働き方を改革したいママの疑問に答えます! グロースハッカーとして「自由に」働くために必要なこと
今年度より新たに始まった、リクルートジョブズ主催の『キャリアプランニング概論』。これまでも自分らしい働き方をデザインするきっかけを提供してきました。今回の講師は、リクルートジョブズ社員と個人事業主の二足のわらじを履く杉原理恵。
「個人事業主は経営者。責任が大きい分、自分の裁量が大きく、自分なりの夢を描きやすいと言えます。私たちの寿命が長くなり、人生100年時代がやってくると言われる現在、今後は85歳まで働くつもりで人生設計をしたほうが良いという説もあります」(杉原)
これには教室から驚きの声が上がり、中には「そんなに働くの?!」と苦笑する人も。
「そんな時代だからこそ、自分らしいキャリアを模索すること自体に大きな意味があります。グロースハッカーという新しい職業に挑戦するママの姿から、お子さんが感じることもたくさんあるはずです。今日は卒業後の選択肢としての個人事業主について、少し考えてみましょう」(杉原)
自分らしい働き方に挑戦することが、子どもにも良い影響になりうるという話に、皆さん、静かに耳を傾けていました。
グロースハッカーとして活動を始める際に必要なこと
今回の授業は、個人事業主として知っておくべき必要知識を、テーマごとにグループで話し合い、その結果を発表するスタイル。まずは「グロースハッカーとして活動を始める際に必要なことは?」というテーマからディスカッションが始まりました。
「開業届や事業計画書を作ることかなと思います」
「名刺を作ったり、自分のWebサイトを用意したり、宣伝活動も大事かな」
皆さん、ご自分の知識や経験をフルに使い、講座で学んだことから想像を膨らませながら意見を出していきます。そうはいっても、グロースハッカーも個人事業主も未知の世界の人にとってはなかなかの難題。そこで、各グループに最低1名、何らかの個人事業主経験のある受講生に入っていただきました。普段一緒に学習している仲間のリアルな経験を聞いて、ディスカッションは大盛り上がり。中には「最初はまったく正反対の意見を持っていましたが、話すうちに『そんな考え方もあるんだ!』と目から鱗が落ちました」という声も。個人事業主は自分で判断する機会も多いので、いろいろな考え方やアイディアを知っておくのはプラス。今回も、各グループの回答を皆で共有し、その後、講師から補足や解説を行いました。例えば……。
「個人事業主は最低賃金や残業という概念がない分、自分で働き方を管理する必要があります。そのためには、家族の理解と協力が必要。実際に働き始める前に、1日のスケジュールを想像して、家族皆でそのリズムで試しに生活してみて、どうだったかを話し合うといいですよ」(杉原)
仕事と家庭を両立したいと、在宅でも働けるグロースハッカーに興味を持った受講生も少なくありません。それを象徴するように、深く頷いたり、熱心にメモを取る姿も見られました。続いては、「仕事を受ける際の、適切な依頼の受け方は?」というテーマ。
「相場を調べて、なぜその金額なのか確認します」
「納期に無理がないか、内容的に見て自分が成果を出せるか確認します」
こちらも、活発な意見が交わされました。発注経験や、営業として折衝経験のある人もいて、過去の企業勤めの経験が個人事業主でも活かせると気づいたようです。共通して出てきたのは「納得いくまで確認する」というコミュニケーションの重要性。ついつい自信のなさや遠慮から聞かずに済ませてしまいたくなることもあるかもしれませんが、自分のためにも、そして先方が求めている成果を出すためにも、お互い譲れないことはしっかり確認しておきたいですね。
その後も実践的なテーマが続き、最後は「スランプ」について。物事がうまくいかないときに陥りがちなイメージがありますが、実はうまくいっていてもスランプに陥ることは多いという説明に、ママたちは意外な反応。ここでは、順調に成果を出しながらも、スランプに陥った同世代の女性個人事業主の実例をもとに、個人事業主がぶつかりがちな壁と脱出方法を紹介しました。
「個人事業主は、自分の裁量が大きく、『自分のできること』をもとに仕事をする分、成長意欲が高いほど、同じことを繰り返しているような気になりがちです。勉強会で新しいスキルを身につけたり、未経験の業務にチャレンジしたり、仕事をする相手を変えてみるなど、予想外のことに出会える要素を意識的に取り入れて、自分自身に刺激を与えていきましょう」(杉原)
本講座に参加したママたちは、皆さん、とっても意欲的。個人事業主の特性や責任を理解したうえで、ひとりひとりのキャリアをしっかりと、そして楽しく歩んでいけるといいですね! ママたちは、この講義を受けてどのように感じたのでしょうか? 感想を聞いてみました。
自由と責任を持って追いかけたい、自分らしい働き方
今回お話を伺った楠林さん(左)、新留さん(右)は、会社員としてバリバリ活躍した経験のあるお二人。今回の授業を受けての、個人事業主や今後の仕事に関する考え方の変化についてお話いただきました。
楠林 私はIT機器の営業として長く働いていたのね。仕事に自分の居場所を見つけていたし、やればやるほど面白さを感じていたけれど、育児休暇を取ってみて、ふと気づいたことがあって。
新留 どんなこと?
