女のマネー講座:一人暮らしと貯金の両立は
vol.18 一人暮らしはやめたくない。この先、どうしたら貯金できるようになる?
医療事務/正社員/Y・Mさん(28歳)
Profile:短大卒業後、医療専門学校に進学し、病院の医療事務として就職。その後、派遣で一般企業の人事アシスタントとして半年勤務する。再び正社員の医療事務として転職したが、簿記2級を取得したのを機に、経理を希望し転職活動をしている。
貯金するにはムダな支出をなくし、投資でお金をふやすことも視野に入れましょう
Yさん:「長く仕事を続けたいので簿記2級の資格を取得しました。今は未経験で経理として転職しようと活動しています」
溝渕先生:「自活して、キャリアを考え資格を取得して、Yさんは立派です。けれど、お金のことだけを考えると、実家に戻ることが貯金の早道です」
Yさん:「う~ん、実家には戻りたくないので、今の暮らしを続けながら貯金する方法はありませんか?」
溝渕先生:「それなら、まずは無駄な支出がないかマネーシートをチェックしてみましょう。クレジットカードは使いすぎのようですね。マネーシートにある1万円の保険はどんな商品ですか?」
Yさん:「7~8年前に、勧められるままに購入した定額個人年金(※)です」
溝渕先生:「そうですか。おそらく1%くらいの金利の商品で、異常といっていいほど低いです。定額年金の金利は始めたときの金利で固定されるので、悪い条件で長く続けても、意味がないですよ」
Yさん:「え! そんなぁ…解約したほうがいいですか?」
溝渕先生:「中途解約すると元本割れするかもしれませんが、今後のことを考えると続ける必要はありません。もし、老後のために何かするなら、金利が変動する変額年金(※)や投資信託(※)をおすすめします。固定の定額年金よりも、株式市場の成長とともにお金をふやせる可能性がある商品だからです」
Yさん:「投資に興味があるけれど、変額年金(※)は知りませんでした。よく見聞きする外貨預金(※)ならできるのかなと思っていましたが…」
溝渕先生:「外貨預金(※)はおすすめしません。単純に見えるけれど、為替の動きを読むのは難しいもの。さらにお金を借りて行う外貨FX(※)は、もっとおすすめしません。変額年金や投資信託のように、長く時間をかけて、ゆっくりとお金をふやすことが、多くの人におすすめできる投資なんです」
◆結論1 :
一人暮らしと貯金を両立するにはムダな出費を見つけることから始めて
一人暮らしをしながら貯金するには、給与から無理のない金額を天引きして貯めること。そして、クレジットカードの使いすぎをやめること。また、Yさんの場合、“貯金代わりに”と年金商品を選んだのは、いい視点ですが、選んだ商品に問題があるので続ける必要はなく、その分お金をふやすことにあててもよいでしょう。
◆結論2:
投資は長い時間をかけてゆっくりとお金をふやす手段です
投資をしたことがない人にとって、外貨預金の仕組みは比較的わかりやすいかもしれません。しかし、外貨取引であるFXは、資金の10~100倍の金額で取引ができる分、利益も損失も非常に大きく初心者には向かない商品。28歳のYさんが遠い将来のために投資したいなら、変額年金や投資信託で、ゆっくりと時間をかけてふやしましょう。
マネーがどんどんわかる!基本ワード
定額個人年金
老後のために備える保険会社の商品。契約時の利率が年金の受け取り開始まで固定され、受け取る金額が決まっている。中途解約する場合、解約返戻金額が、保険料を下回ることがある。
FX(外国為替証拠金取引)
少ない資金で始められること、取引コストが低いことなどが特徴の外貨取引。資金の10~100倍の取引ができるので、その分、為替差損が出たときの遺失も大きく、非常にハイリスク。投資初心者には向かない。