30歳からの転職、動き出す前に知っておきたいこと

2017年10月31日

アラサー女子になると、キャリアアップや収入アップを目指して転職を考える機会もあるはず。結婚や出産を控え、働き方を変えたい人もいるのでは?

30代の転職を満足のいくものにするためには何が必要なのか、キャリア・カウンセラーとして数多くの女性の転職をサポートしてきた錦戸かおりさんにうかがいました。

 

なぜ転職したいのか、「本音」を言葉にすることから始めよう

その転職が「よかった」と思える結果にするには、転職活動を始める前にまずするべきことがあります。悩ましいのは「本当に転職するべきか否か」の問題。これを見極めるために、「なぜ転職したいのか」「転職に何を望んでいるのか」その理由や本音を書き出してみましょう

また、望んでいることが転職によって手に入るものなのかを見極めることも大切です。たとえば、「仕事にやりがいを感じられない」ことが転職理由だとします。では、あなたは今の会社で、満足感や達成感を得るための工夫や努力をしましたか? 実はあなた自身の仕事に対する姿勢に改善の余地があるのかもしれません。あなたの悩みを聞いた上司や先輩が、改善に向けて相談に乗ってくれるかもしれません。転職活動をしながら、今の会社がどう動くのかも冷静に判断してみましょう。
 

30代・事務職に求められる「思考力」

求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率は、今年6月には約1.5倍(※)に上昇し、1974年以来、43年ぶりの高水準になっています。しかし、女性に人気の高い一般事務は0.31倍(※)と厳しい状況です。さらに今後、IT化、AI(人工知能)化が進んでいく中、専門知識の有無にかかわらず、ルーチンのオフィスワーク自体が減っていくだろうといわれています。

こういったことから、これからは事務職でもできる限りルーチンワークから脱することが求められます。つまり、ITやAIでは代替不可能な“人間にしかできない仕事”をするための「思考力」がより不可欠になるということです。

「思考力」というと難しく感じるかもしれませんが、業務が円滑に進むよう、日々行っている小さな工夫の積み重ねが、思考力を高めることにもつながります。たとえば、「スケジュール調整」をするとき、次のようなステップで考えてみます。

なぜ月末になると忙しいのか? 

ひと月の業務を洗い出して表にしてみる(可視化する)

業務が集中する日、パターンなどがわかったら、回避策を考える

締切日をずらしてもらうよう上司に掛け合う、余裕のある日にできることは済ませておくなど、回避策を実行する

このように「考えて問題点を見つけ、改善する能力」は、実際の業務で身につく部分も大きいので、ある程度仕事経験を積んできた30代にとっては強みであり、転職の際のアピールポイントにもなります。

※厚生労働省「一般職業紹介状況(平成29年6月)」より。含パート。
 

今後は女性の働き方も多様化

これから少子高齢化が進んでいく日本社会では、「働き方」もより多様化していきます。30代になると結婚や出産・育児などライフステージが変わることも考えられますが、今後は出産・育児休業の取得が進み、時短勤務や在宅勤務なども増えていくでしょう。

求人でも、「女性に優しい会社」をうたった会社が多く見られます。出産・育児休業の取得は法律できちんと認められているので、出産を考えている女性が特に心配する必要はありません。ですが、実際には「その部署にこれまで取得した人がいない」「なんとなく気まずい」といった場合もあるかもしれません。気になる人は、面接の際に「御社の出産・育児休業の取得率はどのくらいですか?」などと確認するとよいでしょう。
 

20代での転職と30歳からの転職の違いとは

30歳からの転職では、20代よりもヒューマンスキル、問題解決スキルが求められます。ヒューマンスキルとは、たとえば苦手な人ともうまく折り合いをつけ、協力して目標を達成する能力。問題解決スキルとは、問題を発見して自分自身で解決する能力です。

問題解決スキルは、日常生活の小さな問題を解決することからでも身につけられますが、日頃から仕事上の相談ができる人を何人か持っておくことも大切です。頼りにしていた同性の先輩や友人が、結婚や出産などで連絡がつきにくくなることも考えられます。普段から、積極的にそのような人脈を作っておいてほしいですね。
 

職探しから内定獲得まで、さまざまな力が必要とされる中、孤独に挑み続ける転職活動を、私は「知的トライアスロン」と呼んでいます。転職活動を真剣にすると、コミュニケーション能力や判断力もアップし、自分を大きく成長させることができます。

なぜ転職したいのか、転職に何を望んでいるのか、将来どういう働き方をしていきたいのか、30歳からの転職では、この機会に自分と向き合ってじっくり掘り下げて、満足のいく結果を手に入れてください。

 

記事監修:錦戸かおり
キャリア開発支援を行う「がんばれ工房」主宰。国家資格キャリアコンサルタント。2級キャリアコンサルティング技能士。産業カウンセラー。人材紹介会社での転職支援コンサルティングなどを経て、2003年に独立。個人へのキャリア・カウンセリングを中心に、セミナーや講演、企業内でのキャリア面談などを行う。著書に『働く女性が35歳の壁を乗り越えるためのヒント』(河出書房新社)。
URL:http://gambarekoubou.com/