スペシャルインタビュー 脚本家 大森美香さん

2009年01月26日

大森美香さん2月7日公開の映画『ヘブンズ・ドア』。この脚本を手がけた大森さんは、テレビ局の一般職から、「好きな仕事をしたい」と、自ら道を切り拓き、夢を実現させた人。そんな明るくパワフルな大森さんに、映画とご自身の仕事について語ってもらいました。

―――この『ヘブンズ・ドア』はどんな映画?
(大森さん)「余命わずかと宣告された若い2人が、さまざまなハプニングに巻き込まれながらも、残された人生を全力で駆け抜けていく。死に向かっていく話ではあるんですが、悲観せずに、だからこそ今を生きようという、そんなメッセージが込められた映画です」

『ヘブンズ・ドア』―――リミットがあるからこそ、今を精一杯生きる大切さがわかるという…。
(大森さん)「そうですね。今しかないから、今を楽しむ。私自身もそういうタイプで、せっかちだから、何でも今日中に決めたいんです(笑)。もちろん、鬱々と悩む時期も必要だけど、そうやって躊躇したり、よどんでいる時間がもったいなくて…」

―――決断力があるんですね。
(大森さん)「これ以上、状況が良くなることはないと思ったら、もう次のことを考えますね。考えながら地盤を固めて、今だと思ったら行動する。瞬発力はあるほうだと思います」

―――大森さんがOLからテレビ局のADになったのも、その瞬発力で?
(大森さん)「マスコミセミナーでテレビ局の制作部長の話を聞いたらすごく面白くて。セミナーのあと、エレベーターまで素早く追いかけて行って名刺をもらったんです。それからしつこく電話をして(笑)、フリーのADとして制作現場に入らせてもらいました」

―――不安はなかったですか?
(大森さん)「どんなに慎重に事を進めても、失敗は誰にでも起こるもの。だから私は失敗を楽しむようにしています。実は私、よく道に迷うんです。この間、波照間島を一人旅したときも、自転車でぐるぐる回っていたら、帰れなくなっちゃって(笑)。でも、海辺で猫の集団に出会ったり、汗だくになりながら、ギリギリまで冒険を楽しみました。そうやって道に迷っても、思いがけないものが見つかったりするんですよね。だから、やれることはやっておかないと」

『ヘブンズ・ドア』―――先のことは誰も予測できないから、まずは行動してみる。
(大森さん)「そうですね。今回の映画の春海(福田麻由子)も、ずっと病院暮らしで動き出すきっかけがなかったけれど、勝人(長瀬智也)に出会って1本の筋が見えた。だから思わず走り出した。そうやって少しでも光が見えたら、光のある方向に歩き始めてみることが大切なんだと思います」

―――そういう“光”を見つけるには?
(大森さん)「自分はどんなことに興味があるのか、常に意識しておくことですね。好きなものへのキーワードに敏感になっておく。そうやってレーダーを張っておけば、雑誌を読んでいても、電車に乗っていても、『これ面白そう!』と思えるきっかけに出会えますから。今は冒険しにくい世の中かもしれないけれど、自分の本能を閉じてしまっていると、ストレスになることもある。パワーを貯める時期も必要だけど、飛び出すときも人生には必要で、それがチャンスにつながっていくんだと思います」

●Profile
おおもりみか●1972年生まれ。短大卒業後、名古屋テレビ放送の総務部で事務兼秘書として4年勤務。その後、フリーのADとなりドラマ制作に携わる。98年、深夜ドラマ「美少女H~十七歳の記録」で脚本・監督デビュー。「カバチタレ!」「ロング・ラブレター~漂流教室」「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」など、数々のヒット作を世に送り出す。2005年「不機嫌なジーン」の脚本で向田邦子賞を受賞。近年は映画の脚本・監督も手がけている。

●映画告知
『ヘブンズ・ドア』『ヘブンズ・ドア』
2009年2月7日(土)全国ロードショー
シネマライズ、シネカノン有楽町、新宿ジョイシネマ、新宿バルト9、池袋HUMAXシネマ他
・あらすじ
ある日突然、余命わずかと宣告された勝人と春海。2人は病院を抜け出し、「死ぬまでにやりたいこと」を叶える旅に出る。しかし、盗んだ車には、なぜか拳銃と大金が! 警察や謎の組織に追われながらも、“最高のエンディング”を目指して、人生を駆け抜けていくロードムービー。

『ヘブンズ・ドア』 監督:マイケル・アリアス
脚本:大森美香
主演:長瀬智也、福田麻由子
主題歌:アンジェラ・アキ『KNOCKIN’ ON HEAVEN’S DOOR』
配給:アスミック・エース
公式サイト:http://h-door.jp
©2009アスミック・エース エンタテインメント/フジテレビジョン/ジェイ・ストーム

インタビュー・文/木村さとみ、撮影/榎本祐介、デザイン/河村俊子