時代を「伝える」ことを仕事に。理想を実現していく30代

2015年09月16日

悩みが尽きないU29女子。「いつまでこの状況は続くのだろう?」と不安になることもありますよね。そんなU29世代を経て30代になった先輩に、当時のリアルを聞いてきました!今回は、フリーランスとして自分のスタイルを確立しながら活躍する島村さんをご紹介します。

がむしゃらに走るも、体がついていかなかった最初の3年間

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コピーライターという職業に憧れ、広告制作から企業のPR業務などを経験。現在はフリーランスとして活躍されている島村さん。会社員生活とフリーランス生活のお話、そのときの気持ちの変化などについて伺いました。

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―新卒で入った会社では、どのようなことをされていましたか?

コピーライターの糸井重里さんに憧れ、「私もコピーライターになりたい!」と思い、広告の制作会社に入りました。WEBのディレクターやコピー制作のお仕事など幅広くやっていましたね。当時は、ものすごく忙しくて、3日帰れないなんてこともしょっちゅうで…。体力的にきつかったこともあり、1年ほどで転職しました(グラフ:a)。

―3日も!それは大変ですね。次の会社はどんなところだったんですか?

次の会社は企業のPRをお手伝いする会社でした。今は大きな会社になっているのですが、私が入った当時はまだまだベンチャーという感じで。会社を大きくしていくフェーズにありました。
PR業務の傍ら、子会社設立の創業メンバーに抜擢されたのですが、記者発表の当日に自宅で倒れてしまったんです(グラフ:b)。仕事は充実していて、楽しかったのですが、体の方がついていかなかったんですね。無理がたたってしまったのだと思います。それで2社目も退職しました。

 

支えてくれた彼氏との結婚、専業主婦、そしてフリーランスへ

―がんばり過ぎてしまったんですね。2社目をご退職されて、結婚し、専業主婦になったということですが(グラフ:c)。

当時すでに2~3年お付き合いをしている方がいたので、結婚も良いかなと思ったことがきっかけです。体も心もかなり疲れていたこともあり、一度専業主婦になってゆっくりしようという思いもあって。時間ができたので、お料理教室やお花に通ったり、花嫁修業をしたりしていました。

―元々結婚願望はあったんですか?

んーどうでしょう、年頃だったというのが大きいかもしれません。27歳くらいになると第一次結婚ブームが起きるじゃないですか。もちろん、その人のこと好きでしたし。忙しい会社員生活から、まさかの専業主婦でしたけどね(笑)。

―今まで忙しく働かれていたわけですが、専業主婦生活というのはどうでした?

主婦業は楽しかったです。料理が好きで、旦那さんのお弁当も含め3食きちんと作っていました。でも、やっぱり社会や外の世界とのコミュニケーションが減ってしまって…。徐々に仕事をしたいと思う気持ちが沸いてきました。
ちょうどそんなとき、知り合いからPRの仕事の話をいただいたので、フリーで請けることにしたんです(グラフ:d)。そこから前職の会社からもお仕事をいただくようになり、再びいろいろな仕事をするようになりました。

 

やっぱり仕事がしたい!腰を据えて、会社員に再復帰

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―フリーでPRのお仕事を本格的に始めて、家事も両立されていたんですか?

締め切りがあったりすると、どうしても家事が疎かになってしまうことはありました。夕食のおかずが1品減ったりとか、旦那さんが帰ってきてもPCに向かっていたりとか。両立はやはり難しいな…と。
さらに、また別の依頼の仕事が入ってきたりして、仕事と家庭の中で葛藤していましたね。そんなこともあり、離婚を決めました(グラフ:e)。

―なるほど。その後フリーランスから再び会社員になったということですが、それはどうしてですか?(グラフ:f)

このとき依頼をいただいたのが、都内のラグジュアリーホテルの広報の仕事でした。広報の仕事は、会社のことを事細かに知ってないと難しい部分もありますが、私はホテル業界も全然知らなかったので…。業界をもっとよく知りたいという思いと、再度腰を据えてみようという思いで会社員に戻ることを決めました。

 

知らない世界のやりがいや楽しさは十分。でもホテルマンにはなりきれず…

―このときのお仕事はどうでしたか?また、現在再度フリーランスに戻られていると思いますが、どのような流れだったのでしょうか?(グラフ:g)

企業側の立場での広報の仕事は楽しかったですね。周りの方々から褒められたり、頼りにされたりするのはうれしかったです。
ただ少し都心から離れた場所にホテルがあって、友達との時間があまり取れなくなったり、都会のトレンドに触れる機会が減ったりして、「私の居場所はここではないのかな…」という思いは感じていましたね。
でも、退職の決め手となったのは、根っからのホテルマンになりきれないというジレンマでした。そこからまたフリーランスとして活動して、今に至るという感じですね。

―なるほど。再度、働き方を模索しているという感じでしょうか?

そうですね。特にホテルの広報をしていた頃は、社内調整に追われてしまうという葛藤があったんです。今は仕事を詰め込むのではなく、ロングバケーションというような感覚で、旅行に行ったり、美術館に行ったり、ゆっくりと自分の生活を楽しんで過ごしています。

 

やっぱり「書くこと」が好き。自分で見たものや思いを発信していきたい

―今までずっとPR関連のお仕事をされてきたと思いますが、ご自身の中で何か一貫するものがあるんですか?

実は中学生の頃からコピーライターになりたい!というのがあったんです。学生の頃にもそういう活動をしていましたし、今でもずっと言葉や文章を「書くこと」は好きです。「鉛筆一本の力」というようなものを信じていますね。自分が書いた文章で、人に思いを発信したいというのはずっと持ち続けています。
今後はPRだけではなくて、自分が好きなものを自分の言葉で発信していきたいという思いが強くなっています。ファッションも美術も好きで、その最前線で情報をキャッチしながら、最先端の人を自分の文章とかでサポートするようなことができたらいいなと。やっぱり何か文章を書いているときが一番燃えます(笑)。
今はSNSなども充実しているので、誰でも発信できる時代です。海外の様子など、自分の好奇心と伝えたいことを記事にすることを、仕事にしていけたら良いなって思っています。

 

これからは自分のペースで心身ともに元気で進めていきたい

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―これから30代後半もフリーランスでやっていこうと考えていますか?

どうなるかは分からないですけど、とにかく好奇心旺盛なのでスタイルとしてはフリーの方が合っているのかなって思っています。フリーランスだからか分からないですが、20代と比べて30代の今は自分を飾ったり、人に対して演技をしてしまうこともなくなったので、とても楽に過ごせているんですよ。
もしかすると、今後また再婚や出産もあるかもしれないし、両親の介護などが発生してくるかもしれません。それはその都度判断しながら、今を楽しんでいきたいですね。

会社員とフリーランスの両方の働き方を経験しながら、一貫して「伝える」ことをお仕事にしている島村さん。旺盛な好奇心で幅広い世界に目を向けながらも、自分のライフスタイルを大切にして30代の日々を送っているのがとても魅力的でした。

<U29女子へのアドバイス>
自分の過去に縛られてネガティブ思考になるのではなく、自分自身のやりたいことや気持ちを発信することで理想を実現するための情報や人とのつながりなどが集まってきます。考えすぎても仕方ないし、違うなと思ったらいつ立ち止まってもいいと思うんです。自分が望まない未来にたどり着くなんて嫌じゃないですか。自分のペースで目指す理想に素直に向かっていってくださいね。