女のマネー講座:計画的に貯めるには?

2010年01月01日
マネー講座タイトル


自分で働いて得たお金は、ムダにしたくないし、できる限り賢く付き合いたい。
ここで、マネーの賢い貯め方、使い方を身に付けよう!

vol.17 起業するための資金、マイホーム購入、老後の資金…どうしたら計画的に貯められる?


転職活動中/M・Tさん(29歳)

profile 大学卒業後、事務職として3社に勤務。前社は人材関連のベンチャー企業。婚約者と起業する計画があり、軌道に乗せるまでは契約社員か派遣スタッフとして働くことを考えている。

転職活動中/M・Tさん(29歳)家計簿

溝渕麻理さん


溝渕麻理さん
ファイナンシャルプランナー兼 キャリアカウンセラー。 三菱信託銀行を経て、人材派遣会社、人事総務部マネージャーを経験後、お金の専門家の集団「フェイシス」に参画。100ten.Schoolで講師も行う。
http://www.100ten.co.jp/


貯金も投資も、目的に合った方法で計画を立てることから始めて

Tさん:「この先仕事を続けたいのですが、スキルを活かしてステップアップしていくのか、彼と起業するのかは、仕事の調子次第で未定です。今後、家を買ったり、老後のお金を貯める必要があったりと、いろんなことにお金がかかりますが、どう計画を立てるべきですか?」
溝渕先生:「ご存知のように、生きていくにはいろいろとお金がかかります。けれども、家の購入や老後の資金などのプライベートのお金と、起業のお金はそれぞれ分けて考えましょう」
Tさん:「全部“支出”としか考えられませんでしたが、整理すればよかったんですね」
溝渕先生:「その通り。すでに起業しているわけではないので、起業資金に関して具体的に決められることはないですね。家の購入に関してはどうですか?」
Tさん:「家賃が10万円以上なので、家の購入は考えています。35年ローンなら完済が65歳をすぎるので、買うなら今のうちなのかなと…」
溝渕先生:「マイホームを購入する利点の一つとして、安心感が得られることを挙げる人が多いですね。反対に修繕積み立て金や固定資産税、大型修繕の発生など、毎月の返済以外にも お金はかかるもの。それを見落とすと、購入後に大変な思いをすることになります。焦って購入するのが一番よくありません。もし、起業するなら、定年は自分たちで決められるのでそれを考えてローンの返済期間を決めましょう」
Tさん:「でも、周囲が家を購入しているんですよね」
溝渕先生:「マイホームを購入するか賃貸のままでいるのか迷っているならば、今Tさんができるのは、いつか欲しくなったときのためにしっかり貯蓄することです。投資を始めたきっかけは?」
Tさん:「やったほうがいいのかと思って、少し勉強をしてみたんですが、あまりよくわかっていません」
溝渕先生:「Tさんの場合、“3つのお財布”を覚えておくと便利です。病気や不測の事態に備えるいざというときのお金は、貯金やMMF(※) に。マイホームや老後の資金など中長期で運用するお金は投資信託(※) や変額年金(※) に。余るお金で株式投資や外貨への投資をするというように、お金の出どころ(財布)を分けるんです。Tさんの場合、起業までたっぷり時間があるわけではないようなので貯金がベスト。また、お金の用途はいろいろありますので、これを機に整理してみましょう」

◆結論1 :
起業資金、家の購入、老後の資金…支出も貯金も2通りに分けて考えて

婚約者と起業する可能性があるTさん。プライベートと起業の両方にお金が必要ですね。けれども、自営業の方にありがちな、双方をどんぶり勘定してしまうことだけは避けて。支出も貯金も、「ビジネス用」「プライベート用」と分けてください。次に「プライベート用」の中で、近々使う予定のあるものと、老後のように長期的に貯めるものとを分けて、整理してください。

◆結論2:
投資をするなら、“3つのお財布”で貯金・資産を整理!

貯金・資産には、“3つのお財布”を用意することを覚えると、整理できて便利です。病気や不測の事態に備えるお金(短期的な目的)は預貯金や変動の少ないMMF。マイホームの購入資金や老後の資金(中長期的な目的)は投資信託や変額年金。余ったお金は株式や外貨に投資するという分け方です。新たに投資を始める前に、頭に入れておきましょう。

マネーがどんどんわかる!基本ワード


債券

国や地方自治体、企業が不特定多数の人から巨額の資金を借りるときに発行する借用証書。比較的リスクの少ない商品だが、債券発行者の財務状態が悪化すると元本や利子が支払い不能となることも。格付けを見ることが大切。


MMF

安全性の高い公社債などで運用される投資信託。運用資産に株式は含まれないため、株式を含む投資信託などに比べ、安全性が高く、リスクが低い商品。しかし元本保証ではない。1円以上1円単位で預けることができる。