女のマネー講座:昇給に望みナシ、どうする?

2010年01月01日
マネー講座タイトル


自分で働いて得たお金は、ムダにしたくないし、できる限り賢く付き合いたい。
ここで、マネーの賢い貯め方、使い方を身に付けよう!

vol.13 「昇給に望みナシ」「親の家はもらえない」。33歳の私は、これからどうしたらいい?


建設・事務/正社員/K・Eさん(33歳)

profile 専門学校を卒業後、2年ほどアルバイトをした後、現社に就職。CADを担当するも、1年ほどで一般事務に異動し、現在11年目。これといった専門スキルがないことに不安がある。実家暮らし。

建設・事務/正社員/K・Eさん(33歳)家計簿

溝渕麻理さん


溝渕麻理さん
ファイナンシャルプランナー兼 キャリアカウンセラー。 三菱信託銀行を経て、人材派遣会社、人事総務部マネージャーを経験後、お金の専門家の集団「フェイシス」に参画。100ten.Schoolで講師も行う。
http://www.100ten.co.jp/


“本気で給与を上げたい?”“家を持つことは幸せ?”と自分自身に聞いてみて!

Kさん:「10年先輩の女性と自分のお給料がほぼ同じで、今の会社では昇給が望めないことがわかってショックを受けています。“このままでいいのか?”と」
溝渕先生:「バブル時代は、事務職も年次があがれば昇給していましたが、今はそういきません。転職は、Kさんがどれだけ給与を重視しているかによります」
Kさん:「…職場の人間関係が良好で、辞める理由がないし、給与を上げたいという気持ちは…う~ん、強くあるわけではありません。かといって、専門スキルを身に付けないまま、一生同じ仕事を続けていていいのかと、悩んでいます」
溝渕先生:「プライベートでは何をしていますか? 今は仕事を続けながら、仕事以外のものにアンテナを張って自分の興味あることを見つめ直してもいいのでは? “労働だけがキャリアではない”といいますしね」
Kさん:「そうなんですね…気分が軽くなりました。私は結婚しないかもしれないし、実家で暮らし続けると親に責められますし、この先どうしたらいいのかも気がかりで…」
溝渕先生:「実家を出て、家を買うか賃貸住まいをするかは、Kさんの価値観によります。お金のことだけを考えれば、無理して一人暮らしをせずに、ご両親の家にいられる限り、貯金し続けるのが一番いいのですが、どう思います?」
Kさん:「貯金し続けたとしても、両親が亡くなったとき、家もないとなるとやはり不安です。でも、年収290万円じゃあ、銀行の住宅ローンが組めないだろうし…」
溝渕先生:「どうしても持ち家にこだわるならば、正社員として働き続け、頭金をしっかり用意しましょう。そうすれば、住宅ローンを組めますよ。Kさんは、今後のライフイベントに必要なお金をつくるために、これまで続けてきた月4万円の財形貯蓄(※)のうち、1~2万円を積み立て投信(※)にあてて、お金をふやすことを始めましょう」
Kさん:「私が投資していいんですか?」
溝渕先生:「老後の資金作りにおいては、早く始めればそれだけ、ゆっくりと無理せずお金をふやせます。33歳で年収が290万円ですし、貯金できる体質なので、少額からでも投資は始めてください」

◆結論1 :
給与よりも居心地のよい職場を重視するなら、転職しなくてよし

人間関係に不満がなく、どうしても給与を上げたいわけでもないので、転職は据え置きですね。また、今の職場で必要とされていますし、専門スキルがないからと思い悩む必要もありません。ただ、興味あることに対してアンテナを張り続けてください。ほかの仕事を始めたいという動機が生まれるかもしれませんよ。

◆結論2:
家を買うなら慌てずに。優先すべきは少額の投資で老後の資金作りです

家は絶対買わなければいけないものではありません。どうしても持ち家が欲しいならば、購入金額の3割以上の頭金を用意して借りる金額を抑えれば、住宅ローンを組んでも大丈夫でしょう。ただ、家の購入に迷いがあるなら、慌てて買う必要はありません。それよりも、今から投資を始めて、老後の資金作りを優先させてください。