コミュニケーション力がアップするメール術

2016年06月30日
いまや仕事にメールは欠かせませんが、メールの書き方・出し方について、学校ではほとんど教えてくれません。会社でもそうです。しかし、メールのマナーやコツをきちんと押さえておかないと、誤解を招いたり仕事に支障を来したりすることも……。そうならないために、コミュニケーション力がアップするメール術を身につけましょう!

メールの中身がわかるタイトルだと
目に留まるし後からも探しやすい

メールでタイトルが重要なのは、メールには“開封”するという手間があるからです。また、たくさん来るメールの中で、いち早く読んでもらうには、タイトルだけで中身がわかるということが大事。でも、適当なタイトルがついていないことが多いものです。まずは悪いタイトルの例をみていきましょう。たとえば、よくありますが、「株式会社○○の美崎栄一郎です。」のようなタイトルは最悪です。メールの受信トレイには差出人名も表示されることが多いので、このメールだと、「株式会社○○美崎栄一郎、株式会社○○の美崎栄一郎です。」のように重複し、タイトルからは何の情報も読み取れません。このようなタイトルだと、特にメールをたくさん処理している人には、「挨拶か…。じゃあ後にしよう」と思われてスルーされてしまいます。読んでもらうには、「【見積書pdf】△△△(商品名)」のようなストレートのタイトルがおすすめです。すぐに開封してもらえるだけでなく、後でメールの履歴を探すときにもすぐに見つかるので、とても便利なのです。もう少しくだけた感じで、「お急ぎのようでしたので、△△△見積書作りました。」のようなタイトルも、商談後のメールだとすると可愛げがありますし、失礼にもなりません。

タイトルはメールの内容に応じて変え
本文のポイント部分がわかるものに

ありがちなのが、「RE: RE: RE: RE: RE:~」のように、メールの件名を変えずに、返信、返信で繰り返して、違う内容をやりとりしてしまう運用ですが、これはマズイです。後から見返したときに、どこに大事なことが書かれているかが発掘できなくなりますから。こうなると、そのメールへのレスポンスが遅れることで、関連する仕事も滞ってしまいます。また、「RE」を繰り返すことでマンネリ化してしまいますので、返事も遅くなりがちに……。こういう場合は、内容に応じてタイトルを変更して返事を出すのが基本です。たとえば私は、この「U29女子」のサイトで「メール術」と「ノート術」の連載を一緒に担当していますが、担当編集者とメールでやり取りする際は、メール術に関係する内容とノート術に関する内容の2通に分けるように工夫します。
タイトルの話から少し離れてしまいますが、案件ごとにメールを分けると、相手は返信しやすくなるのです。返事をするのが大変な案件と比較的簡単な案件が1つのメールの中にあった場合、たいてい先方の返事は遅れます。なぜなら、まとめて返事しようという気が働くからです。しかし、それらを別々のメールに分けておくと、簡単に返事ができるメールには返事が来て、その案件は進捗します。分けていないと、重いほうの案件に引きずられて、全体の進行も遅れてしまうのです。タイトルの話に戻りましょう。読んでもらえるタイトルを付けるコツは、本文の内容で一番ポイントになる部分をタイトルにすることです。名文である必要はありません。タイトルの例として、以下に私のメールボックスを紹介します。これらのメールのタイトルから、なんとなく本文の内容がわかりますよね。

コミュニケーション力がアップするメール術

大事なことはメール本文に書き
箇条書き&改行で読みやすく

次に、返事をしてもらえる本文の書き方について。まず知っておいてほしいのが、添付ファイルがある場合に、「添付ファイルに書いているから本文には書かなくても大丈夫」とは思わないほうがよいということです。最近はスマホなどでメールを開くことも多いので、添付ファイルはその場で読まれない可能性もあります。また、添付ファイルはダウンロードして開かなければ内容が確認できませんから、ダウンロードだけして、後から見ようと思って忘れられてしまうことも……。ですから、大事なことは、重複してもメール本文に書いておくことです。また、返事をもらうためのコツとして、返事が必要だとわかるように項目を箇条書きに分けることがあります。
1)
2)
3)
のように細分化して、1つの項目で1つのことを質問するor伝える。だらだらと長いメールはNGです。細分化しても、改行などをしなければ読みづらいので、そのあたりも工夫したほうがよいですね。

コミュニケーション力がアップするメール術

また、何名かにメールを送って指示をする場合は、>●●さんのように、1つ1つの指示に人の名前を記載することがポイントです。1対1のメールであれば大丈夫ですが、2人以上に同じ内容を送る場合、特にCCにたくさんの人が入っているメールの場合は、自分の仕事だとわからないとスルーしがちなので、やってもらいたい仕事は、要件ごとにきちんと相手の名前を書いておくこと。それぞれの役割に合わせて名前をきちんと書いておけば、返事も仕事も滞ることなく進めることができるでしょう。ぜひ実践してみてください。

美崎栄一郎(商品開発コンサルタント、ビジネス書著者・講演家)
美崎栄一郎
(商品開発コンサルタント、ビジネス書著者・講演家)

花王でアタック、ソフィーナなどの開発のプロジェクトリーダーとして活躍後、独立。デビュー作『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』がビジネス書大賞1位に。その後、花王でのサラリーマン経験から、実際の現場での経験を元にした使えるノウハウをまとめ、著作は30冊以上。2013年よりビジネス手帳の監修も手がける。