毎日忙しくてやりたいことが先延ばしの人が「自分の時間を取り戻す」方法
自分の時間が確保できる!キーワードは「生産性」
残業続きで家に帰っても寝るだけ、キャリアアップしたいのにスキルを磨く時間がない、このまま結婚、出産をして、仕事と家庭の両立って不可能では……?
そんな多忙ゆえの悩み、不安を解消するのは「生産性」と言うのは、外資系企業などを経て、現在、社会派ブロガーとして多くの著書をもつ、ちきりんさん。
ちきりんさんの著書『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ダイヤモンド社)から、「毎日毎日忙しい!」から解放され、まさしく“自分の時間を取り戻す”考え方をご紹介します。
そもそも、どうして毎日忙しいのか?を考える
職場でも認められて、業務には十分慣れてきた。ある程度は仕事ができているはずなのに、日々定時で帰ることができず残業続きで、停滞気味な毎日。おかげで仕事が終わっても遊びに出かけることも少なく、勉強をしたり趣味に励む気にもなれずに、少しだけぼんやりテレビを見たりして、夕食をとって寝てしまう。きっかけを作れていないのは自分なのだけど、「何か楽しいことないかな」と願ってしまう。
転職を考えてはみるけれど、そもそも自分が選んだ仕事のはずだから受け入れるしかないのかな、とか、転職先でも結局こうなってしまうのでは、といった不安が消えることはありませんね。
では、そんなに毎日忙しいのは何故なのか、考えたことはありますか?
増えた仕事の分、働く時間も増やしてはいませんか?すべてのことを「仕事なのだからやらなければならない」と考えていませんか?「時間がかかってもとにかく頑張ればどうにかなる!」そう思ってはいませんか?
もちろん、時にはこの考え方が正しい場合もあります。が、それでは問題の解決に至っていないから、毎日毎日ずーっと忙しいのではないでしょうか?
本質的な問題は「生産性の低さ」にあると、ちきりんさんは指摘します。
(中略)「毎日毎日、忙しすぎる!」と感じている人たちも、まず取り組むべき本質的な問題は「生産性を上げること」です。』
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
生産性って上げた方がいいの?
何故だかマイナスイメージが強い「生産性」という言葉。1日中キビキビ動いて忙しい、効率化ばかり重視してしまって、発想力が乏しくなったり、人や物を必要以上に削減しようとしたりする、などなど挙げたらきりがありません。でも、実はそれ、誤った「生産性」のイメージです。
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
ゆとりのある生活とは、生きていく上で必要なこと――例えば仕事や家事を高い生産性で、つまり短い時間で終わらせて、残りの時間は自由に使うという、メリハリのある生活スタイルのことです。ですから生産性が低いと、それこそ1日中せわしなく動き、働く必要がでてきてしまいます。
また、「生産性」について敏感でいることの利点は、自身の生活の範囲だけにはとどまりません。ちきりんさんは次のように言います。
今後の社会では生産性の高いものが残り、生産性の低いものが淘汰されていく――そうだとすれば、勉強する分野や仕事を選ぶ際にもできるだけ生産性の高い分野を選びたいですよね。生産性を大幅に高める新サービスを発見したとき、すぐに「これはスゴイ! 絶対に流行る!」と理解できれば、これからの世の中がどう動いていくのかも見えやすくなります。』
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
では、正しい生産性って?
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
当然ですが、仕事にせよ、生活していく上でやらねばならないことにせよ、もちろん習い事や趣味だって、時間やお金などはなるべく抑えて、結果や満足感が大きい方がお得ですし、何より幸福度も高く感じられるということです。
しかし、お金や時間などの希少資源に限りのないものはありません。よって、生産性を上げるためにお金や時間をたくさん使ってインプットを増やすことは、いずれ限界に達します。ですから、生産性を上げるためには、インプットを増やすことではなく、同じお金や時間のインプットで得ることのできるアウトプットを増やすことが重要です。
じゃあ生産性を上げるには?
■投入時間を制限しよう!
