転職トレンドレポート2012:薬剤師・医薬系

答えてくれた女子76名のプロフィール

○平均年齢:30.3歳 ○転職回数:平均1.8回 ○正社員:96.1% ○契約社員:2.6% ○派遣スタッフ:1.3% 
○未婚:61.8% 既婚:38.2% ○子どもなし:89.5% 子どもあり:10.5%

※2012年3月マクロミル調べ。薬剤師・医薬系職種(薬剤師、登録販売者、治験コーディネーター)に就く関東・東海・関西在住の正社員の女性76名。

今の仕事について教えて。

さすがの専門職!平均年収はトップクラス

年収は?

「年収」グラフ

1カ月の平均残業時間は?

「残業時間」グラフ

やりがいを感じるのはどんなとき?

医療を通じ、人のためになる仕事

「やりがいを感じるとき」グラフ
  • 患者さまに薬の必要性を説明し、服薬してもらった結果、病状が改善した時はやりがいを感じます。(37歳/薬剤師/正社員)
  • 自分が担当した治験薬が承認された時。治験の説明を通して、患者さまが自分の病気について真剣に向き合うようになられた時の喜びはひとしお。(34歳/治験コーディネーター(CRC)/正社員)
  • ドクターに言えなかった患者さまの訴えを聞き出し、対応することによってドクターにも患者さまにも感謝され、病態に良い影響を与えられた。(35歳/薬剤師/正社員)
  • 無駄な在庫を抱えてしまい管理も大変で、期限切れも出ていたため、他店へまわしたりと整理業務を担当。個人的にスッキリしただけでなく数字にも表れ、店舗外の本部の人間に褒められうれしかった。(30歳/薬剤師/正社員)

注目したいのは、やはり平均年収! 400〜600万円が半数を超える高収入です。残業もさほど多くなく理想的な業種といえますが、そこは専門職。それまでに培った知識や勉強がものを言う業界でもあります。だからこそ、やりがいもひとしお。一番多かった意見は「患者さまの容態が改善されたり、ありがとうと言われること」。また「患者さまから相談されたことを医師に伝え、両者から感謝された」など、自分の意見が吸収され相互作用を生むことに喜びを感じることも多いようです。探究し続け理解が深まることで、仕事の幅が広がると理解し実践している人も多く、仕事への意識の高さがうかがえました。「医療を通じて人のために生きられていることがやりがい」の答えはとても印象的でした。

転職活動について教えて。

同業種移動が多いため比較的スムーズ転職

応募社数

応募社数グラフ

面接社数

面接社数グラフ

内定社数

内定社数グラフ

活動期間

活動期間グラフ

今の仕事を選んだ決め手は?

より働きやすい条件を求めて転職

「今の仕事を選んだ理由」ランキング

転職先を選ぶ際に重視したことは?

勤務先が通いやすい場所であることも大切

「転職先を選ぶ際に重視したこと」ランキング

面接や書類でアピールしたことは?

  • 履歴書には化粧品・医薬品の専門的な接客を経験してきたので、即戦力になれると記載。面接では、前職でとにかくなんでもやってきたので、仕事を選ばず力仕事もできることをアピールした。(27歳/登録販売者/正社員)
  • 職種は同じなので、専門知識だけでなく責任ある仕事を任された経験を詳しくかつ簡潔に履歴書に書いた。また、傾聴力・共感力も重要視されるので、面接では患者さまを相手にする時同様の真摯な対応でアピールし合格。(37歳/薬剤師/正社員)
  • 未経験ながらもやる気を前面にアピールし、企業HPを見て企業が好みそうな言葉を多用した。また、履歴書は自分以外の人に見てもらって添削してもらった。(26歳/治験コーディネーター(CRC)/正社員)
  • 面接で待遇面の希望ではなく、自分の勉強したいことは何か、それができる環境かを重点的に質問した。(29歳/薬剤師/正社員)

同業種内の転職がほとんどのため、面接・内定は2社以内でスムーズに決定する人が多いよう。転職の理由としては自宅から近いところへの勤務希望や勤務時間などの待遇面がほとんど。よりよい環境で仕事に打ち込みたい気持ちが伝わってきました。
同業種転職とはいえ、面接はシビア。前職での経験や資格アピールだけでなく、希望会社のHPを読み込み求めている人材を理解して面接に挑むなど、みんな工夫をこらして合格を勝ち取っています。また、未経験者も「資格はないが、これまでの経験で培ったスキルを活かしながら真剣に取り組む姿勢を見せた」と真摯な態度が吉と出る場合もあるようです。

転職してみて、どうだった?

ズバリ、この仕事のメリットは?

高収入かつ、プライベートも充実できる

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この仕事に必要だと思うことは?

専門職は知識と探究心が何より必要

「仕事に必要なこと」ランキング

この仕事、大変だと思うことは?

  • 薬品を扱うためミスが人の命に直結してしまうこと。薬品という責任の重いものを扱うにもかかわらず患者さまを待たせてはいけないという焦りからミスを起こしかねない不安が常にある。(27歳/薬剤師/正社員)
  • 患者さまの理不尽なクレームには苦慮する。1時間くらい聞いていることも…。(39歳/薬剤師/契約社員)
  • 新薬も続々と出て、常に新しい知識を身に付けていかなければいけないが、勉強する時間をなかなか確保できない。(29歳/薬剤師/正社員)
  • 病院側の主張が理不尽であっても聞き入れないといけないことがしばしばあり、精神的にストレスを感じることがあります。(32歳/薬剤師/正社員)

レポート結果では既婚・子どもありの人がほかの職種と比べて多く、仕事と家庭を両立しやすい業種であることが分かります。ただ、知識だけでなく、新たに勉強をして理解を深めることも必須で、通常の業務プラスαの努力も必要。そのため、大変なことに「日々開発される新薬の勉強をしたいが時間がなかなかとれない」「常に知識向上が求められる」など、転職して終わり、ではなく転職してからが大変…という声が聞こえてきました。そして、人の命を預かる業務に就いている不安やプレッシャーにストレスを感じることも。「専門職でありサービス業でもある」と答えた人がいるように、患者さまからのクレームや難題に応対する力も備えてなければいけないようです。

文/中屋麻依子 デザイン/Studio PAWOZ

【職種別 転職トレンドレポート】薬剤師・医療系

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