美・癒しに関わる仕事インタビュー vol.9
植物とセラピストの力で、本来持っている生命力を高めてあげたい
オーガニーク青山
アロマセラピスト
佐渡けい子さん（34歳）
まるで恋に落ちるように、心がアロマセラピストに惹かれてしまった
一つの出会いが、人生を大きく変えることがある。それを体現しているのが佐渡さんだ。友人に誘われて、何気なく訪れたアロマサロンで一生の仕事に出会ってしまう。「まるで恋に落ちたかのようにピンときたんです。この仕事をやりたいって」。アロマの香りに包まれた居心地の良いサロン「オーガニーク青山」。ここでアロマセラピストとして働く佐渡さんは30歳を超えて今の仕事に転身した。
高校を卒業後、アルバイト生活を続けていたが、どの仕事にも夢中になれず悩んでいたという。そんな時、母親の知人が紹介してくれたのが美容室のレセプショニストだった。「電話応対から予約確認、接客など受付業務を行う仕事でしたが、今まで感じたことのない手ごたえがあった。自分の接客や少しの気遣いでお客さまが喜んでくれることが、とても楽しかった。もっと、お客さまに喜んでもらうため、接客術を磨いたり、話し方を考えたりと勉強にも余念がなかったですね」。そんな充実した仕事を8年続けた28歳のころ、大きな転機が訪れる。「友人に誘われて、なんとなくアロマサロンへ行ったんです。まず、店内に入った瞬間にピンとくるものがあった。そして、実際に施術を受けると“ピン”が“この仕事をやりたい”と明確になったんです。“アロマの香りに包まれて働きたい”とか“お客さまの疲れを癒やしたい”などの理由はなく、ただ“この仕事に就きたい”と。この気持ちは説明しようがないんですよね。言うならば、ひと目ぼれみたいなものでしょうか。理由もわからず、出会った瞬間に心が惹かれてしまう…みたいな（笑）」。施術後、友達から「さっきと表情が違うね」と言われ「アロマセラピストになる」と宣言したという佐渡さん。恋が動き出した瞬間だった。
アロマの知識を活かせるサロンで第二の人生が始まった
一度決めたら、すぐに動きだす性格だという佐渡さん。サロンに行った翌日からアロマセラピストについて調べ始め、1週間後にはアロマスクールの学校説明会に参加したというから、その行動力には驚くばかり。「アロマセラピストの資格を取得するため、レセプショニストの仕事を続けながらスクールに通いました。美容室の仲間も応援してくれ、31歳のころ、円満に退職し、アロマセラピストの道を踏み出しました」。しかし、実務経験がないため、なかなか就職先が決まらず、やっと決まったのはボディリラクゼーションのサロン。実践的な技術を学べたものの、アロマの知識を活かすことができず転職を考えていたころ、アロマスクール時代の友人から「セラピストを探している」と吉報が！ 「それがオーガニーク青山でした。オーガニック精油を使った本格的なアロマサロンで、まさに私が理想としていた職場だったのです」。
オーガニークでは、お客さまの体調や気分に合わせて精油をブレンドし、オーダーメイドのオイルを使ってトリートメントを行う。そのために、お客さまの現在の状態や、どう改善していきたいかをしっかりカウンセリングすることが重要。そして、改善とは自分の奥底に眠っている力を呼び起こすことだと佐渡さんは言う。「植物とセラピストの力によって、その人本来の生命力に気付いてもらう。私が、アロマと出会い、新しい一歩を踏み出したように、自分の中で何かが変わるきっかけになってもらえればと強く思うんです」。一点の曇りもない笑顔で語る佐渡さんを見ていると、誇れる仕事が生命力をより高めていくのだろうと実感した。
■ある一日の流れ
10:00 出勤。店舗の掃除や施術ルームのセッティング、植物の水やりなど開店の準備。
11:00 開店。カウンセリングをもとに50種類以上の精油から選び、お客さまの目の前でブレンド。香りによってお客さまの表情や体がリラックスしてくる様子が見られるのはやりがいの一つ。。
15:00 ランチ休憩。ランチは大体お弁当を持参。力をつけるために、しっかりめのメニューが多いとか。
16:00 施術再開。保育園が近いため午前中は主婦の方、夕方からは仕事帰りの女性が多い。
20:30 閉店。片づけ、終礼を行い業務終了。21時には帰宅の途へ。
オーガニーク青山
●住所/東京都港区南青山2-24-5-1F
●アクセス/東京メトロ外苑前駅から徒歩2分
●電話/03-5785-2106
●営業/11:00～20:30 土・日・祝は10:00～19:30
●休み/無休（年末年始、夏季休業除く）
カウンセリングをもとに、一人ひとりに合わせたオイルでトリートメントが受けられるオーガニックサロン。オリジナルの大型ハーブスチームバスも人気。