[子育てママの再就職] 「いつか夫を見返したい」から始まった自分探し

2015年05月22日

[子育てママの再就職] 「いつか夫を見返したい」から始まった自分探し
結婚・出産したら仕事はどうする? 働き女子が将来を考えるときに、誰もが一度は思うこの問題。先輩ママたちはどうしたのか、出産後の再就職支援を手がける「ハナマル総合研究所」代表の上田晶美さんに、リアルストーリーを聞きました。

【上の子の幼稚園入園を機に、再就職活動を開始】
働く女子お悩み相談
高橋京子さん(32歳/仮名)

短大卒業後、メーカーで総務を3年、受付を5年経験し、出産退職。28歳で第1子を出産。子どもの幼稚園入園を機に再就職を考えるようになるが、時期もやりたい仕事もまだ模索中。夫の年収を超えることを目標に、何らかの資格取得を考えている。

資格を取れば、高収入が得られる?

高橋さんは、お子さんが幼稚園に入ったばかり。これを機に、再就職への一歩を踏み出そうとしている方です。彼女の原動力は、「いつか夫を見返したい」という思い。事あるごとに彼女をあなどる夫を超える年収を手にして、認めさせたいというのです。

「そのために何か資格を取りたい」というのが、高橋さんの相談でした。もちろん、資格はないよりはあったほうがいいのですが、「何でもいいから高収入」という発想では幸せな再就職にはなりにくい。彼女には、まずはどんな道に進みたいかを考えることをアドバイスしました。

3つの視点で、自分の中の「宝物」を見つける

方向性を決めるには、自分の強みを見つけることが大切です。でも、「強み」というと「そんなものはありません」と答える女性が多い。自分に自信が持てないんですね。高橋さんも「強みがないから資格を取りたい」と。その発想から抜け出すことが第一歩です。

私は「強み」を「宝物」と言い換えているのですが、誰の中にもきらりと光る「宝物」があるんです。それは3つの視点で考えると見えてきます。1つは自分の「好きなこと」。2つ目はこれまでの「経験」。仕事だけでなく、趣味の経験でも構いません。3つ目は「時代のニーズ」。世の中で、今後どんな仕事が必要とされるのかということです。この3つが重なるものが、その人が働くうえでの「宝物」になるのです。

数年後の目標を決めて、ステップを逆算する

高橋さんは、出産前は受付の仕事をしていました。人と接することが「好き」だといいます。実際に多くの人と接する「経験」もしています。出産後、家事・育児に専念したことは主婦としての「経験」です。

これらの「好き」と「経験」を踏まえて、将来の高収入が目指せる仕事とそのために必要な資格は何か。あくまでも一例ですが、専門性が身に付く仕事として、不動産の営業なら宅地建物取引士、金融関連の営業ならファイナンシャル・プランナー(ただし扱う金融商品によります)など、職種や業種を具体的にイメージして初めて、どんな資格を取るべきかが見えてくるのです。

ただし、今はお子さんがまだ小さいので、フルタイムの仕事にすぐ挑戦することは難しいかもしれません。では、何年後を目指すのか。目標を決めて、「何歳までに必要な資格を取る」などの計画を立てることが、達成への近道です。その過程で、本来のやりがいに出会えれば、夫への思いも消えるはす。“見返す”というのでなく、お互い共感し合えるようになるといいですね。彼女の笑顔の再就職を応援したいと思います。

【高橋さんのケースに学ぶ3つのポイント】
1.自分の中の「宝物」を見つける
2.見つけた宝物をもとに、自分の方向性を考える
3.数年後の目標に向かって、今できることを実行する

キャリアコンサルタント 上田晶美さん■プロフィール
上田晶美
ハナマルキャリア総合研究所 代表
キャリアコンサルタント歴20年のベテラン。10年間の大手流通会社での人事経験と、3児の母として子育てをしながら仕事をしてきたノウハウをもとに、結婚・出産後の再就職を積極的に支援。女性のキャリアについて年間200講演を行う。『ママも今日から働くワ! 主婦の再就職講座』、新刊『働くための話す・聞く』をはじめ著書多数。
http://hanamaru-souken.com/