ユーキャンに聞いた! 2017年に注目すべき役に立つ資格とは
2017年注目すべき資格とは?
20代後半の女性が最も注目する王道の資格はFPと簿記3級
仕事を持つ20代後半の女性に特に人気があるのは、「FP(ファイナンシャルプランナー)」と「簿記3級」です。
「FP」は、金融機関・保険会社にお勤めの方が取得されるケースが多いのですが、最近は、そうでない方でも自分の生活や将来設計を考えて、お金の知識を得るために勉強する方が多いようです。金融不安といわれている今の時代だからこそ、住宅ローンや保険の加入について慎重に吟味したいという気持ちが20代後半の女性の間で高まっているのだと思います。
FPの資格を持っていれば、金利や月々の支払額をもとに家計の支出をシミュレーションしたり、自分たちに最も適した保険や住宅を検討したりできるようになります。また、小口の資産運用の方法が増えてきている今、長期的なお金のやりくりにも関心を持つ方が増えてきているので、その意味でも再注目されています。
「簿記3級」は、経理の仕事にチャレンジしたい人にとっては重要な資格で、一般事務などの仕事からのステップアップとして注目されます。一般的に簿記で転職に有利だと思われるのは2級以上ですが、その入り口としてまず3級を目指すというパターンが多いです。ですが、簿記3級でも、会社内での異動希望を出す場合や、未経験でもOKな求人に応募する場合には十分にアピールの材料になります。また、勉強を積んでいくことでその上の2級、1級、さらに勉強を積んで税理士と、ハイレベルな道も開けていきます。業種を問わず、簿記が不要の企業はありませんから、ニーズは安定していて、取得しておいて損はない資格といえます。
今、生活の質を上げるための「食に関わる資格」の人気が上昇中
最近、人気上昇中の注目ジャンルは「食に関わる資格」です。景気の良さが家計の消費にまでなかなか浸透していないなか、レストランなどでの外食から家の中での食事に、人々の関心がより集まるようになりました。また、さまざまな生活習慣病が社会問題になり、色々なダイエット手法が出回るようになったという背景もあって、“食”についてもっと学び、より質の高い食事を心がけて生活や健康に役立てたいというニーズが高まっているのではないかと思います。
なかでも、食に関するさまざまな知識を広くカバーできる「食生活アドバイザー®」は、2016年度資料請求ランキング3位でした。食といえば調理師や管理栄養士が王道ですが、資格取得には実務経験や学歴が必要です。でも、食生活アドバイザーにはそういった条件もなく、誰でも気軽に4カ月ほどで取得できます。
食系の資格の人気を受けて、昨年12月には新たに「野菜スペシャリスト」も開講しました。旬などによって大きな健康効果のある野菜と果物の栄養や効能、おいしさを引き出す調理法などについて勉強し、自分や家族の健康的な食生活に役立てたいという人におすすめの資格。ほかにも健全な食生活を促す食育のスペシャリスト「食育実践プランナー」、薬膳の知識をもとに健康な体づくりを目指す「薬膳コーディネーター」などの資格もあり、こちらも人気です。
何より、これらの食に関わる資格の中には、標準学習期間が4~6カ月と短期間で、カリキュラムの修了後に受験会場などへ行く必要はなく、自宅でそのまま認定団体から合格をもらうことができるものもあり、自宅で資格が取れるのも魅力、というわけです。
転職やスキルアップにすぐに役立つ「行政書士」や「宅地建物取引士」が人気なだけでなく、最近は趣味や興味のあることについて、もっと知識を深めたいという傾向も高まっています。
「何か取り柄が欲しい」「日常を変えたい」などの想いから行動を起こして資格が取得できると自信になったり、生活の楽しみが増えたり、一歩踏み出すことにも繋がる。そんなところが、先に挙げた資格のような、“内面スキルアップ”の人気の背景にあるのではないかと感じています。
ずばり、2017年狙い目の資格は?
今後注目の資格といえば、保育士だと考えています。昨今、保育所の待機児童が社会問題になっているように、募集に対して保育士が足りていない状況なので、ニーズがとても高い職種といえます。今後、本格的に制度なども整備され、待遇の改善がすすんでいく地域も多いと予想されるので、保育士の仕事に興味のある方には、ぜひ今年取り組んでいただきたいと思っています。ちなみに、保育士資格は筆記試験のほかに実技試験もあり、難易度の高い資格ですが、講義動画なども用いた通信講座で実技試験に備えることが可能です。
同じ福祉系で、受講者が増えているのが「認知症介助士」。認知症の発症メカニズム、その予防、介助方法などを学ぶことができる講座です。標準学習期間は3カ月で、添削課題の提出と、自宅で受けられる検定試験に合格することで取得できるので、比較的取りやすい資格といえます。
すでに超高齢社会を迎えつつある現代では、20代を始めどの年齢層でも、高い関心が寄せられています。需要のある介護系への転職希望者以外でも、サービス業や福祉関係の仕事に就いている人が資格を取得するケースも増えてきています。特にサービス業の現場では、介助方法を知っているとお客様への対応等で実際に役立つ場面もあり、職場や転職先での評価にも繋がることが期待されます。
まずは興味のあるものに飛び込んでみましょう
実は、スキルアップや転職といった明確な目的が今はないといった方にこそ、資格取得に限らず何かを学ぶことにもっと興味をもってほしいと思っています。例えば、「仕事が早くできるようになりたいから」という理由で「速読」の講座を受講する人もいますし、「仕事が早くできても字が汚いと信頼性がないから」と、「実用ボールペン字」の講座を受ける人もいます。
自分はどんな服が似合うのかを勉強できる「パーソナルスタイリスト」の資格を取れば、ファッションセンスが磨かれ、視覚的な自己プロデュース力を高めるためにも役立ちます。
また、資格ではなくても、フラワーアレンジメントや水彩画など趣味の世界を広げるために講座を受講される方も多くいらっしゃいます。
ユーキャンは講座のバリエーションが多いので、受講目的も人それぞれではありますが、どの講座に限らず、自分磨きのために始めたという方が多いんです。今の生活で特に不満や足りないものがない状態でも、「苦手を克服したいな」「こんなことができたら楽しいな」と思っていることがあったら、まずは勇気をもって飛び込んでみてほしいと思います。
アクションを起こさなければ、それは一生自分とはかかわりのないまま過ぎ去ってしまいます。こういった年始めのタイミングに、「なりたい私」を自由にイメージして、新しい自分を発見するきっかけをぜひつくっていってほしいと思います。
(取材協力・監修)株式会社 ユーキャン
(インタビュー/兼子 梨花 構成/風来堂 撮影/南雲恵里香(風来堂))