私にアピールできることってあるのかな…不安なときは経験したことを全部書き出してみよう!

2016年10月14日

賢く転職!差をつけるための面接・応募・採用のノウハウ
自己PR編:U29女子に知ってほしい「キャリアの棚卸」

転職活動の時に必ず考えなければならない自己PR。新規のサービスを立ち上げたとか、大きなプロジェクトのリーダーをした経験もないし、アピールできることがない…そんな悩みを持っている女子も多いのではないでしょうか。ですがあなたのお仕事経験の中には、隠れたアピールポイントがたくさん詰まっているんです。今までのキャリアを丁寧に分析することで、自分の良さを盛り込んだ自己PRを作ることができますよ。この記事では誰でもできるお仕事分析方法「キャリアの棚卸」についてご紹介します。今までの自分を振り返って、転職先にアピールできるポイントを探してみましょう!

キャリアの棚卸イメージ

そもそも「キャリアの棚卸」って何?

棚卸とは、商品の種類や数をチェックする作業のこと。つまり「キャリアの棚卸」とは、今まで経験してきた業務を全て書き出し、整理することです。たとえば「一般事務」という仕事の中には、書類作成やお客様からの電話対応、伝票整理などたくさんの業務がありますね。これらの業務を一つひとつ書き出してアピールポイントを探していきます。難しく聞こえるかもしれませんが大丈夫!少しの手間で効率的にキャリアを分析することができます。

なぜキャリアの棚卸が必要なの?

自分のやりたい仕事に転職するためには、キャリアを改めて見直して「何ができて、何をさらに高めたいのか」を考えることが大切です。そうでないと、転職活動を続ける中で「早く内定をもらう」「どこでもいいから転職する」というように目的が変わってしまうことも。落ち着いて自分のやってきたことを見つめ直してみることは、転職への自信にもつながります。
さらに、転職先の企業にあなたの良さを理解してもらうためにもキャリアの棚卸は重要。企業側は大量の応募者の対応をしている状態ですので、ありきたりな自己PRでは他の応募者に埋もれてしまいます。あなたが他の応募者と比べて何に秀でているのか、あなたを採用するメリットは何なのかを企業側に理解してもらうためにも、「キャリアの棚卸」であなたの強みを再認識しましょう。

具体的に何をすればいいの?

ステップ1:まずはやってきた業務をとにかく書き出す

今までに取り組んだ業務を丁寧に書き出してみてください。これは、あなたが仕事で得られた経験と、身につけたスキルを書き出して「見える化」するための作業です。業務の中で自分なりに工夫した点、心掛けていた点があれば同時に書き出していきましょう。

事例 アパレル販売職Aさんの場合
キャリアの棚卸し 業務の分類

一言で「販売」といっても、さまざまな業務が付随していることが分かりますね。
この時大事なのは、「こんなこと誰でもできる」「当たり前のこと」だと思わずに、どんな小さなことも書いてみること。多く書き出すコツは、一つの業務の前工程と後工程を詳しく思い出してみることです。

ステップ2:得意と苦手に仕分けてみる

書き出した業務の中で、自分が得意だったことと苦手だったことを分類してみます。

キャリアの棚卸得意と苦手を分類する

大きく2つに分類してみると、何が得意で、この先どんな成長が必要かを把握できますね。一方で、嫌いな業務の何がいやだったのか、好きな業務のどこが好きだったのかを分析するのも大切です。たとえばお客様に積極的に声掛けするのは苦手だったけど、話を聴くこと自体は好きだった…など、自分が本当にやりたい仕事探しのヒントになるかもしれません。

ステップ3:アピールに結びつきやすい「スキル」と「コミュニケーション」に分けてみる

未経験から異業種に転職する場合、これまでの業務経験をどうアピールしたらいいのか迷ってしまいますね。そんな時は、<ステップ2>で得意な業務に分類した内容を、アピールに結びつきやすい「スキル」と「コミュニケーション」の2つに分けて考えてみましょう。どちらに分類したらよいか分からないものは、ひとまず「その他」としてまとめてしまってOKです。

キャリアの棚卸 キャリアを3つに分類する

ステップ4:希望職種の共通点を探す

キャリアの棚卸イメージ

次に、<ステップ3>で書き出したものの中で、応募しようと思っている仕事と結びつくものを整理します。希望職種との共通点がある業務を見つけられたら、簡潔で説得力のある自己PRにするために、自分の強みとなるキーワードを導き出してみましょう。

事例 アパレル販売Aさんの場合(希望職種:一般事務)

キャリアの棚卸スキルの分類

ここまでアピールしたい要素が整理できていれば、「経験を積んで自分がどう成長したのか」、「新しい仕事にどう活かせるのか」などを盛り込んだ説得力のある自己PRをつくることができます。

自己PR文をつくってみよう!

以上のキャリアの棚卸から見えてきた自分の強みを、自己PR文にまとめてみましょう。

事例 アパレル販売職から一般事務へ転職希望 Aさんの場合

■デキる女子の自己PR文

私は約2年間、アパレル販売の経験を積んできました。特に心掛けていたのは、業務の中で改善できることがあったら積極的に効率化していくという事です。たとえば在庫が一目で分かるように在庫管理用Excelに記入欄を追加するなど、気づいたことを周囲に相談して実行するようにしていました。貴社でも効率よく業務を進め、スピーディーな作業ができるように取り組んでいきたいと考えています。
また、前職では一緒に働くスタッフとの信頼関係づくりにも力を入れていました。新人スタッフとのミーティングを週1回実施、相談に乗るなど、積極的に交流をとるよう心掛けました。人をサポートしたり、話を聞いたりすることに大きなやりがいを見いだせたことで、自分自身も人間的に成長することができました。
人と話すことが好きな持ち前の明るさと、接客で養った細やかな気遣いができる点をさらに磨いて、縁の下の力持ちとなってオフィスメンバーを支えることで、貴社の事業に貢献していきたいと思います。

ここがポイント!

自分が取り組んできたことを、具体的な事例を挙げて説明しているので、説得力があります。事務的な業務に携わり成果を挙げたことにも触れているので、販売業務の中で、事務的なスキルも身に付けたことが分かります。

■ちょっと残念な自己PR

私は約2年間、アパレル販売の経験を積んできました。特に心掛けていたのは、丁寧な対応です。お客様に対して、丁寧で分かりやすい接客を心がけました。伝票整理や在庫管理なども担当しましたが、接客と同じように、丁寧に作業をすることで、ミスが起きないように努めました。
職場では、みんながチームワークよく仕事ができるように、特に新人には積極的に声を掛けるなど、自分からコミュニケーションをとるようにしました。
前職で身に付けたスキルを活かして、貴社の事業に貢献していきたいと思います。

ここがNG!

仕事を通じて何を身に付けたかが伝わってきません。丁寧に仕事をしていると繰り返していますが、どんな風に対応をしていたのかイメージすることができません。また、今後どういう仕事をしたいのか、どんな点で貢献できるのか、具体的に示されていないので、本当に転職をする気があるのかな?と確認をしたくなってしまいます。
取り組んだことや成果については、具体的な事例や数字で説明をするようにしましょう。

いかがでしたか?キャリアの棚卸をすることで、自分では気付いていなかった可能性がたくさん見つかるかもしれません。志望動機や転職理由も整理できるので、履歴書や職務経歴書を書く前にぜひ実践してください。転職を考え始めたタイミングをよい機会と捉え、時間をかけて自分を見つめ直してみましょう。

取材協力:キャプラン株式会社(https://www.caplan.jp/)