「ママの視点」が企業を育てる?! グロースハッカーのお仕事大解剖!
この日の講師は、グロースハッカーとの接点も多く、本講座の卒業生からの信頼も厚いKaizen Platformの矢﨑泰三さん。グロースハックを通じて企業のビジネスを成功に導く、カスタマーサクセス(CS)という部門で活躍されています。(過去記事はこちら //toranet.jp/contents/select/growthhack/19494/)
講義はグロースハックとKaizen Platformの説明からスタート。
「グロースハックとは、Webサイトを訪問した人が迷わずスムーズにそれぞれの目的にたどり着けるように、そして企業が訪問者に期待することをやってもらえるように、Webサイトを改善して、ビジネスの成長(グロース)を加速(ハック)させることです。グロースハッカーはそれを仕掛ける人のこと。Kaizen Platformは、技術だけではなく人間が持つ創造性を大事にしていて、グロースハッカーが力を発揮できる場を提供しています。グロースハックの効果はとても大きく、ひとつの改善が数億円の売上アップに繋がることもあるんですよ」(矢﨑さん)
なるほど。でも、ユーザーを惹きつけるWebサイトの制作や改善はこれまでも行われてきたような。グロースハックの特長って何ですか?
「一般的なweb制作の場合、答えが『依頼者の頭の中』にあって、作る側も手さぐりになりがちだし、効果も見えにくいことが多いんですね。グロースハックの答えは『ユーザーの行動』そのもの。案を作ってテストすれば、どれがいちばんいい案なのか、数字ではっきりわかります。だから、グロースハッカーは、ユーザー目線で使いやすさを追及すればいいんです。奇抜でなくても構いません。シンプルに皆さんが『こうだったらいいのにな』と感じることを大切にしてください」(矢﨑さん)
ユーザーのココロを動かしたのはどれ? グロースハッカーのお仕事プチ体験
続いては、クイズ形式でグロースハッカーの仕事を体験。実際にグロースハックで使われたデザイン案を見ながら、どれがいちばんユーザーの行動に結びついたのかを当てていきます。ひとつの案件につき選択肢は3つ。「どうしてそれを選んだのか?」と矢﨑さんが聞いてみると……。
「このサイトの目的は申し込みをしてもらうことなので、申込ボタンが大きなA案がいいと考えました」
「『婚活』とはっきり書かれていて、男女ペアの写真を使っているほうが真剣な婚活サイトだとわかりやすい気がします」
正解もあれば、不正解もあり。それでも、自分なりに理由を考えること自体が、トレーニングになるんですよね。
正解発表のたびに、丁寧かつ具体的な解説が入り、皆さん、頷きながら聞いていました。
そして矢﨑さんは、グロースハッカーに必要な能力を次のようにまとめました。
「クリエイティブな発想、一般ユーザーの感覚、データに基づく思考、実行可能な内容。この4つが、グロースハッカーにとって大事な能力。それぞれ、ディレクターやマーケターなど専門家がいる能力です。それをグロースハッカーはすべてひとりで持たなくてはいけません。求められるレベルは高いけれど、それだけ成果を出せる仕事だと言えます」
やりがいはありそうだけど何だか道のりは遠そう……。そんな受講生の気持ちをほぐすように、ある先輩グロースハッカーのエピソードが紹介されました。
「彼は、まったく知識も経験もない状態から講座を受講。その後、がんばっても期限内に制作が終わらず、提出できないことが続いたそうです。それでも、彼は今、皆さんがやったように、採用されたデザインをひたすら研究するなど、自分なりの努力と工夫を重ねた結果、1年半でランキングに名前が載るようになりました。皆さんも諦めずにがんばってくださいね」
この『ママ向けWebグロースハッカー養成講座』からも多くのママが羽ばたいていきましたが、最初は皆、初心者。そして、現役のグロースハッカーでも、4つの能力すべてが同じレベルという人ばかりではなく、それぞれ得意分野があるのが一般的なのだそうです。それを聞いて皆、ひと安心。前回の授業(//toranet.jp/contents/select/growthhack/21882/)で見つけた自分の強みも活かしながら、前向きにこれからの学習と卒業後のお仕事を進めていけるといいですね!
