未経験から転職! ベーカリーの販売スタッフから 外資系コスメのビューティアドバイザーへ
“洗練された大人の女性”が目標です
エスティ ローダー株式会社 エスティ ローダー横浜高島屋店
大須賀美穂さん(23歳)
|好きなコスメに関わりたい
以前はベーカリーで販売をしていました。好きなパンに囲まれ、お客さまの笑顔も見られて楽しい仕事でしたが、食品を扱うことからメークもネイルも禁止。それが思いのほか辛くて、自分でも驚いたんです。もともとコスメ好きでしたが、私はこんなにもメークが好きだったのだと。そう気づいたことが転職のきっかけになりました。
でも、両親に「コスメに関わる仕事をしたい」と伝えたら、「せっかく就職したのに」と猛反対。私自身も転職することに不安はありましたが、どうしてもビューティアドバイザーになりたくて、思い切って挑戦しました。
エスティローダーは母が愛用しているブランドです。カウンターでの接客がエレガントで、私にとっても憧れの存在。私も洗練された大人の女性になりたい。そう思って飛び込んだものの、ベーカリー時代の元気のいい接客が身に付いていて、入社後は苦労しました(笑)。言葉づかいから立ち方、歩き方まで、ブランドにふさわしい立ち居振る舞いができず、何度も挫けそうになりました。
|自分の名前で仕事ができる喜び
それでも挫けず頑張れたのは、女性として目標にしたいと思える先輩方がいたから。少しでも近づきたくて、今日まできました。それに、ここで挫けたら私は何も続かないという思いもありました。前職を2年で辞めた私を送り出してくれたベーカリーの人たちに、恥ずかしくないように頑張りたいと思ったんです。
1年経つと担当のお客さまも増え、「大須賀さんにメークしてもらってよかった」とうれしい言葉をいただくようにもなってきて。私のメークを喜んで指名してくれるお客さまがいる以上は、私はここにいなくちゃいけない。そう感じて、何か大変なことがあっても、落ち込む代わりにこれは成長のチャンスだと思うようになったんです。
今では後輩が5人できましたが、彼女たちに教えるには私自身ができてないといけない。後輩を持ったことで学んだことは多いです。お客さまも美意識の高い方ばかりで、いろいろなことを教わる毎日。「この仕事にゴールはない」という先輩の言葉は、本当にそう。だから面白いんですよね。両親も今は応援してくれて「長く続けなさい」と。もちろんそのつもりです(笑)。
●ある日の流れ
9:30 出勤(早番の日)。店内清掃など開店準備。
10:00 開店。香水を含ませた温かいおしぼりでお客さまを迎える。エスティローダー流のおもてなし。
11:30 ランチ休憩(1時間)。
12:30 90代のお客さまが来店。何歳になっても美しくあろうとする姿勢に刺激を受ける。
15:30 午後休憩(30分)。
16:00 後輩の接客をさりげなく見守り、お客さまが帰られた後に改善点をアドバイス。
18:30 勤務終了。
●転職before / after
・雇用形態……正社員 → 契約社員
・給与……一人暮らしできる程度 → 一人暮らしできる程度
・勤務時間……8:30~22:00 → 9:30~20:30(シフト制・実働7時間30分)
・休み……完全週休2日制(交替制) → 完全週休2日制(交替制)
・休日の過ごし方……ショッピング、友人とランチ→ ショッピング、友人とランチ
●転職して変わったこと
「今日はカウンセリングをテーマにしよう」など、毎日の目標が持てるようになりました。そうすると仕事が面白くなって1日があっという間。前職も今も立ち仕事ですが、今はまったく疲れないので不思議です(大須賀さん)。
●編集部より
ビューティアドバイザーの仕事にプロ意識を持つようになってから、落ち込まなくなったという大須賀さん。「この道で生きていく」という意識と覚悟が、内面からの美しさにつながり、笑顔に表れているように感じました。私たちも目指したいですね!
取材・文/大崎直美 撮影/刑部友康