仕事がお互いの関係を良好に!石峰家が子どもを3人育てながら共働きする理由

2016年02月05日

結婚や出産といったライフイベントは女性にとって大きな節目となります。仕事と家庭のバランスを保つには、夫の協力が欠かせません。
そこで、先輩夫婦のうらやましすぎて震える(?)ような、結婚と仕事を両立させる理想的な関係をご紹介します。みなさんがライフプランを考える際のヒントが見つかるかもしれません。

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今回ご紹介するのは、臨床検査技師として病院に勤務する石峰智恵美さんと、アパレル会社で海外店舗の経営管理を行っている満徳(みつのり)さんご夫婦です。

長男の愛士(あむる)くん(6歳)、次男の夢士(ゆま)くん(4歳)、三男の煌士(るみえ)くん(1歳)の3人を育てながらそれぞれ異なる業種で働く石峰さんご夫婦に、お互いの仕事観をどのように理解し、認め合いながら育児と仕事を両立させているのか、工夫している点や苦労している点を聞きました。

【石峰さんご夫婦から学ぶ成功の秘訣】

・お互いの仕事の話をあえて家庭に持ち込むこと
・2人の休みが合わない場合、一方が育児をカバーすること
・両親が健康であるならば、たとえ遠方でも助けを求める勇気を持つこと

忙しくなることはわかっていても、視野を広げるために再就職を選択

左から妻の智恵美さん(32歳)、長男の愛士(あむる)くん(6歳)、三男の煌士(るみえ)くん(1歳)、夫の満徳さん(32歳)、次男の夢士(ゆま)くん(4歳)

左から妻の智恵美さん(32歳)、長男の愛士(あむる)くん(6歳)、三男の煌士(るみえ)くん(1歳)、夫の満徳さん(32歳)、次男の夢士(ゆま)くん(4歳)

―結婚する前から、子どもの人数や働き方など、ライフスタイルに関わる話はしていたのですか?

満徳さん:結婚する前は妻が長崎、僕は東京で遠距離恋愛だったんですけど、仕事の話は日ごろからなんとなく出ていました。職場では言えないことをお互いよく愚痴っていたと思います(笑)。

異業種だから細かい話をされてもわからなくて、ただ聞いてもらえればそれでよかったんですけど。そうした雑談を通して、「結婚しても2人とも働いていそう」というイメージは、お互い認識として芽生えていたと思います。

でも子どもについては、「兄弟はほしいよね」という話をしたぐらいで、まさか3人、しかも全員男になるとは思いもしなかったですね(笑)。

―結婚後は、理想どおりの生活を送れましたか?

智恵美さん:2人の理想は、「共働きをしつつ、仕事と家庭のバランスをしっかり取ること」だったんです。しかし、私はもともと長崎にある実家の病院で働いていて、結婚を機に上京し、仕事を探し始めたタイミングで長男を妊娠しました。そのために現実は専業主婦からスタートになりました。

それでもいつかは病院での仕事に戻りたいと思っていて、次男も出産して8カ月が経ったころ、ようやく再就職のための仕事探しを始めて、今の職場に就きました。

―2人のお子さんを育てながら就職先を探すのは苦労したでしょうし、子どもが3人になっても働くのは大変だったと思います。それでも働きたいと思ったのはなぜでしょう?

智恵美さん:育児だけでも大変だと聞いていたし、そのうえ仕事のブランクもあったので、復帰して両立できるか確かに不安でした。でもそれよりも子どもを保育園に入れて社会に慣れさせること、自分も社会に出ることの方が大事かと思いました。

経済的な理由で共働きを選択したのももちろんありますが、それよりも家にいる時間が長いと息苦しくなってしまうタイプで…。一度社会人を経験すると視野が広がっていく感覚がありますし、リフレッシュする意味でも、仕事と育児の両立というのが自分には向いていると思いました。

―お二人はご自身の「仕事」をどのように位置づけていますか?

満徳さん:仕事にばかり追われるような生活をするつもりはなくて、でも家庭にばかり入っていても養えないし、ワークライフバランスって言うとカッコつけすぎなんですが、両方のバランスを取ることで生活が充実するものと考えています。

智恵美さん:視野を広げるためのもの、家事のストレスをリフレッシュさせるものという認識でいます。仕事のストレスは家庭で癒して、家庭では味わえない社会との交流を仕事で楽しもうと思っています。

―お互いの仕事に対してどのような印象を持っていますか?