1:1日の総労働時間を制限する
独身だから、今日は何の予定もないから、明日は休みだし、今日くらいは無理をしても大丈夫だから……。制限をせずに働き続けてしまうと、「早く帰らなければ」と考えている人と比べ、生産性が落ちてしまいます。それが長年続くと、周りの人とのスキルの差にも現れてしまうかもしれません。
まずは特定の時間で終わらせると決め、そのためにどう仕事の段取りをつければいいか、どういうスキルを身につければいいか、考えましょう。
2:業務ごとの投入時間を決める
総労働時間だけでなく、個別の仕事に使う時間を決めることも大切です。
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
どうにかなりそうなスケジュールではなく、絶対的に無理だと分かり、しかし日々そのスケジュールをこなそうとチャレンジしていくことが、生産性を上げることに繋がっていくのです。
3:忙しくなる前に休暇の予定をたてる
直近の休暇ではなく、例えば数カ月先、半年先。その頃の自分がとっても忙しいのか、そうでないかは読めませんが、それこそがチャンスです。泊まりがけで旅行に行くなど予定をたて、手配をすっかり済ませて、ついでに周りの人にも伝えておけば、簡単には予定をキャンセルできない状況になります。
ここがポイントですが、生産性を上げることを真剣に考えることができるのは、そうせざるをえなくなった人だけ。ですから、時間が限られているから生産性を上げるしかない!そう思える状況に自分を追い込むことで、やっと真剣に生産性を高めることを考えることができます。
4:余裕時間をたくさん確保しておく
2でも触れましたが、空き時間を作っておくことは、予定通りにいかなかったときのバッファーとして有効です。また想定外の事態が起きても、空き時間の余裕があることで、慌てず対応することもできます。
5:仕事以外のこともスケジュール表に書き込む
せっかくの退勤後や休日でも、趣味や友人・恋人との食事などの「やりたいこと」だけではなくて、まずは平日に溜まった疲れをゆっくり寝て癒して、スーツをクリーニングに出したり、掃除をしたりと「やらねばならないこと」に追われているU29女子。「やらねばならないこと」を優先していると、気づけば休日が終わっていた、ということもよくある話です。
暇なときにやろう、と「やりたいこと」を後回しにしていると、どうでしょうか?暇な時間がないことに気づかされます。そこでまず先に、「やりたいこと」の予定をスケジュールに書き込み、「やりたいこと」の時間が確保できてから、「やらねばならないこと」に充てる時間を決めます。
恐らく「やらねばならないこと」にかける時間が足りなくなるでしょう。それこそが狙いです。予定をたてず「やらねばならないこと」をだらだらと始めてしまうより、限られた時間でいかに終わらせるかを考えることこそが、生産性を高めてくれます。
■無駄な時間を減らそう!
1:「すべてをやる必要はない!」と自分に断言する
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
やれば終わる、そんな大して重要ではない仕事に手を付けていたら、気づけばもう真夜中近くで、大切な仕事をする時間がない!と顔が真っ青になることもあると思います。重要でない仕事を終え疲れ切った体で、無理をして寝ずに仕事をしても、果たして良いパフォーマンスができるのでしょうか?
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
2:まず「やめる」
1と同様に、やらなきゃいけないと思っているものの中にも、実はやらなくていいものもあります。生活の生産性を高めたいのであれば、やらなくていいものをやめてしまいましょう。ただし、きれいさっぱりやめてしまうには、フォローが必要なものもあります。例えば人間関係です。
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
3:「最後まで頑張る場所」は厳選する
学習曲線(Learning curve ラーニングカーブ)という概念があります。新しいことを始めると、ある一定のところまでは頑張ることで成果がでるけれども、それ以上を目指すとなると、今までと同じ努力では上達できないという現象です。つまり、途中から一気にペースダウンしてしまうということ。
自分にとってこれは欠かせないという分野でしたら、苦しいですが乗り越えなければなりません。しかし、大して重要ではない分野で、上達ができていないのに頑張り続ける、という状態を延々と続けることは、とても生産性が低いです。
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
4:時間の家計簿をつける
『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)より
気づけば減っていく貯金を前に家計簿をつけるのと同じ感覚で、自分の時間の無駄遣いを知ることも一つの手です。気づけば終わってしまった休日を見直し、自分の生活にメリハリをつけましょう。
参考書籍:『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』(ちきりん/ダイヤモンド社)http://www.diamond.co.jp/book/9784478101551.html