こうすれば失敗しない!彼と二人三脚で確実に結婚資金を貯める方法

2017年05月29日

円満に結婚資金を貯めるには、どうすればいいの?

結婚式に新婚旅行、新居やその後の生活のための費用など、結婚にはかなりの額のお金が必要。それなのに彼が協力的じゃない、貯金のための決まりごとを守ってくれない、と女性が困っているという話はよく聞きます。

とらばーゆ編集部にも、以下のようなお悩み相談が寄せられました。

「現在彼氏と同棲中です。ゆくゆくは結婚をと考えていて、たまにふたりで話もします。

 ただ、私は給与天引きなどで貯金をしているものの、彼の貯金額は少ないようで、現時点では結婚が現実的ではありません。

 彼の収入額は具体的には聞いたことがありませんが、恐らく、高くもなく、低くもなく……。でも、今は趣味や買い物など、わりと自由にお金を使っているようなので、結婚資金を貯金することは、できると思うんです。

 今後しっかり話し合っていくつもりですが、何かアドバイスをいただけますか?
 (あ~ちゃんさん・28歳)」

ふたりで上手に貯金する方法は? その際発生しそうなトラブルの回避策は? 彼のモチベーションを上げるには? そんな悩みを解決すべく、株式会社Money&You代表のマネーコンサルタント・頼藤太希さんにお話をうかがいました。

 

お金に関する話し合いは、彼の夢やビジョンを聞いてあげることからスタート

これから長く生活を共にするふたりにとって、お互いの価値観を共有しておくことは大切なステップです。

なんと、金銭面でのイザコザは離婚理由の第2位でもあるそう。のちのちトラブルになりそうな事態を避けるためにも、お金の話はふたりでちゃんと議論しておかなければなりません。

 

さて、ふたりで一緒に結婚資金を貯めよう!という場合、女性が仕切ったり男性のお尻を叩いたりして、彼がしぶしぶ従う、というのがよくあるパターン。では本来、どちらがイニシアチブを取るべきなのでしょうか?

頼藤さんによれば、きちんと話し合ったうえでどちらかがリードするのは問題なし。ただし、話し合いがなく半ば一方的にことを進めてしまうのが一番よくないのだとか。

ですから、お互い意見を交わして、双方納得のうえで貯金計画を立てましょう。それさえできていれば、どちらがメインで管理しても問題はありません。

 

とはいえ、お金の話というのはなかなかしづらいもの。いきなり切り出すと、相手が身構えたり不快に感じたりすることもあるので要注意です。

まずは、男性側の将来の夢やビジョンについて聞くことから始めてみましょう。そこから「そのためにはお金はこれくらいかかるよね」という話に繫げていくのがベスト。

ポイントは、「あなたの夢やビジョンを叶えるために一緒に考えているんだよ」というサポートのスタンスを見せることです。そのなかで、自分との生活をどう考えているのかについても話を引き出してあげると、相手のお金に対する価値観も自ずと見えてきます。

 

こうしてお金に関する話し合いのハードルを下げることができたら、次のステップは、お互いの貯金額、収入額、必要な支出額の開示です。この場合、女性からオープンにすると、男性も開示しやすくなるかもしれません。

「ただし女性は貯金額を少なめに申告してもOK」と頼藤さん。

女性は何かと物入りで、将来的に何が起きるかわからないので、隠し貯金があった方が家計円満になることが多いとか。例えば貯金額が200万円なら100万円と伝えるなど、正確な金額である必要はありません。一方収入については、お互いの給与明細を見せ合えればベストです。

開示を渋る男性には「趣味や贅沢に使うお金が制限されるのでは」という懸念があることも。

その場合は「現状分はちゃんと確保できるようにしよう」と伝え、自由に使えるお金を残す設定にするのがポイントです。「お互いがある程度のお金を振り込んで、残ったお金は自由に使える」というシステムがもっとも円滑なパターンなのだとか。

「マイホーム購入、子どもの学費などの目的ができたときは、必要に応じて『自由に使えるお金を少し減らそう』と話し合えばいいんです。今後の夢や希望はお金の話に繋げやすい。『これを叶えるためにはこれだけ必要だから、じゃあこういう形でこの額を貯めよう』ときちんと伝えれば、相手も分かってくれるはずです」(頼藤さん)

ちなみに、専門家であるファイナンシャルプランナーを間に入れるというのも一つの手。プロの話のほうが聞く耳をもてるからか、話がスムーズに進むケースも多いのだとか。支出の分析など、自分でチェックするのは面倒なこともおまかせできるので、第三者の力を借りることは、貯蓄成功への大きな足掛かりになると言えそうです。

 

低モチベ男子を動かすには「目的は結婚式ではない別のものに」と「意外と低額アピール」!?

