オフィス環境を整理すると、みるみる仕事がスピードアップ!
大量の仕事を抱えて、デスク周りは書類が山積み。パソコンのデスクトップ画面にはファイルが散乱……。そういうときこそ仕事を効率的に進めるために、まずやるべきなのは“片付け”です。オフィス環境を整理することで、驚くほど仕事がはかどります。
そこで今回、仕事を早く片付ける整理術の達人である美崎栄一郎さんに、すぐに役立つ実践的なテクニックについてお話を聞きました。
書類管理のルールは「立てること」と「3つのレーンに分けること」
仕事の作業効率を高めるためには、まず書類管理を徹底しましょう。いくつもの業務を抱えていると、書類もそれだけ増えていきます。書類は平置きにすると、どんどん積み重ねていってしまうので、基本、立てて分類します。
関連性がある書類ごとにクリアファイルにまとめておくと、必要なときにすぐに取り出すことができます。そのクリアファイルをファイルケースやブックエンドを使って、下記の3つのレーンに分けて管理しましょう。
■プロジェクトレーン:企画書などの進行中の案件に直接関係する書類
■ファストパスレーン:最優先で片付けなければいけない業務に関する書類
リーディングレーンの書類は、仕事の参考になる資料や雑誌の切り抜きなどが該当します。
プロジェクトレーンには、色やデザインなど見た目が異なるクリアファイルを用意しましょう。業務ごとに書類をまとめて、別々のクリアファイルにしまっておくと、わかりやすくなります。
ファストパスレーンには、上司に至急処理するように指示された書類などを入れます。ただし、ここにはあくまで緊急を要する書類だけにして、基本的には空であることが理想です。ですから、他の2つのレーンに比べて、幅が狭くても構いません。
また、クリアファイルに入れた書類をデスク上のどこに置くかも大切です。パソコンのディスプレイ横の利き腕側に置くようにしましょう。各レーンの並び順は、ディスプレイに近い方からプロジェクトレーン、ファストパスレーン、リーディングレーンです。急を要する業務があるとき以外は、最も手に取りやすい位置に、プロジェクトレーンを置きます。
パソコンのデータ管理は使用頻度で分類する
パソコンのデスクトップがアイコンであふれ、必要なデータがすぐに取り出せないと、仕事の効率にも影響します。
パソコン内のデータ整理はまず、よく使うものとそうでないものに分けて、フォルダに入れておくことです。使用頻度の高いデータを収めたフォルダは、すぐにアクセスできるように、デスクトップ画面などのできるだけ浅い階層に置いておきましょう。
使用頻度の低いデータは、関連するファイルをひとつのフォルダにまとめておきます。そのフォルダは浅い階層に置いておく必要はありません。データが必要になったとき、ファイル検索で探し出すようにするといいでしょう。
ただし、使用頻度の低いデータを入れたフォルダは、名前の付け方に注意が必要です。後で「検索してもヒットしない!」ということがないよう、自分で思い浮かべやすいキーワードをフォルダ名に入れましょう。また、ファイル名はそのままでも問題ありません。フォルダ内で検索にかけたあと、目視で目的のファイルを探してもそれほど時間はかからないはずです。片付けたり整理するのが面倒にならないよう、手間を減らすこともポイントです。
業務タスクは、細分化してノートに書きとめておく
デスクの書類とパソコンデータを整理したら、次は業務のタスク管理を見直してみましょう。業務タスクは、まず必要な作業工程をできるだけ細かくリストアップして、書きとめておきます。その際、「○○する」というように、必ず動詞まで書くようにしましょう。例えば「会議」であれば、次のとおりです。
「上司に日程の確認をする」→「会議室を予約する」→「関係者の一覧を作成する」→「関係者一覧を確認してもらう」→「会議の案内文を作成する」→「会議の案内文の内容を確認してもらう」→「会議の案内文を関係者にメールする」
一口に会議といっても、日程確認から案内文の送付まで、複数の作業工程が必要になります。このとき、各作業工程の間には、スペースを空けておきましょう。付随する作業や、会議室の部屋番号、用意する備品などを追記できます。やり終えた作業は、レ点や打消し線などで、印を付けておきます。このように、作業工程を細かく記すことで必要な手順が明確になり、何から始めればいいのかわからず、つい仕事を先延ばしにしてしまう、ということがなくなります。
商品開発コンサルタント。ビジネス書作家。講演家。花王株式会社でのサラリーマン経験から、理論だけではなく、実際の現場での経験をもとにした使えるノウハウをまとめ、伝えることが評価され、著作は30冊以上。整理術、ノート術、仕事効率化、デジタル端末の使い方など、企業での講演も行う。
※この記事は2017年9月時点での情報です。