転職トレンドレポート2008 未経験転職と経験転職を比較!

転職トレンドREPORTVol.2

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転職成功しやすい職種は?

厚生労働省で公表されている有効求人倍率は、求人数と求職者数のバランスを見る指標。それが昨年11月の時点で、0.66(全国)となり、仕事を求める10人に対しておよそ6人にしか仕事が供給できないという状況にありました。これから転職を考える人を不安にさせる数字だけれども、調査結果を詳しく見ると有効求人倍率が1.0以上の職種もあることが判明。職種によって状況は大きく違うため、有効求人倍率を出発点に、職種別にトレンドをレポートします。

有効求人倍率1.0以上の仕事

・看護師、助産師、保健師など/2.84
・販売類似職業(不動産仲介スタッフ、保険代理業など)/2.13
・生活衛生サービスの職業(美容師、クリーニング店スタッフなど)/2.08
・医療技術者(放射線技師、臨床・衛生検査技師、歯科衛生士、歯科技工士、栄養士など)/2.06
・接客・給仕の職業/1.81
・社会福祉専門の職業(介護福祉士、保育士など)/1.66
・運輸・通信事務の職業(郵便・通信事務、運輸事務)/1.18
・飲食物調理の職業/1.14
・家庭生活支援サービスの職業(ホームヘルパーなど)/1.07
※総務省「労働力調査職業分類表」による職種分類、
厚生労働省・職業別一般職業紹介状況(2008年11月)に基づいて制作

有効求人倍率で、転職活動の難易度が想像できる! 職種によっては厳しい状況なので、頭の切り替えも必要!?

希望する職種が上記仕事一覧にあれば安心できるけれど、有効求人倍率1.0以上ではない事務職を希望する人は多く、不安を募らせてしまったかも…。実は、事務職(一般事務、会計事務、営業事務などすべての事務職を含む)の有効求人倍率は、0.19! 一般事務では0.14と非常に厳しい数値となっていました。
そのため、“なんとなく事務がいい”という人には、職種選びを再考することをお勧めします。また、“絶対、事務職でないとイヤ”と思っている人の中にも、こだわる理由によっては、希望条件を満たせる職種がほかにあるかもしれないので、下記3つの例のように視点を変えてみては?

【職種別】 未経験OK率は?

例 内勤で座ってできる仕事を希望する場合

条件を満たす仕事

店舗でカウンター営業を行う不動産の賃貸営業、旅行やクレジットカードなどのカウンター営業など。人と接することが好きであれば、やりがいを持って働けそう。

例 パソコンを日常的に使う職場を希望する場合

条件を満たす仕事

派遣コーディネーター(営業職)、そのほかの営業職、店長・店長候補スタッフ、プログラマー、SEなど。営業職もオフィスを基点に仕事をするため、パソコンスキルは重宝される。また、飲食店の店長ならば、売り上げ報告や日報などのためパソコンは日常的に使う。専門職のイメージが強いプログラマーやSEだけれども、未経験者を歓迎する求人や、研修制度の整っている会社が多いので、エクセルやアクセスなどのスキルを活かしてチャレンジするのも手。

例 何かをサポートする職種を希望する場合

条件を満たす仕事

結婚式を挙げる二人をサポートするウエディングプランナー、より良い食事の時間をすごしてもらうため機転を利かせたり、お客さまをサポートしたりするレセプショニスト接客スタッフ、さらにはホテルスタッフ、派遣コーディネーターなど。オフィス以外にも、表舞台に立つのではなく、誰かをサポートする仕事は多い。ウエディングコーディネーターや派遣コーディネーターは営業職であるため、会社によってはインセンティブがつき年収アップにつながるケースもある。

「とらばーゆ」に掲載された求人から、職種別のトレンドを探ってみよう

【職種別】 未経験OK率は?

これからは、未経験であっても応募する姿勢を大事にしたい!

『とらばーゆ』に載った求人の中で、多くの職種において未経験OK率が8割以上でした。
しかし事務の内訳を見ると、一般事務の73.5%が一番高く、経理・財務・会計の32.3%が最も低い結果に。右の「未経験でもチャレンジしやすい職種一覧」を見ると、販売、接客、サービスの仕事は、未経験OK率が高いことがわかります(これらの職種は、事務職より有効求人倍率も高い)。
不景気の今、「未経験OKの仕事なら採用されやすい」と油断せず、気になる仕事の募集を見つけたらチャレンジするという姿勢がこれまで以上に大事になりそう。

【職種別】 正社員の募集は?

正社員の募集が多い職種は、管理職と営業。雇用形態を重視するなら、転職活動は少々じっくり取り組む必要が出るかも!

皆さんは未経験OKであることと同じくらい、正社員として責任ある仕事に就くことを重視しているはず。そこで、未経験OK率、正社員の募集率ともに8割以上の職種を探ってみると、管理職である店長・店長候補と、営業が条件を満たすという結果でした。
一方で、経験を活かして正社員として仕事に就くことを重視している人もいるでしょう。正社員の募集が8割以上の職種を見たところ、経理・財務・会計、アパレルのMD・バイヤーなどの経験が求められる職種とプログラマー・SEが当てはまりました。
未経験の職種で、正社員にこだわるならば、正社員登用ありの求人を含めて検討するほか、自己PRや志望動機を見直したり、今の環境の中でスキル・経験を積んだりと、努力することが必要になりそう。
いま一度、転職で優先させるべきものは「職種」なのか「雇用形態」なのか、またはそれ以外なのか、応募する前に整理しておくことが、納得できる転職をするカギになりそう。

正社員の募集が多い職種リンク
店長・店長候補など、管理職にチャレンジしようと思った人はこちらをクリック!
営業にチャレンジしようと思った人はこちらをクリック!
経理・財務・会計に応募しようと思った人はこちらをクリック!
アパレルのMD・バイヤーに応募しようと思った人はこちらをクリック!
プログラマー・SEに応募しようと思った人はこちらをクリック!

雇用環境が変化したため、柔軟な視点が転職活動に必要になる

景気の悪化を受けて、転職の難易度が上がってしまった感もある今日この頃。まずは転職活動が長期化することを想定した上で活動を始めることをお勧めします。その際、志望動機の問い直し、条件の見直しなどが必要になったり、今の環境で身に付けたスキル・経験に磨きをかける努力をしたりと、一度立ち止まって振り返る必要がありそう。そういった柔軟な視点を持って転職活動の準備をすることで、不要な不安や心配が軽減できるはず。転職の先にある目標に近づくためにも、実行してみませんか。
出典/「とらばーゆ」(2008年10〜11月)に掲載された求人を集計
取材・文/編集部、デザイン/河村俊子