スケジュール管理ちゃんとできている? 仕事がはかどる「時間術」

2017年11月24日

打ち合わせや書類の提出などたくさんの仕事を同時に抱えると、一息つく時間もないほどびっしりとスケジュールを詰め込みがち。そんなときに限って、新たに急な案件が入ったり、予想以上に時間がかかったりして、予定通りに仕事を進められないというのはよくあることです。

ギリギリまで頑張っても、その日中に片付けようと思っていた仕事が終わらずに、結局翌日に持ち越し。疲れが抜けきらない状態で、翌日も朝からてんてこ舞いに……。そんな負のスパイラルに陥らないためには、時間を上手に使うスケジュール管理が必要です。そこで、ビジネススキルなどに関する書籍を多数執筆している午堂登紀雄さんに、効率よく仕事を進めるための時間管理術についてうかがいました。

 

仕事を分類して、優先順位を決める

仕事のスケジュールを組み立てる上で大事なのは、それぞれの仕事を処理するのにどれくらい時間がかかるのか把握することです。そのためには、まず内容に応じて仕事を分類することから始めます。仕事には、大きく分けると「頭を使うもの」「あまり頭を使わないもの」があります。

もちろん、どんな仕事でも大なり小なり頭を使いますが、たとえば企画書と請求書の作成とでは、頭を使う度合いや作業にかかる時間も違います。企画書は、構成を練ったり調べ物をしたりするなど、よく考えなければいけないので、時間がかかります。一方、請求書はフォーマットが決まっている場合も多く、それほど考えずに短時間で処理できます。

次に、抱えている仕事の中で、優先順位を決めます。締め切りが近い仕事ほど優先順位が高くなるのは当然ですが、頭を使う仕事も優先順位を高くしましょう。そして、優先順位の高い仕事を中心に、スケジュールを組み立てていきます。頭を使う仕事は、どれくらい時間がかかるのか予想しにくいところがあるので、ゆとりをもって作業できるように、まとまった時間を長めに割り当てるようにします。あまり頭を使わない仕事は、その合間の時間や、頭を使う仕事が煮詰まって気分転換したいときなどに進めるとよいでしょう。
 

自分が最も集中できる時間帯を把握する

1日の仕事のスケジュールは、基本的に前日の退社前に決めます。翌日中に終わらなそうな仕事は、どこまで進めるかを決めておきます。そして、翌日最初にする仕事が、出社後すぐに始められるよう、準備をしてから帰りましょう。

また、1日の中で自分が最も集中できる時間帯を把握しておくことも重要です。この時間帯は人それぞれ異なり、職種や業種、日によっても違うでしょう。しかし、職場に慣れていれば、だいたいの予想はつくはずです。そして、その時間帯に最も優先度の高い仕事を進められるようにスケジュールを組むと、1日の作業効率が上がります。
 

スケジュールを能動的に管理する意識をもつ

依頼された仕事を何でも言われるままに引き受けていると、せっかく立てたスケジュールをその都度変更しなければいけません。相手は、ほとんどの場合、仕事が発生した時点で依頼してきます。依頼された順番通りに仕事を進めていると、実は後から頼まれた仕事の締め切りの方が先だったということにもなりかねません。

仕事を依頼されたときは、締め切りがいつなのか必ず確認してください。そして、相手の要望通りに終わらせるのが難しい場合には、「仕事が立て込んでいる」などの理由を伝えて、締め切りを延ばせないか相談してみるといいでしょう。

また、外出や打ち合わせといった人と合う約束などはできるだけ同じ日にまとめるようにすると、他の日に腰を据えて仕事をする時間が作れます。相手と自分の時間の都合をすり合わせることで、自分のスケジュールを能動的に管理するように心がけましょう。
 

とはいえ、スケジュールはあくまで“予定”です。仕事は常に相手がいてのことですから、どんなに綿密にスケジュールを組んだとしても、すべて予定通りに進められるとは限りません。スケジュールは常に変わるものだと思っておいた方が、余計なストレスを感じずにすむでしょう。

そして、そうした変化にも柔軟に対応できるように、「バッファ(=緩衝、予備)時間」を設けておくことも重要な時間管理術のひとつ。仕事がはかどって少し余裕ができたときには、次の仕事に手をつける前に、短時間でも休憩を挟むようにしましょう。疲れきった状態でずっと仕事を続けるよりも、集中力が高まって能率も上がるはずです。

 

記事監修:午堂登紀雄
株式会社エデュビジョン 代表取締役。一般社団法人事業創造支援機構 代表理事。米国公認会計士。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。『いつも時間に追われている人のための「超」時間術』(総合法令出版)、『年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(学研)など著書多数。

※この記事は2017年11月時点での情報です。