女のマネー講座:正社員転職で月給が下がる

2010年01月01日
マネー講座タイトル


自分で働いて得たお金は、ムダにしたくないし、できる限り賢く付き合いたい。
ここで、マネーの賢い貯め方、使い方を身に付けよう!

vol.11 正社員の事務職への転職を希望。月給が下がるので、これからどうすべき?


転職活動中/Y・Nさん(27歳)

profile 短大卒業後、正社員のプログラマーとして1年勤務。その後、大学に編入。卒業後、派遣スタッフとして、事務やOAオペレーターの仕事に従事。4年間で4社に勤める。現在は正社員の事務職を探して転職活動中。東京23区内で一人暮らし。

転職活動中/Y・Nさん(27歳)家計簿

溝渕麻理さん


溝渕麻理さん
ファイナンシャルプランナー兼 キャリアカウンセラー。 三菱信託銀行を経て、人材派遣会社、人事総務部マネージャーを経験後、お金の専門家の集団「フェイシス」に参画。100ten.Schoolで講師も行う。
http://www.100ten.co.jp/


転職でお給料が減るならば、使途不明金をなくし、支出を引き締めよう

Nさん:「時給2000円のOAオペレーターとして働いていて、雇用形態は派遣です。気楽にできる派遣の仕事よりも、安定感がほしくて、正社員の事務職を希望し転職活動をしています」
溝渕先生:「正社員の事務職となると、今までと同じ月給(手取り27万5000円)はもらえないでしょう」
Nさん:「そうですよね。実家暮らしをしていたときに貯めた250万円がありますが、それは切り崩したくありません。ちなみに貯金が趣味です」
溝渕先生:「いいことです。転職先のお給料によりますが、もう少し家賃を下げ、6万円もある使途不明金をなくすことで、支出を引き締めるようにしましょう」
Nさん:「今の家は都心で便利すぎるくらいなので、もう少し郊外に引っ越そうかと思っています」
溝渕先生:「それがよさそうです。さて、Nさんは(カウンセリングシートを見ながら)投資に興味があるんですね?」
Nさん:「なんとなく、雑誌で読んだことがある程度ですが」
溝渕先生:「Nさんはこれまで目的なく貯金してきたようですが、貯金も投資も目的を持って行うべきものなんですよ」
Nさん:「投資の目的って、一般的にはどんなものですか?」
溝渕先生:「“老後の生活費”“マイホームの購入”などですね。老後は最低でも5000万~6000万円必要だと言われています。私たち現役世代は、年金(※)だけでは頼りにならないので、今から投資を始めて、ゆっくりとお金をふやすとよいでしょう。月給が2万円下がったとしても、投資でお金をふやせば、将来の不安が軽減するはずです」
Nさん:「外貨(預金)(※)も投資(商品)ですか?」
溝渕先生:「そうです。値動きのあるものは投資商品です。為替の動きで自分が預けたお金が増えたり減ったりします。Nさんはもう少し支出を引き締められたら、書籍やセミナーを利用して投資の勉強をするといいでしょう」

◆結論1 :
月給ダウンの対策は、家賃の見直しと使途不明金をなくすこと

正社員になると年収がアップするかもしれませんが、今の支出のままで月給が下がると、貯金ができなくなりそうです。まずは、使途不明金をなくし、お金を遣ったらメモをとる習慣をつけて、全体的に支出を引き締めるようにしましょう。事務職を希望しているので、今より家賃の低いところに引っ越す必要が出るかもしれませんね。

◆結論2:
支出管理と長期的な投資で、月給2万円のダウンは補えるでしょう

貯金体質であるNさんは、月給が下がった場合、支出管理を行うだけでなく、将来に向けた長期的な投資でゆっくりとお金をふやせばいいのです。投資することを“お金に働いてもらう”と言いますが、労働収入だけに頼らず、その他の収入を投資に求めることで、27歳の今、転職をして月給が2万円下がったとしてもその分は、補うことができるでしょう。

マネーがどんどんわかる!基本ワード


年金

年金制度は、20歳以上に義務がある「国民年金(基礎年金)」を土台に、会社員の「厚生年金保険」「企業年金(企業による)」、自営業者の「国民年金基金(任意加入)」を上乗せする構成となっている。それ以外に、“個人年金”といわれる商品を保険会社で購入し、自分で備える方法もある。


外貨預金

円を外貨(米ドルやユーロなど)に換えて、外国のお金で運用する預金のこと。現時点では、日本より高い、海外の金利で運用できるが、為替リクスがあるので円高に動いた場合には、差損が発生する。あくまで、余剰資金で行うべきもの。