楠林 子育てを始めると、今までとまったく違う環境で生きている人たちに出会うでしょう? 会社員じゃなくても、活躍して輝いている人はたくさんいて。「企業で働いて出世するだけが人生じゃない」って思ったんだよね。
新留 わかるなあ。私も、最初に働いていたのは、音楽業界。そのときは徹夜が当たり前の世界だった。でも結婚してから、少し考え方が変わったの。うちは夫が個人事業主のプログラマーで、在宅で仕事をしているから、その影響もあるかな。
楠林 なるほどね。例えば?
新留 週に5日会社に通って、出勤するだけでぐったりするようなときってあるじゃない? 個人的には、この生活を続けていると、私は自分の価値が発揮できないなって思うようになっちゃって。
楠林 その点、在宅でできるグロースハッカーの仕事は魅力的だよね。私はIT機器を扱っていたからパソコンを触ることには抵抗ないし、成果が数字に表れるのもいいなと思ってる。
新留 私はすでにアクセス解析の仕事をしていて、Webの面白さは感じてる。でももっとスキルアップしたいし、体系的に学びたいと思っていたから、この講座は今の自分にぴったりだな。
新しい世界への挑戦。怖かったけど、チャレンジして良かった!
楠林 今日の授業を聞いて、会社員のときは、会社に守られていたんだなと痛感。個人事業主は、自分で決めなきゃならないし、自分にかかる責任がとても大きいんだね。でも、自分の夢を自分のペースで実現できるように、楽しみながらやっていきたいと思ったよ。
新留 グロースハッカーの厳しさも改めて感じたよね。隙間時間の掃除や洗濯みたいな感覚で、手軽に収入を得るつもりでやるのは無理。お客様の目的を理解して実現していくのが仕事だから、片手間ではできないよね。
楠林 そうそう。実際、授業や課題は想像していたよりもはるかに大変(笑)。でも実践して形になると楽しくなってくるから、努力できるよね。「デザインとは何か?」なんて考えたこともなかったけど、実際には日々デザインされたものにたくさん触れていて。そういう身近なものを今までと違う角度から見ることができるのが、すごく面白いよね。
新留 そうだよね。授業でしっかり学んで、卒業後、仕事として自分のスキルでお客様を納得させることができたら嬉しいな。
楠林 今だから言えるけど、本当は会社を辞めるとき、すごく怖かったの。でも今は、チャレンジしてみて良かったなって思ってる。
新留 うん。今回の講座は子育て中のママが対象だけど、本当は男性でも女性でも、もっともっと柔軟に、自分らしく働く事例が増えていったらいいと思うの。私たちがそのきっかけになれるようにがんばろうね!
さて次回は、Web制作課題の発表会をレポート予定。ついにWeb制作に取り組むママたちがどんな案を見せてくれるのか、プレゼンの様子とともにお伝えします。引き続き、3期生ママの活躍にご期待ください!