「気が付いたらお金がない!」を予防する3つのポイントをおさえて、年末年始を楽しもう!

2017年12月22日

クリスマスや忘年会、新年会、さらにはセールなど、ついついお財布の紐が緩みがちな年末年始。「気付いたら、お金がほとんど残ってない!」という人も少なくないのでは? また、将来への金銭的不安から節約志向が高まり、年末年始のイベントを控えてしまうという人もいるのではないでしょうか。

そこで、使いたいところにはしっかり使っても、「気付いたらお金がない!」なんてことにならないための、上手な年末年始の過ごし方について、ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんにうかがいました。

 

お金がなくならないポイント① 絶対に使わないお金を決める

年末年始はクリスマスやお正月など、さまざまな行事・イベントがあり、出費の機会が多くなります。ボーナスが入ることで、ついつい余裕がある気持ちになり、無計画にお金を使ってしまうことも。まとまったお金が入る時期だからこそ、きちんと予算を組んで使っていくことが重要です。

ボーナスがある人は、次のボーナスが出るまでの「特別出費」をまかなう大切な財源として考えましょう。「特別出費」というのは、たとえば、友人の結婚式のご祝儀や家電の故障による買い替え、部屋の賃貸更新料などのこと。

これらの出費を毎月のお給料から用意するのはなかなか難しいですから、ボーナスが支給されたら、次のボーナスまでにどんな「特別出費」がありそうかをまず確認し、その予算を取り分けておきましょう。
 

お金がなくならないポイント② 何にお金をかけたいのか?自分自身に問いかける

使ってもいい金額が把握できたら、次はそれを何に使うかの予算決めをしていきましょう。それには、「買いたいもの&やりたいことリスト」を作成するのがおすすめです。「買いたいもの・やりたいこと」と「それにかかる予算」を、大小問わず、すべて書き出していきます。

そして、さらに一つひとつの優先順位を決めましょう。優先順位を考えるうちに、「これはまだ、買わなくても我慢できそう」「これを買うより、あのレストランで食事してみたいな」といったふうに、自分が今、本当に重視しているモノ・コトが見えてきます

最終的には、優先順位の上から順に、予算で収まる範囲でお金を使っていくようにしてください。リスト化をしないまま、なんとなく「あれも買いたい」「これもやりたい」などと考えていると、ついつい目先のものからお金を使ってしまい、どうしても行きたかった海外旅行の費用が残っていない!といった残念な結果になってしまいがちです。
 

お金がなくならないポイント③ 即決しないで、「買うこと」に演出を

“無駄遣い”をしてしまう最大の原因は、「即決すること」にあります。よく「今だけのセール価格」「数量限定」といった売り文句を見かけますが、あれは消費者に考える時間を与えないための手法でもあります。わざわざ時間をかけて「買いたいもの&やりたいことリスト」を作ったのですから、惑わされないようにしましょう。

即決を回避するために、もう一つ、ぜひ実践していただきたいことがあります。それは「ワクワク感を自分で演出する」ということ。今や、ウェブサイトでのクリック一つで何でも購入できてしまう時代です。ひと昔前のように、「あのブランドのバッグがどうしても欲しくて、わざわざ電車で何時間もかけて買いに行った」などという経験は、したことがないという人も多いでしょう。

けれども、時間や手間をかければかけるほど、欲しかったものを手に入れたときの感動はひとしお。1回の購入機会で満足感が高まるため、あれもこれもと余計な買い物に手を出してしまうケースが減るのです。

その感動を自分で演出するためには、欲しいものが見つかってもすぐには買わず、何度もお店に足を運んで店員さんから商品についての話を聞いたり、繰り返し試着をしたりしてみてください。もしどうしても欲しい場合でも、せめていったん、コーヒーブレイクをとってじっくり考えてみましょう。

何度も吟味するうちに、「やっぱり、他のものの方がいいかな」と思うこともありますが、それは“無駄遣い”を防ぐことができたということに他なりません。そして、吟味を重ねた上で手に入れた商品は、決して無駄になることはなく、これからのあなたの生活に豊かな彩りを添えてくれるはずです。
 

使うことが怖い人は、“働くモチベーションが上がるかどうか”で判断する

「将来が不安で、お金を使うのが怖い」と、ボーナスも貯金だけに終わってしまうという人もいるでしょう。しかし20代の女性であれば、赤字にさえならないよう気をつければ、臨時収入から少しくらい大きな出費をしてもあまり心配はいらないものです。

「次のボーナスまで、また頑張って働こう!」と思えるような使い方であれば、それは決して“無駄遣い”とはいいません。街中が華やかに彩られ、心も楽しく沸き立ってくるような年末年始こそ、少し背伸びするくらいのプチ贅沢をしてみてはいかがでしょうか?
 

時々、「被服費は月収の○%までが健全だ」といった情報も見かけますが、こうした数字は、あくまでも統計的な目安でしかありません。もし自分がグルメや旅行よりもファッションが大好きで、そこに何にも代えがたい魅力を感じるのであれば、他のものよりも多くの予算を注ぎ込むのは当然のことです。

年末年始は、1年の目標を立てるのにもちょうどいい時期ですから、自分自身を見つめ直して、賢く楽しい予算計画を考えてみてください。

 

記事監修:山崎俊輔
ファイナンシャルプランナー。フィナンシャル・ウィズダム代表。1972年生まれ。お金と幸せの関係について、まじめに考えている。日本経済新聞、AllAbout、Yahoo!ニュース、東洋経済オンライン、PRESIDENTオンラインなど、ネットでお金に関するコラムを多数執筆、講演も多数。難しいお金の話を、わかりやすく親しみやすく説明する語り口に定評がある。

※この記事は2017年12月時点での情報です。