頼藤さんが「基本的に、男性は結婚式にモチベーションはありません」と言うように、結婚式のための貯金となると腰が重くなる・非協力的になる男性は多いそう。そんな場合の作戦は、2パターンあります。

一つは「目的は結婚式ではない別のものにスライドさせる」
「新婚旅行を楽しもうよ」など旅行とセットでイメージさせたり、新居や家具、家電といった結婚後の生活に焦点をスライドさせたりするのです。

男性にとって、結婚式は「女性が主役」という意識が強く、また漠然としていて面倒くさいものかもしれませんが、その先の楽しい部分や具体的な部分を想起させればきっと動いてくれるはず。

もう一つの作戦は、「式の費用は意外とかからないアピール」をすること。

イマドキの結婚式はいろんな形があるので、国内なのか海外なのか、ホテル・式場・レストランのどれにするのか、大勢呼ぶのか身内だけにするのかによって、かかる金額は千差万別。

一概には言えませんが、仮に式の費用が400万円かかるとしても、ご祝儀や両家の親の援助分を差し引くと、自分たちで貯めなければならないのは実質100万円以下、というパターンも少なくありません。

総額ではなく、収支を見積もったうえでの必要額をきちんと提示できれば、気乗りしていない男性も「その程度で済むのか」「結構簡単だな」と思えるはず。

最近では後払いできる結婚式場も増えているそうなので、そういった情報でさらに安心してもらうこともできますね。

 

“共通口座”が貯金成功のカギ。まずは“見える化”に注力を

ここからはいよいよ具体的な貯金の話です。
貯金で大事なのは「いくら貯まったのか“見える化”すること」と「ある程度の強制力」。この仕組みさえ出来上がれば、お金は確実に貯まります。

ファーストステップは、ライフプラン・マネープランの作成です。何にいくらかかるのか、貯める目的は何かをお互い確認し、共有しましょう。

次に、お金の貯まり具合がよく見えるよう、ふたりの共通口座を開設。単独の口座よりも共通口座のほうが責任感は増すので、貯金が成功しやすくなるそうです。

ポイントは、“結婚資金”だけでなく“住宅資金”“教育資金”“老後資金”“レジャー資金”など、口座を目的別に細分化することだそう。口座をひとまとめにしてしまうと、必要なものに対して何がどれくらい貯まったのかが見えず、曖昧になってしまうためです。

引き出す回数が多い日常口座はメガバンク、使途が10年以上先のものであれば定期預金、教育資金なら学資保険や少額投資非課税制度「NISA」、老後資金は個人型確定拠出年金「iDeCo<イデコ>」、というふうに用途に適した貯め方を選んで、資金を明確に分けることが大切です。少額のものなら、封筒を使ったタンス貯金でもOK。

口座を用意したら、次は“見える化”の徹底です。
便利なのは家計簿アプリ。お互いがログインして収入支出を入力することが可能な、ふたり共通の家計簿が作れるものを使うと、口座を登録することで自動的に残高を取得できるので、互いの入金額もチェックできます。

 

“見える化”の次は、貯金できる仕組み作り

万が一彼が非協力的な場合は、ネット銀行 の“自動積立振替サービス” “積立定期預金”などを利用して、自動的かつ強制的に入金される仕組みを作っておくとよいでしょう。

給料日やその翌日などに振替を設定しておけば、すでに使ってしまって引き落とせないという心配もありません。

頼藤さんによれば、こうしたネット銀行の定期はメガバンクより利率がいいという点でも、おすすめだそう。また上司の許可なしでは引き出せない会社の財形制度も、強制的という点で非常に便利です。

男性側が協力的かどうかにかかわらず、「お金を貯めるには強制的な自動積立が何より有効」と頼藤さん。もちろん男女ともに、あまり無理のない金額設定でOKです。気づかないうちに貯まっていくことで、「こんなに貯められた」という自信にも繋がるのだとか。

貯まった嬉しさから貯金に対するモチベーションがさらに上がり、もっと効率的に貯める方法を自発的に調べるようになれば、しめたものです。

「そんなときはほめてあげたり、あなたのおかげだよとお祝いのようなイベントを用意してあげたりするといいかもしれませんね。男性はロールプレイングゲームが好きなので、主人公にしてあげて、どんどんレベルアップできるような仕組みを考えればいいと思います(笑)」(頼藤さん)

 

ひとりが強要してもうひとりがしぶしぶ……では貯まるものも貯まらないばかりか、ふたりの仲に亀裂が入る恐れも! まずはふたりでお金についてオープンに話し合い、足並みをそろえて楽しく貯めるための努力と工夫が必要です。

人は「あったらある分だけ使い、なければないなりにどうにかする」生き物。

使えるお金が減ってもやりくりはちゃんとできます。だから自動的に貯金することで収入から一定額が強制徴収されてしまったとしても、上手く算段はつけられるはず。

一般的に貯金の相場は「手取りの2割」とされていますが、まずは1割からでもOK。無理のない範囲で始めて、必要な時期がきたら金額などを見直してみましょう。

記事監修:頼藤太希

(株)Money&You代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Cafe』を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)、「税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法」(河出書房新社)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。