働く女のライフスタイル別、貯蓄術
女性の場合、ライフスタイルが変わりやすく、結婚・出産をした後、働き続ける人もいれば、一度、休んでアルバイトやパートなどで社会に復帰するケースといろいろ。そこで、独身、既婚、子育てママ別にどうすればお金が貯められるのか?をファイナンシャル・プランナーにインタビューしました。あなたのライフスタイルに合った貯蓄法をチェックしてください。
溝渕麻理さん
大学卒業後、銀行を経て、人材派遣カウンセラー、人事総務部マネージャーを経験の後、2003年から100ten.schoolに参画。ファイナンシャル・プランナー【CFP(R)】、キャリアカウンセラーの資格を持つお金とキャリアのプロ。
独身女子は、強制貯蓄で老後の備えを
独身女子はとりあえず、結婚するかどうかわからないうちはしっかりと貯める意識が大事。それに老後の資金はできるだけ早い時期から貯め始めるのがいいといいます。「20代から老後のために1000万円を貯めるとします。すると、老後までの年数はまだまだありますから、月々少しずつ貯めていけば大丈夫」(溝渕さん)。
例えば、月2万円で年24万円貯めれば、41年と半年、22歳で始めたとすると、63歳のときには1000万円貯まっている計算になります。しかし、40代で同じ金額で始めたとしても、貯まるのは81歳。そのため、40代から1000万円老後のために貯めるとしたら、月々4万円貯めなければいけない計算になり、負担も大きくなってしまいます。
子どもなし夫婦は、貯金のゴールを2人で決める
では、独身女子、既婚女子、子育てママ…といろいろな人がいるなかで、一番お金が貯まらないのはどういう人なのでしょうか。
「実は一番、お金に余裕があるはずのダブルインカムの子どもなしのご夫婦が危険。お金の話をせずに、お互いに自由に使えるお金が多い場合、それぞれあまり貯蓄をしないケースが多いんです」と(溝渕さん)。もしどちらかが病気をしたり、出産などで働けなくなると、収入が半分となり、急に生活レベルを下げるのが難しく困窮してしまう危険性が高いというから驚きです。
「それぞれの収入を公開するのは言い出すタイミングも難しい。だから、二人の共通の貯蓄を始めることにして、その貯蓄の目的を明確にするのもオススメです」(溝渕さん)。住宅を購入する頭金のための貯蓄、老後のための貯蓄…曖昧な目的ではなく、将来の二人のための資金として貯蓄を始めることで、家計の話をする機会を増やすチャンスにもなるはずです。
子育てママは、少額貯蓄から始める
次に子育てママで、まだ社会復帰の難しい家庭ではどうすればいいのかを聞いてみました。「5000円でも1万円でも少額でいいので、とにかく毎月貯蓄するクセをつけていただきたいです」(溝渕さん)。
一度、家計のやりくりに追われて、貯蓄をせずにいると、収入ギリギリまで使ってしまうクセがついて、どうにも貯められないという負のスパイラルに陥ってしまいます。そこから脱するためにもとにかく少額のお金を貯蓄のためにひねり出すことが大事。
「あまりパソコンを使わないのなら、スマートフォンを持っておられる方が多いので、スマートフォンだけに絞って、パソコン使用を止めて、通信費を削る。生命保険など、不必要に手厚い保障内容になっていないかを再確認して、家計の見直しをすることも大事です」(溝渕さん)。
少額ずつ貯めたものは、いずれは自分のご褒美でも、家族旅行でも目的は何でもいい。とにかく貯めたくなるような目的をしっかりと立てて、貯蓄グセをつけることをまずは目指しましょう。