上司が嫌で会社を辞める前に……あなたが変えるべきこととは?

2017年09月25日

上司とどうしてもうまくいかず、「もう会社を辞めたい……」と悩んでいる人は多いでしょう。でも、本当にそれで辞めてしまっていいのでしょうか? 上司との関係を変えるカギは、実は部下のあなたが握っているのかもしれません。

そこで今回は、管理職のための“上司学”コンサルタントとして、職場での人間関係の構築に詳しい嶋津良智さんに、上司との上手な付き合い方についてうかがいました。

 

まずは上司の信頼を得られる人間になる

上司といい関係を築くために前提となるのが「やるべき仕事をしっかりやる」ということです。お給料をもらうのですから、業務に対して最善を尽くすのは当然。その上で信頼関係を築くためには、以下の3つの要素が重要になります。

まず1つ目は、「自分で自分を信頼できる人間になる」ことです。自分自身の能力や、自分が正しいと思ったことを信じられなければ、他人から信用を得ることはできません。

2つ目は、「自己開示をする」ことです。苦手な人と話をしなくてはならないときは、手短に済まそうとしてしまいがちですが、相手との関係性を変えるには心を開くことが不可欠です。もし、自分の考えや思いが上司の意向と異なる部分があっても、それを含めてしっかりと伝えることで、上司も心を開こうとしてくれるでしょう。

そして3つ目が、「相手が何を大切にしているのかを理解して、それを自分も大切にする」ということ。これが最も大切な要素です。上司は、部下の仕事を評価するときに、成果やスピード、正確さなど、さまざまな基準を持っています。それらの中で、上司は何を最も大切にしているのか考え、自分もそこを意識して仕事をするようにすれば、信頼してくれるようになるはずです。
 

言いたいことはストレートに伝える

女性は、相手の心の内を読む力が優れています。その半面、相手の言葉を深読みし過ぎて、勝手な思い込みをしてしまう傾向があります。それゆえに、上司の顔色をうかがって意見が言えないこともあるでしょう。

しかし、大方の上司は、何でも言うことに従うイエスマンよりも、はっきりと意見を言う部下に対して、意外によい評価をします。言いたいことや分からないことがあったら、尻込みせずに伝えましょう。ただし、「意見する=歯向かう」ことではありませんから、あくまでも上司と部下である関係性を念頭に、礼儀を守って言い方には気を付けましょう。
 

怒られても人格を否定されたと思わない

仕事をする以上、上司が望む結果を出さなければ、叱責されます。厳しい上司であれば、怒鳴られることもあるでしょう。また、会議などで発言したときに、上司の考え方に合わなければ却下されたりもします。

このように、怒られたり意見を却下されたりすることが続くと、自分の人格を否定されているような気がして、上司を嫌いになってしまいがちです。怒られているのは、あくまでも仕事の結果についてであって、あなた自身が否定されているわけではありません。上司にしても、部下が嫌いだからではなく、上司としての職務を全うするために指導しているにすぎないのです。
 

仕事をしていればどうしてもウマが合わない上司もいるでしょう。しかし、上司や自分が異動になるなど、その上司と一生付き合っていくというわけではありませんから、あまり深く悩まないことです。仮に上司が嫌で転職したとしても、新しい職場の上司とうまくいくとは限りません。苦手な上司と上手に付き合っていくことも、会社で働く上で大切なスキルのひとつなのです。

ですから、苦手な上司ほど、自分の考えや不満に思っていることを丁寧に説明して、その上司が考えていることを理解するように努めましょう。上司に本音を伝えることは難しいですが、会社を辞めようと考えるぐらいなら、その前に思い切って自分の思いをさらけ出してみては。それがきっかけで、上司との人間関係を修復できる可能性は大いにあります。

 

記事監修:嶋津良智
日本リーダーズ学会代表理事。リーダーズアカデミー学長。早稲田大学エクステンションセンター講師。ITベンチャー企業でトップセールスマンとして活躍後、28歳で独立・起業。
2005年に次世代を担うリーダー育成教育機関・リーダーズアカデミーを設立。著書に『もう悩まない! 働く女性の感情整理術』(静山社)、シリーズ100万部突破した『怒らない技術』などがあり、累計140万部を超える。
https://www.leaders.ac/

※この記事は2017年9月時点での情報です。