未経験から転職! 食品工場のアルバイトからエステティシャンへ

2015年02月26日

同じ悩みを持ったお客さまが笑顔になるのが喜び

ディオーネ秋津店
吉川 貴美子さん(仮名)(25歳)

ディオーネ秋津店 吉川 貴美子さん(仮名)

Profile:高校卒業後、派遣スタッフとしてアパレルの販売スタッフ、コールセンターなどを経験。直近では、食品工場で仕分け作業を担当。父の定年を目前に定職に就きたいと就職活動を行い、2013年11月にエステティシャンへと転職した。

|メイクが好きで“美”に興味があった
高校を卒業してから、派遣スタッフとして業種も職種も異なる仕事を7年近く続けていました。実家に住んでいたこともあり、“仕事=お小遣いを稼ぐもの”という意識で、職種や雇用形態へのこだわりがあまりありませんでした。しかし、父親がもうすぐ定年を迎えるということで「早く定職に就きなさい」と口酸っぱく言われるようになったんです。
当時、食品工場で仕分けの作業のアルバイトをしていたのですが、自身の今後の働き方について考えるようになったことがきっかけで退職。高校生の時からメイクをするのが好きでお小遣いでコスメを買い集めていたこともあり、“美容”に関する仕事に興味を持っていました。そんな時、知り合いの人でエステの仕事をしている人から話を聞いて、「人をキレイにする仕事もある」ということと、自分のお店を持っているというところに憧れて、自分もチャレンジしてみたいと思うようになりました。
そこで就職活動を本格的にスタートしたところ、ディオーネの求人を発見! 実家からも近く、未経験からでもエステティシャンになれるということで応募しました。

現在、私はエステティシャンとして、お顔の脱毛からフェイシャルのマッサージなどを担当しています。入社後はまずは店長や先輩の仕事ぶりを徹底的に観察することからスタート。未経験でもできる簡単な業務から始めて、先輩をモデルとしてフェイシャルマッサージの仕方などを覚えていきました。最初のころは何もかもがわからないことばかり。知らないエステ用語が出てきたら、インターネットですぐに検索。それでも理解できないときには、先輩や店長に質問して疑問をクリアしました。働き始めて3カ月くらい経ったころ、初めてお客さまのフェイシャルを任せていただけるようになりました。最初のころは、不安ばかりで試行錯誤でしたが、お客さまの肌に触れることができるということでステップアップできたと実感することができましたね。

|仕事にのめり込んでいくのは初めての経験
これまでいろいろな業種、職種の仕事を経験してきました。でも、その時には仕事をする目的は、“お金を稼ぐ”ということしかないと思っていました。だから、仕事の時間を楽しく過ごしたいという発想はあまりありませんでした。エステの仕事は初めてで、知らないことばかりで戸惑うことも。でも、自分の興味のあることなので楽しくて、どんどん仕事にのめり込んでいます。

この仕事に就いてから、今年で2年目。お肌の手入れの仕方も随分と変わりました。以前は化粧をしたまま朝まで寝てしまうこともありましたが、今では正しい手順でお肌のお手入れをするようになりました。そのせいか、女友達から「お肌がすごくキレイ!」と褒められることも増えました。

一番うれしかったのは、お客さまからの「気持ちがイイ」という言葉を聞いた時です。そのお客さまを担当したころ、私はまだ施術を始めたばかりだったので、試行錯誤の状態でした。
実は内心、“お客さまは本当に満足していただいているのかな”と不安に思っていたので、「気持ちイイ」という声を掛けてもらった時、自分のやっていることに初めて自信が持てるようになりました。その後、接客では本音を話していただけるように、まずは自分の悩みを打ち明けることも。自分と同じ悩みを持ったお客さまが心を開いて話をしてくれたことに対して、最善を尽くそうと心がけています。

先輩や店長に比べて、まだまだ経験不足ですが、これからもどんどん新しい知識を吸収していけるように日々積み重ねていきたいです。

●ある日の流れ
9:30 出勤。サロン内の掃除など、開店準備。
10:00 小学生の男の子のお客さまが親御さんと一緒に来店。手と足の脱毛を行う。
13:00 ランチ。お弁当を持参したり、コンビニで買ってきて食べたりする。
    忙しいときには、交代で食事をする。
14:00 別のお客さまが来店。脱毛とフェイシャルを行う。
15:00 ブライダルの準備のため、上半身の脱毛を行う。
16:30 休憩。
19:00 勤務終了。

●転職before / after
・雇用形態……アルバイト → 契約社員
・勤務時間……シフト制6時間勤務 → シフト制8時間勤務
・給与……お小遣い程度 → 頑張れば一人暮らしができる程度
・休み……シフト制(月10日) → シフト制(月9日)
・休日の過ごし方……夜中勤務だったので、寝たり飲みに行ったり → ショッピングや化粧品売り場で化粧品を試すことも増えた

●転職して変わったこと
以前の仕事では、「働く=お金を稼ぐため」という意識だったのが、仕事は楽しいということを初めて知った。プライベートだけでなく、仕事の時間も充実したものに。

●編集部より
親からのプレッシャーをきっかけに、仕事をについて考えなおすようになり、今の仕事を選んだ吉川さん。思い切って未経験から飛び込んで良かったと話す彼女の顔はキラキラと輝いていた。仕事=お金だけじゃないという、魅力を改めて気付かされた。

取材・文/松葉紀子(スパイラルワークス) 撮影/刑部友康