系職種(経理、人事、総務、法務、経営企画など)の転職を中心に、幅広い年齢層の方々の転職を支援。十人十色、その方の人生が活きる仕事に出会えるよう、きめ細かな転職サポートを心掛けている。