満徳さん:分野が違うから仕事の詳しい内容はわからないんですけど、話を聞くたび、「彼女は人のためになる仕事をしている」と感じるんです。だから、やっぱり妻のことを尊敬していて、本人が働きたいのなら(共働きは)いいことだなと思っています。

あと、子どもたちには早いうちから社会性を身につけるために、保育園に通わせたいと思っていて。だから、妻が働くことには賛成していました。

智恵美さん:店舗に出ると休みは固定ではなくなるので大変ですが、今は早く帰って来てくれるようになったし、周りに既婚が少ないなかできちんとバランスを取って働いているところは感謝しています。

はるばる長崎から母親が子守りに!

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―共働きを始めてからは、仕事と家庭のバランスを取りながら暮らすことができたのでしょうか?

満徳さん:今は僕が本社勤務になったので休みが取りやすいのですが、妻が三男を妊娠するまでの時期は一番ハードでしたね…。妻が当直の日だと24時間病院に泊まり込みだし、家のことはすべて僕がやらなくてはならず、今考えると、体力的にも一番きつかった時期だと思います。僕も店舗勤務の時期だったので、休みはシフト制。家族で過ごす時間が全然取れなくて、4人揃って遊びにいけるタイミングなんて、月に1~2回程度でした。

―2人の休みが合わないと大変そうですよね。どのように家事や育児の分担をしたんですか?

智恵美さん:私が当直で夫が休みの場合は、24時間まるまる子どものお世話をお願いしていました。朝食からお風呂、夕飯、寝かしつけまで全てやってもらっています。夫も仕事の場合は、勤務先に保育室が併設されているので、そこに預けています。

―それだけ忙しいと、お子さんが病気にかかったときなどの対応が大変そうですが、どのように乗り越えていたのでしょう?

智恵美さん:私の職場は育児に理解があり、比較的有休などは取りやすいので、助けられています。

満徳さん:僕の職場は、周りに子どもがいる人や結婚している人があまりいなかったので、あえて空気を読まないようにしていました。周りの目を気にしているとキリがなくなってしまうので。

あとは、2人ともどうしても仕事が抜けられないことがわかっている日は、長崎の両親にはるばる助けに来てもらっています。親も「こういう機会がないと孫に会えないから」と言ってくれているので、完全に甘えさせてもらっていますね…。

育児を前提とした就職先選びのポイント

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―育児を前提とした転職だったと思うのですが、再就職先はどのようなポイントで選んだのでしょうか?

智恵美さん:私の仕事は必ず夜勤があるので、保育室があるかどうかは欠かせないポイントでした。また、保育園の場所も決まっていたので、家や保育園との距離が近いところに勤務したいと考えていました。

―智恵美さんが再就職するにあたって、満徳さんが意識したことはありますか?

満徳さん:子どものことを考えると、やはり立地が一番大事だよね、という話は常々していました。当直がないとききちんと保育園への送り迎えができる距離にいることは、共働きをするうえで絶対条件だと思ったので。

―共働きをすることで変化があった点、よかったと思う点があればそれぞれ教えてもらえますか?

満徳さん:「自分ひとりで家計を支えなきゃ!」という気負いがなくなって、気持ちが楽になったし、お互いいい意味で自立したと思います。専業主婦のころよりも話が弾むようになったし、自分がぜんぜん知らない分野の話を聞けるのはおもしろいですね。笑顔が増えたと思うし、やっぱり私たち夫婦には共働きが合っていたのだと思いました。

智恵美さん:ライフスタイルから会話の内容まで、全て変わりました。それまでは会話も子どものことばかりだったんですけど。あと、家にいる時間が長いと窮屈に感じてしまう性格なので、働いていてよかったと思いますね。平日と休日でメリハリができたこともよかったと思っています。

U29女子へのアドバイス「仕事の話題が夫婦の関係を強くする」

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―では、最後にU29女子にアドバイスをお願いします。

智恵美さん:働くことでうまれる生活のメリハリと、会話の引き出しが増えること、新たな価値観が得られることは、専業主婦では絶対に経験できないものです。

最初は専業主婦としてスタートしてみるのももちろんいいですが、何か物足りなさを感じるようなら、働くことでやりがいや生きがいをあらためて見つけられると思います。

満徳さん:仕事と家庭どちらもバランスを取ることが大切で、どちらかに偏るともう片方の居心地が悪くなると思います。だから家庭でも色々な話をすることが大切。

会話の中から夫や子どもたちの価値観やテンションを知って、気遣ったりサポートに入ったりする習慣が身につけば、ストレスなく暮らしていけるのではないでしょうか。

(カツセマサヒコ/プレスラボ)