未経験から転職! 一般事務からデイサービスの介護スタッフへ

2015年01月22日

働きながら介護の資格を取得。ご利用者さまの笑顔が私のやりがいです

ヒューマンライフケア株式会社 「ヒューマンライフケアしらひげ乃湯」デイサービスセンター
鵜澤麻実さん(27歳)

ヒューマンライフケア株式会社 「ヒューマンライフケアしらひげ乃湯」デイサービスセンター 鵜澤麻実さん

Profile:ペットトリマーの専門学校卒業後、ペットショップに就職して7年勤務。出産を機に退職する。子どもが1歳のときに自宅近くの知人の会社で一般事務を手伝うことになり、アルバイトで再就職。4年前母が交通事故にあい、重い後遺症を抱えたこともあり、介護の知識を身に付けようと転職を決心。2014年9月に現社に入社。

|デイサービスの仕事と育児を両立
最初の仕事はペットショップのトリマーでした。子どものころからの憧れの仕事で、7年勤めて店長にまでなりましたが、出産を機に退職。しばらく育児に専念した後に、父の友人が経営する専門商社で「子連れ勤務でもいいから」と事務を手伝うことになりましたが、4年前に母が交通事故にあって重い後遺症を抱え、介護を身近に感じていました。

実は、私の出産直前に祖父母が続けて倒れたときに、手伝えなかった心残りがずっとあったんです。だから、今度こそ介護を学ぼうと。そのために介護の仕事に就こうと思ったんです。でも、未経験で子どもがいてもできるのか、そもそもどんな会社があるのかなど、わからないことだらけ。そこで、看護師の友人がデイサービス(※1)で働いていたので相談したら、「うちの会社なら、未経験でも働きながら学校に通って介護の資格(※2)が取れるよ」と。それがヒューマンライフケアでした。
※1 日帰りで利用する通所介護サービス
※2 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

ヒューマンライフケアはデイサービスのほかに訪問介護や、介護付き有料老人ホームなども手がける会社。私は友人が勤める今の施設に応募しましたが、結果的にはデイサービスを選んでよかったと思います。子どもが小さいので夜勤のある老人ホームは難しいですし、訪問介護はご利用者さまの自宅を一人で訪ねることにまだスキル面の不安がある。デイサービスは昼間の勤務のみで、先輩スタッフと一緒に働けることが魅力です。

|「あなたに任せれば安心」と言われる存在になりたい
今は一週間の平日5日のうち4日勤務し、1日はヒューマンライフケアが運営する「ヒューマンライフケアカレッジ」で介護職員初任者養成講座を受講しています。会社が認定を受けている「東京都介護雇用プログラム事業(※3)」を利用し、契約社員として働きながら無料で資格取得できることもうれしい点。順調にいけば、この記事が公開されるころに資格を取得している予定です(笑)。
※3 介護人材の確保と育成を図る東京都の事業。実施は平成27年2月28日まで。

当施設のご利用者さまは、登録全体では約60名。60代から上は100歳近い方がそれぞれ週2~3日、1日に20名ほど来られます。身体に麻痺はあるか、あるなら左右どちらか、認知症の有無は…といったことで介助の仕方が変わります。最初は戸惑いましたが、これはもう経験で覚えるしかありません。実際に接して、会話をしながら要介護の状態を頭に入れて。私はもともと人と接することが好きなので、出会った人のことを覚えるのも得意。今ではご利用者さまに合わせて自然に動けるようになりました。

転職して思うのは、介護は人の命を預かる仕事だということ。転倒などの事故がないようにというだけでなく、高齢の一人暮らしの方から、唯一ここで人と接するといったことを聞くと責任を感じます。できるだけ元気でいていただくことも、私たちの役目。身体機能を保つために、入浴も食事も自分でできることはしてもらいます。私たちはいつでも助けられるように近くで見守り、笑って過ごせるように明るい雰囲気をつくる。ご家族から「あなたに任せれば安心」と言われる存在になれればうれしいです。

母はお陰さまで日常生活ができるまでに回復しました。でも将来、また何かあったときには私が家族をサポートできる。そう思える知識や経験が身に付く実感があります。介護の仕事を選んでよかった。改めてそう感じます。

●ある日の流れ
7:45 出勤。今日の利用予約者に予定確認の電話。
8:00 専属ドライバーが運転するワゴン車に乗り込み、送迎に出発。家族との会話も大切な情報源。「お変わりないですか?」「よく眠れましたか?」など介護に必要な情報をさりげなく収集する。
9:30 入浴介助。
12:00 ご利用者さまの昼食。誤嚥(ごえん・食べ物が誤って気管に入ること)などがないよう、少し離れたところから食事の様子を見守る。
12:30 ランチ休けい。11:30から休憩に入っていたスタッフと交替で食事。
13:30 体操とレクリエーションの時間。内容はスタッフが持ち回りで企画する。自分が担当する今日は、紙飛行機をつくって飛ばす大会。皆さん童心に返って盛り上がる。腕の機能訓練にもなるメニュー。
15:00 おやつの時間。
15:30 ご自宅への送迎開始。
17:00 勤務終了。

●転職before / after
・雇用形態……アルバイト → 契約社員
・勤務時間……9:00~17:00 → 8:00~18:00(シフト制・実働8時間)
・給与……生活費の足しになる程度 → 自立して生活できる程度
・休み……完全週休2日制(土日) → 週休2日制(シフト制・年間休日110日)
・休日の過ごし方……家事、子どもと公園で遊ぶ → 家事、子どもと公園で遊ぶ

●転職して変わったこと
前職の事務職はパソコンに向かう仕事でしたが、介護は身体を動かして人と接する仕事。今の方が私には合っているようで、本領発揮という感じ(笑)。自分でもイキイキしているなと思います。より自分らしく働けている実感がありますね。(鵜澤さん)

●編集部より
ご家族の不慮の事故をきっかけに「家族の役に立てる自分になりたい」と考えた転職で、鵜澤さんはより自分らしく働ける場を見つけました。仕事とプライベートを「オンとオフ」と分ける考え方がありますが、実際には両者をきっちり区別するのは難しいのではないかと思うことがよくあります。オンもオフも関係なく、どんな自分になりたいかを突き詰めてみる。本当に心動かされる仕事は、その先に見つかるのかもしれません。

取材・文/大崎直美 撮影/刑部友康