「書道」のお堅いイメージを変えたい!1回完結の美文字レッスンで書道を身近に/書道のはな*みち 髙宮暉峰さん
「書道」のお堅いイメージを変えたい!1回完結の美文字レッスンで書道を身近に/書道のはな*みち 髙宮暉峰さん【私の仕事Lifeの転機】
「書道はマイナー」と言われてショックを受け、一念発起
5歳から書道を続けていた髙宮さんだが、書道教室を開く予定はまったくなかったという。
「OLをしていましたし、いずれは結婚して子育てをする専業主婦になるのかなと思っていました。でも27歳のとき、大手のカルチャーセンターに書道教室がないのが気になって、電話で理由を問い合わせてみたんです。すると『書道はマイナーだから、人が集まらない』と言われて、大きなショックを受けました。これまで自分がやってきた書道が否定されたような気持ちになったんです。この電話がきっかけで、『日本の文化である書道がマイナーになってはいけない』『もっと書道の魅力を広めなくてはいけない』という使命感がわき、OLを続けながら書道サロンをやってみたいと思ったんです」
お堅いイメージの書道教室では、なかなか生徒さんは集まらない。どうすれば集客できるのかを最初に髙宮さんは考え続けた。
「従来の書道教室のように基礎から学んでいく方式だと、途中で挫折してしまう人も多そう。そこで“今、字で困っていることを1回で解決する”講座を思いつき、最初は友人に向けて“ご祝儀袋の文字をきれいに書く”レッスンを実施してみました。するとこれが案外好評で、口コミで生徒が増えていくようになったんです」
「とにかく書道に興味を持ってほしい」と異業種とのコラボも
そのうち六本木ヒルズ「アーテリジェントスクール」でもご祝儀袋のレッスンを受け持つようになり、書道家としての髙宮さんの知名度もアップ。
「定期的にレッスンを受けたいと希望する生徒さんも増加し、OLを辞めて、10年前に会員制書道サロン『書道のはな*みち』を設立しました。昨年は法人化し、書道人口をまだまだ増やすために、通信教育のお手伝いも始めました。書道と中国茶、書道とワインなど、書道とは関係がない分野の方とのコラボレッスンも実施。初めての方でも『書道ってなんだか楽しそう!』と興味をもってもらえる工夫は忘れていません」
起業してから2年後に第一子を、それから4年後に第二子を出産し、ワーキングマザーでもある髙宮さん。
「ふだんは仕事に追われていますが、幼稚園のお迎えに行く14時から17時までは子どもと過ごす時間と決めています。夜のレッスンがないときは、子どもと一緒に21時前に寝て、夜中の2時に起き、朝6時までの4時間が一人で仕事をする時間。会社員と違って、自分で仕事時間を決められるのは、自営業のいいところです」
書道を広めて「一家に1人は字がキレイな人がいる」ことが目標
字がきれいになれば、人生も変わるほどのメリットがあるという。
「たとえば会社でメモを書いて渡すときに字がきれいだと、周りからの印象がアップします。字がきれいになることで自信がつき、人生が好転していく生徒さんを見ると、書道を教えていてよかったなと思います。私の目標は、書道人口が増えて、一家に1人は字がキレイな人がいるという状況を作ること。そして日本だけでなく、世界にも書道を広めることです。海外進出という大きな夢に向かって英語の勉強も続けています」
最新刊『たった10分でみるみる字がうまくなる 「まっすぐな線」から始めるペン字練習帳 』(日本実業出版社)も好評発売中。
レッスン内容・スケジュールはHP「書道のはな*みち」でご確認ください。
http://hana-michi.com/
文:垣内 栄/撮影:平山 諭
※ タウンワークマガジンより