終了後、参加したママ3名に、今回の感想とグロースハッカーとして働くことについて聞いてみました。
受講生ママの座談会 わたしたちが考えるグロースハッカーのお仕事
高田さん 以前はコミュニティの企画・運営に関与、夫の転勤で福岡へ。場所を選ばずに働けるスキルを身につけたいと奮闘中。
佐藤さん ネイリストとして、ネイルサロン経営、オリジナル商品開発など幅広く活躍。さらなるステップアップのために本講座に参加。
藤井さん 作業療法士の仕事をしながら独学でWebを勉強した経歴の持ち主。スキルアップと仲間作りが受講目的。
やりたいことを仕事にするのに必要なことって?
高田 今日の授業は、グロースハッカーがどんな仕事をするのか、具体的にイメージできてよかったね。自分が第一線で活躍するプロと肩を並べられる日が来るのか、まだ不安だけど。
藤井 確かに。わたしもWebのスキルは全部独学だから、基礎からもう一度学びなおさないと通用しないなって思った。
高田 でも独学なんて、すごいよね。フリーランスって、どうやって仕事を取ってくるの?
藤井 最初はクラウドソーシング(※1)で仕事を探したり、知り合いの仕事を手伝ったり。そのうちだんだん任せてもらえるようになって。
高田 佐藤さんは、自分の店を経営していたんだよね?
佐藤 そう。小さく始めたネイルサロンだけど、ショッピングモールに出店したり、オリジナル商品を作ったり、オンラインショップを開店したり。
高田 二人ともすごいなぁ。私は事務職一筋。やりたいことがあっても、スキルがないと結局行き詰まっちゃうよね。
佐藤 うんうん。わたしの場合、オンラインショップがうまく軌道に乗らなくて。お店を経営するには、ネイリストとしての技術だけではだめで、集客して売上を作らなきゃいけない。そのためにはマーケティングの観点が必要だと気づいて、今回の講座を受けることにしたの。
※1 インターネット上で直接、企業が個人に仕事を発注することや、そのしくみ。
「自分の仕事」を見つけて、続けるには?
藤井 わたしは、子どもとしっかり向き合いたくて、フリーで仕事を始めたんだけど、最初は自分のペースがわかっていなかったから、仕事を受けすぎて、徹夜続きになったり、体調を崩して家族に迷惑をかけたりしたな。在宅での仕事は柔軟だからこそ、自分で時間管理をしっかりしないとね。
高田 そうだよね。今も授業の課題が、すっごく大変!
藤井 課題をクリアして、たくさんの案から自分のデザインが選ばれて、毎月の収入につなげられるのは、まだまだ先だなって思う。
高田 うん、この講座が終わったからって、すぐに稼げるわけではないのは、わかっているつもり。
佐藤 技術職って、「自分の仕事」にするまで、時間がかかるからね。
高田 わたしも神戸にいた頃、ワークショップを受けて、自分の生業をどう作るかを一から教えてもらった経験があるなぁ。それがきっかけで自分も企画・運営に関わるようになったのよね。
藤井 グロースハッカーを生業にするとしても、自分で主体的に仕事を選び取れるようにならないとね。
大人でも、仲間と夢を語るとがんばれる!
佐藤 グロースハックって、結果が数字でわかるのが面白いと思う。お店の広告を自分で作ったことがあるんだけど、結局何が良かったのか、悪かったのか、反応がよくわからなくて。グロースハックを学べば、見た人の反応をもっと正しく理解できるようになる気がする。
藤井 そうね。わたしは経験がある分、依頼主の目線でデザインを考えがちで。もっと、デザインや商品に詳しくない消費者の目線でいろいろ判断しなきゃなって思った。
高田 わかる。自分が見ても使いやすく、わかりやすいものを作りたいよね。
佐藤 うん、だから授業も課題もとても勉強になる。みんなそれぞれの経験からアイデアを出してくるから、自分の視野が広がるのが実感できるし。しかも、同じ目的に向かって努力する仲間だしね。大人になると、なかなかこういう関係性は築けなくない?
高田 確かにそうだね。同じ目的のもと学びつつ、それぞれ個人の目標もあって。
藤井 最近「お母さんは、大きくなったら何になりたいの?」って子どもに聞かれるの(笑)。最初はどきっとしたんだけど、子どもが夢を語るように、わたしたちも夢を語ってもいいよねって今は思ってる。もっとがんばろうって気になるしね!
さて次回は、いよいよ最初の課題発表会。2ヶ月かけて学んだ知識を活かして、『とらばーゆ』の広告デザインにチャレンジしました。当日の様子は、こちらでご紹介します。どうぞご期待ください!