『女子の人間関係』著書、水島広子さんに聞く、職場の人間関係相談
とらばーゆのアンケートでも働く悩みの中で必ずあがる「職場の人間関係」。特に女性同士の“ドロッ”とした関係に心がどんより重くなる人も多いのでは。そんな読者からの悩みを、今話題の本、『女子の人間関係』の著者、水島広子さんに聞いてみました。
気分屋の上司との付き合いに困っています
お悩み:女性上司が感情的で機嫌がいい時と悪いときの差が激しい。仕事の質問をしても機嫌がいいときしかまともに回答してくれず、常に機嫌を窺っているのに疲れました。このような気分屋の上司にはどう接すればいい?
(26 歳/一般事務/オフィス勤務)
水島さん:「気分の差が激しいのは、その人の気質的とも言えるものですから、にわかに治すことはできません。また、女性の場合、月経との関係もあるでしょう。ですから、あまり顔色を窺いすぎて疲弊するよりも、『今、質問してもいいですか?』とハッキリ聞いたほうがいいと思います。そこで機嫌が悪かったら、時間を空けてまたトライしてください。年上の女性上司とスムーズな人間関係を築きたいなら“立てる”ことが特効薬。年上の女性は自分より若い女性の生意気さがたまらなく嫌なものです。ですから『私はアナタを大切にしています』というポーズを見せることが可愛がられる秘訣。例えば、上司を通さなくてもいい案件でも報告したり、アドバイスを求めたりするなどして相手を立てることを心がけてみましょう。
仕事で「オンナ」を出す部下にイライラ
お悩み:女性の部下が、重いものを持ってもらったり、自分の都合のよいふうに協力してもらうために「オンナ出そうかな」と言って男性社員をうまく使っているのを見るとモヤモヤ。年下だし、嫉妬していると思われそうで何も言えないけど、見るたびに嫌な気分になる。この気持ち、どう消化すれば…。(33歳/販売員/百貨店勤務店長)
水島さん:「これは発想の転換をしましょう。店長であれば仕事のアウトプット、つまり任されている店の売り上げが自分の評価につながります。部下が『女』を使って男性社員を使っていても、それで店がうまく回るのであれば、貴方の評価になるわけです。部下がそれぞれの個性を出していい働きをしてもらうのが店長の自分にとって一番だと考えてください。もしも貴方が嫉妬をするなどして『女』を出してしまうと、相手の部下も『女』を出してきますから、まずは自分の『女』度を下げること。“働く女同士”ではなく“働く者同士”として付き合っていきましょう。
群れる職場女子との付き合い方がわからない
お悩み:女性が多い職場で働いています。いくつか仲良しグループ(派閥)が存在していますが、私自身は群れることが好きではないので、どこにも属していないのですが、やたらと誘いをかけられて困っています。また、頻繁に女子会も開催されますが、あまり参加したくないのが本音。しかし、参加しないと何を言われているか心配だし、参加者で結束が深まり仕事や今後の関係にも影響が出そう…。群れる女性たちとの付き合い方を教えてください。
(25歳/一般事務/オフィス勤務)
水島さん:「群れる女性たちとの付き合いでもっともよくないのは“完全に無視すること”と“媚びること”です。ですから、苦手だとしても5回に1回は女子会に参加し“あなたたちのことは大切にしています”という意思を見せるのが大切。それができれば、あとの4回は断っても徹底的に悪く言われることはないでしょう。また、『人ごみが苦手』『外食があまり好きじゃない』などと頻繁に言って“仕事後は帰る人”というキャラクターを印象づけるのもひとつの手です。そして、参加しなかったからといって『昨日はごめんね』などやたらと媚びると、『面倒くさい』存在として女性から嫌われる要因なので注意。ただ、覚えておいてほしいのは、自分の仕事がうまくいっていれば、職場の人と必要以上に仲良くする必要はないということ。職場の女性は“友達”ではないですからね」
■ 本紹介
『女子の人間関係』
サンクチュアリ出版/水島広子 著
精神科医の著者による女性特有の“めんどくさい”人間関係の原因・解析、そして解決方法を紹介。職場や友人同士、ママ友などあらゆるケースを取り上げており、女性ならば経験したことのある「人間関係」の対処法が丁寧にレクチャーされている。
http://www.sanctuarybooks.jp/joshi/