スリール×とらばーゆ共催「ワーク&ライフ・インターン事前説明会」レポート
「ワーク&ライフ・インターン」を経験するとキャリアに前向きになれる!
共働き家庭の自宅へ訪れ、子育ての現場を体験する「ワーク&ライフ・インターン」。前回のワークショップでこのインターンシップの参加を希望した参加者、約10名が集まり具体的な内容や子育てに関する知識を学びます。
今回も前回同様、スリール株式会社の堀江敦子さんがお話しをしてくれます。「誰も教えてくれない子育てのことを今日は知ってほしいと思います。でも、すべてを覚えるのは大変。いままで分からなかったことが少し分かって、“私、レベルアップしたかも”と思って帰っていただければ!」という堀江さんの言葉からスタートしました。
まずは、スリールが行っている「ワーク&ライフ・インターン」の活動内容をVTRでチェック。仕事と子育てのリアルを知りたい大学生が、実際に子育てをしている共働き家庭に訪れ、育児のお手伝いをするプログラム。この活動の目的は、学生のうちから働くことと子育ての両立を考え、自分の将来のワークライフに役立てること。
VTRでは、子どものお迎えから家庭での手洗いや食事の世話、そして一緒に遊んであげたりするなど、通常の活動内容が映し出され、参加者たちもイメージが沸いてきたよう。
「実は、このプログラムに参加する学生の半数以上は子どもが苦手という人が多い。苦手だからこそ、子育てがどういったものなのかを知りたいという気持ちで参加をしてくれています」。今の学生って意識が高い!と驚いていると、「インターンを経験した87%の学生がキャリアに前向きになれたと回答しています。現状を知ることで気持ちが良い方向に変われる。気持ちの変化も大きいようです」
VTRを見終わった後は、改めて参加者同士が自己紹介。配られた用紙に3年後のなりたい姿を描き、それを見せながら自分の紹介をします。ヒールをはいた自分を描き、ワーキングマザーとしてバリバリ働いていたい、英語を話す自分を描いて英語力を生かした仕事に転職したい、などそれぞれが思い描く3年後を語り合います。
育児が不安なのは当たり前。だからこそ周りを巻き込むことが大切
前回、仕事と育児の両立ができるか不安でモヤモヤしていたU29女子。先週のワークショップでモヤモヤは少し解消されたようですが、堀江さんは「今日は残ったモヤモヤをもっとクリアにしたい」と言います。
そもそもなぜ、仕事と子育ての両立が不安なのか。それは環境の変化が一番大きいと言います。「戦前の日本では子どもの数も多く、近隣の住人たちがみんなで子どもを育てている感覚が強かった。人生の先輩から子育てのことを教えてもらったり、悩みを聞いてもらったりできたけれど、核家族化が進み、今では隣近所と付き合いがまったくない…なんて家庭も珍しくありません。誰にも聞く人がいない。だからといって学校の授業で教えるわけでもない。不安になるのは当たり前です」。
それでは、どうすればいいのか。堀江さんは続けます。「だからこそ周りを巻き込むことが大切。パートナーや両親、会社などを巻き込みながら育児をしやすい環境を作っていきましょう」
巻き込むためには自分が何をしてほしいかを発信することが一番重要。そのために、これから子どもが小学生にあがるまでの発達過程を学び、どんなサポートが必要かを考えていきます。国で定められた育休制度や、民間の育児サポートサービスなど、知っているようで意外と知らない事実に参加者たちもノートを取りながら学んでいます。
生涯賃金の差は2億円! 女性は仕事を一生、続けるべき!
そして堀江さんは「女性は結婚・妊娠しても仕事は辞めてはダメ!」と断言。30歳を前に仕事を辞めてしまうのと、育休を使いながら働き続けるのを比較すると、パートナーと合わせた生涯賃金は2億円も違うとの調査結果が。「育休では国の定めにより給与の67%がもらえます。もし、月給が25万円の場合、約16万円がもらえるんですよ」と力強い言葉に参加者たちからも「おーっ」という声があがり、改めて働くことの大切さを感じたようです。
講義中盤には子どもとの関わり方を学びます。子どもが起こす行動について、その背景を考えるというもの。堀江さんから出されたお題は「砂遊びや粘土に触りたくない子ども」について。なぜ、砂や粘土に触らないと思うかを参加者に聞いていきます。「汚れるのが嫌」という声があがると、「じゃあ汚れないために何をする?」と原因に対しての対策を参加者同士で考え、発言し合います。
育児をするうえで子どもの考えていることが分からないという悩みも多いですが、堀江さん曰く「子どもも大人とそんなに変わらないものです。大人がされて嬉しいことは嬉しいし、嫌なことは嫌なんですよ」。この言葉に参加者たちも大きくうなずいていました。
以上のことを踏まえたうえで、次回行われる「ワーク&ライフ・インターン」の具体的な注意事項や子どもとの接し方など体験前のオリエンテーションを行い講義は終了。
参加者からは「改めて長く続けられる仕事を見つけたいと思った」「勤務している会社の育休制度についてしっかりと調べようと思う」など働きながら子育てをしていく勇気と決意が見られる言葉が多く聞こえてきました。
備えあれば憂いなし。不安なことは知ることで解消され、前向きな気持ちになる。そんなことを教えてくれた講義でした。