大人気のオフィスワーク。事務職未経験でも転職に成功するための必勝法
転職市場で人気の「オフィスワーク」で働くためには?
多くの人が転職を希望するオフィスワーク。一般事務、営業事務、秘書、経理などその種類はさまざまですが、特に事務職の人気は根強く、高倍率なのが現状です。ましてや他業種からの転職の場合、未経験という点でより難しそう……!
そんな不安を抱く人は必見! オフィスワーク転職に向けて「押さえておくべきポイント」について、人材紹介・再就職支援などを手がけるパソナキャリアカンパニーのキャリアアドバイザー・柏倉光子さんにお話をうかがいました。
オフィスワーク転職では、どんな資格・スキルが必須?
一口にオフィスワークといっても職種はさまざまですが、なかでも事務職への転職を希望する人が多く、高倍率になっています。
「有効求人倍率」は、1を上回れば、求職者数に対して求人数が上回っている、つまり人手不足感が高いことを意味しますが、事務職の場合0.36。サービス業の2.36や建設・採掘業の3.73に比べると、いかに希望者が多いかよく分かります(※)。
このような高倍率のなかでオフィスワークへの転職を考える場合、どうすれば選考を勝ち抜くことができるのでしょうか?
求められるものはもちろん職種や企業によって異なりますが、まず大切なのはその職種での実務経験。具体的なスキルや経験は、自社で即戦力として活躍してくれる人材かどうか、企業が知るための大きな要素になります。
経験はないけれど、どうしてもこの職種にチャレンジしたい!という場合は、資格などでその職種への意欲をアピールするのも一つの方法です。例えば、事務職であればPCの資格、経理であれば簿記の資格など。
ただし、実践でいかにその能力を発揮できるかが大切なため、資格を持っていることをアピールするのではなく、実践でどう活かせるかをアピールしましょう。
事務職への転職の場合、SUM関数や入力作業などのPCスキルは一般的なため、VLOOKUP関数やピボットテーブル、マクロを使える、アクセスを扱えるというレベルであれば、ほかと差がつけられるでしょう。
もし、事務職などから経理への転職を目指しているならば、簿記2級を取得すると良いでしょう。実務経験がなくても、経理の基本的な流れが分かっていることをアピールする材料になります。
これらは、今すぐ転職するわけではなくても、やれるときに勉強して身に付けておくとベスト。
先ほども触れた通り、資格はあくまで指標の1つですが、スキルを身に付けるために努力した証明にもなります。また、今の業務に活きてくる可能性もあるので、スキルアップの一環として始めてみるのも手です。
異なる職種への転職でも、共通項を見つけてアピールすれば道は開ける!
違う職種からオフィスワークへの転職を考えた場合、前職での経験はアピールとして有効ではないのかどうかも気になります。これについては、「経験にもよりますが、もちろんプラスのアピールもできます」と柏倉さん。
例えば、もともと営業職の人が営業事務を目指す場合は、営業の仕事の流れを知っていることや、サポートされる側の営業の立ち位置を知っていることがポイントになることも。
また、販売職からオフィスワークを目指す場合に懸念されるのがPCスキルですが、例えばエクセルで売上管理をしていたり、PCを使った業務をしていた場合はそのこともしっかりアピールしてください。
医療関連からオフィスワークを目指すのであれば、「医療現場で高い正確性が求められるなか、これまでミスなく迅速に業務を行っていた」という点が、オフィスワークでもメリットになるかもしれません。
柏倉さんによれば、キャビンアテンダントから秘書へという転職も多いそうで、これは目上の人をアテンドする際の気遣いや、立ち姿などを含めたマナーが行き届いている、などの共通項があるからだそう。
このように、たとえ職種は違っても、自分のこれまでのキャリアを棚卸ししてみて、新たにトライしようとしている職種との親和性を見つけ出し、その部分をアピールすれば希望の転職を叶えることもできるのです。
今就いている職種とこれから目指す職種の共通項は、何かしら必ずあるはず。それを書き出してみて、その中でもっとも説得力がありそうなものを、エピソードも含めて伝えることができれば、アピールに繋がります。
履歴書や面接で注意すべきポイント。大切なのは「企業側が求めていること」の理解度
どの職種にも共通することですが、オフィスワーク転職を目指す際にも、履歴書・職務経歴書は欠かせません。
特に事務職は正確さが必須の仕事なので、書類の見た目にもこだわって、きちんとしたものを作るように心がけましょう。誤字脱字が多いと、仕事でもミスが多いのかと思われてしまいます。正確かつ体裁が美しいものを提出するようにしましょう。
面接では、企業への質問も事前に準備しておくことがマスト。こちらから聞くということはただの質問ではなく、仕事への意欲を表す場面でもあるので、「会社の方向性」「仕事内容」という2点を軸に、10個ほどの質問を準備していくのがいいでしょう。
また、大前提として、どの企業のどの職種でも「前向きさ」「積極性」が求められていると言えます。
「私の仕事はこの業務(だけ)です」という姿勢ではなく、会社がどのような方向性を目指しているのかを理解し、自分はその職種として今何ができるのかを考えるという心構えで面接に臨むことが大切です。
「こういう場面で自分のこういうところがプラスに働くはず」としっかり伝えることができたら、企業にもその意欲が伝わるのではないでしょうか。
その職種の実務経験があればもちろん強みになりますから、これまでの経験から実務で役立てることをアピールしましょう。また未経験の職種についても、経験が足りない部分は資格取得や勉強していることをアピールしたり、これまでのキャリアとの共通項から突破口は開けるはず。いずれにせよ、いかなる場合も「企業側が求めるもの」と「自分が持っているもの」との共通点を洗い出して、自分の言葉でそれを伝えることが大切です。そのためにも、キャリアの棚卸しなど事前準備には十分な時間をかけましょう。
株式会社パソナ パソナキャリアカンパニー
人材紹介事業部門
キャリアアドバイザー 柏倉光子さん
管理系職種(経理、人事、総務、法務、経営企画など)の転職を中心に、幅広い年齢層の方々の転職を支援。十人十色、その方の人生が活きる仕事に出会えるよう、きめ細かな転職サポートを心掛けている。
※「職業別一般職業紹介状況[実数](常用(除パート)」(2017年4月)より