働くオンナのお金人生シミュレーション 【正社員のケース】
不況が続くなか、“お金に不自由することなく、一生暮らしていけるかな?”と不安を抱く人は多いはず。そこで、お金のプロであるファイナンシャルプランナーに老後に必要となる費用、今すぐにできることについて聞きました。
●住まい/川崎市 家賃/6500円(社宅のため)
●勤務年数/4年
●貯蓄150万円(財形貯蓄)
● 結婚/したい 子どもの数(希望)/2人
食費1万5000円以外にも外食費が2万5000円と本人のご指摘通り、交際費にかかっている費用が目立つ、ぴよさん。「でも、そこを削るのはなかなか難しいかもしれません。ただ、ファッション・コスメ・趣味以外にお小遣いがあるのは気になります。これは減らせるところかもしれません。結婚されたら、仕事を辞めたいというぴよさん。今のご時世、一旦会社を辞めてしまうとなかなか元のポジションに戻るのは難しい。それに会社によりますが、正社員なら、産休や育児休暇があるなど、その点でも恵まれている場合が多いので、ぜひ慎重に考えてほしいですね」(溝渕さん)。ぴよさんのいい点は財形貯蓄で強制的に毎月5万円の貯蓄をしていること。簡単に下ろせない仕組みで貯めるというのが、貯蓄する秘訣のひとつだ。
●収入 | ¥197,382 |
●支出 | |
家賃 | 社宅 |
水道光熱費 | ¥6,500 |
食費 | ¥15,000 |
外食費 | ¥25,000 |
ファッション・コスメ・趣味 | ¥39,000 |
医療費 | ¥5,000 |
交通費 | ¥5,000 |
小遣い | ¥10,000 |
教養費 | ¥16,000 |
交際費 | ¥30,000 |
携帯・インターネット費 | ¥9,000 |
生活用品・雑費 | ¥12,500 |
貯金 | ¥10,000 |
使途不明金 | ¥15,000 |
●収入-支出 | マイナス¥618 |
設定条件
●年収464万円 ●貯蓄期間は60歳まで ●年金受給開始は65歳とする
●老後(60〜85歳)の費用 [都内で夫婦]月25万で生活した場合:7500万円 [都内で独り]月20万で生活した場合:6000万円
平均年収 | 460万円 |
現在の貯蓄額 | 150万円 |
貯蓄(年) | 60万円 |
(月5万円と仮定) | |
退職する歳 | 60歳 |
国民年金加入年数 | 40年 |
└受給額 | 年間80万円 |
厚生年金加入年数 | 38年 |
└受給額 | 年間93万円 |
◎年金の総受給額 | |
20年間で3460万円 |
ぴよさんが独身だった場合、無収入・無年金になる60歳から急激に貯蓄残高は下がり始め、69歳のころには尽きてしまう恐れがあります。生き延びるためには、ボーナスを上手く利用して年間貯蓄額を72万円まで上げ、年利3%程度の資産運用(※)ができれば、88歳まで貯蓄が残るので、月の貯蓄額を上げるか、資産運用を検討する必要がありそうです。(溝渕さん)
平均年収 | (35歳まで)460万円 |
夫の収入 | 年収560万円 |
(平均年収をこの金額と仮定して計算) | |
現在の貯蓄額 | 150万円 |
貯蓄(年) | 120万円 |
(月10万円と仮定) |
退職する歳 | 35歳 |
国民年金加入年数 | 40年 |
└受給額 | 年間80万円 |
厚生年金加入年数 | 13年 |
└受給額 | 年間32万円 |
◎年金の総受給額 | |
夫婦20年間で6240万円 | |
(夫の年金受給額:年間200万円) |
結婚する相手が現在の平均年収である560万円と仮定して、生活費などは夫の給与でまかない、自分はパートで働いて月々10万円の貯蓄をしたとすると、貯蓄残高は大幅に増加。独身の場合と同じように60歳の退職を機に、グラフは急激に下がるものの、85歳の時点でも1250万円もの残高があるので、安心して暮らせるといえるでしょう。もし子どもを私立に進ませる場合は、子どもを一人育てるのに最低3000万円かかると言われてるので、別の口座で貯蓄するのが望ましいですね。(溝渕さん)
(※)年利3%の資産運用:マネー初心者には遠い存在に思える株や債券。これらは世の中の経済成長に伴って成長していくものなので、“世界全体”の株や債券を“分散”して“長く”持ち続けていれば、長い目で見れば3%程度の利回りというのは決して難しい話ではない。そうは言っても、初心者がいきなり資産運用に手をだすのはやっぱりちょっとキケン。溝渕さんが所属する100ten.schoolでも、初心者にもよくわかるマネー講座を定期的に開催しているので、そういうセミナーを利用してみるのも手だ。
購入費用 | 2800万円 |
頭金 | 500万円 |
借入額 | 2300万円 |
ローン年数 | 30年払い |
金利 | 2.39% |
毎月返済額 | 9万円 |
返済額総額 | 3225万円 |
購入費用 | 4500万円 |
頭金 | 1000万円 |
借入額 | 3500万円 |
ローン年数 | 30年払い |
金利 | 2.39% |
毎月返済額 | 13万7千円 |
返済額総額 | 4907万円 |
老後の費用のほかにも、住宅を購入するのにもお金がかかります。結婚する相手が決まったら、今後どのような生活を送っていきたいか?を十分に話し合いをして、それに見合った住宅購入資金を老後の資金とは別に確保したいですね(溝渕さん)
結婚すると、夫が受け取る厚生年金などと合算できるので、十分な老後の資金が確保できますが、独身の場合、69歳で貯蓄がゼロになる計算になります。さらに、高齢になると病気になる可能性も高くなるので、そのために300万円くらいの資金は必要でしょう。独身でいるからには、自分の老後の面倒は自分で見る!という覚悟で、5000万円の最低貯蓄ラインを守りつつ、後は医療費や住宅ローンに別途いくらかけるのかを慎重に検討し、資金を確保するようにしてください。
相談者のぴよさんは、結婚して子どもが生まれたら専業主婦になりたいとのことですが、正社員は国民年金以外にも厚生年金も受け取れるというメリットがあります。どうしてもやりたい仕事ではないということであれば、転職も視野に入れなければならないでしょうが、そうでなければできるだけ今の正社員という働き方を続けるのがいいでしょう。ただし、産休や育児休暇を経て現場復帰をする際、同じポジションに戻れるとは限らないので事前の確認やポジション維持の努力は必要。
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