アベノミクス効果で女性の採用ニーズが高まりそうな業種&職種は?
アベノミクス効果で株価が上り、円安で輸出企業が好調……と、世の中では景気のいい話もちらほら聞こえてきます。では、転職でこれから狙い目になるのはどんな仕事? 女性のキャリアカウンセリングに豊富な実績を持つ藤井佐和子さんに、ズバリ答えていただきました!
代表取締役
藤井佐和子さん
ふじい・さわこ●大学卒業後、カメラメーカーの海外営業部、人材総合ビジネス企業を経て、キャリアカウンセラーとして独立。女性のためのキャリアカウンセリングに注力し、カウンセリング実績は13,000人以上。著書に「これで採用!!転職面接完全サポートブック(新星出版社)」など多数。
藤井さんが注目するのは、アベノミクスによる経済効果の直接的な影響よりも、安倍首相が「女性の活躍」を政策の一つにあげていること。「それによって、多くの企業が女性の能力を見直し始めています」
職種:営業・販売職
その代表例が、営業や販売などの人と接する職種。これには2つの背景があると藤井さんは言います。「1つは、女性が消費者として存在感を高めているということ。例えば金融業界では、2014年1月からスタートする新たな非課税制度『NISA(ニーサ ※1)』の登場によって女性の個人投資家の増加が期待されるなど、これまで男性向けのビジネスをしてきた業界で、女性向けの売り方が求められるようになっています。そこで、女性の視点がわかる女性の営業や販売スタッフのニーズが高まりつつあるのです」
※1 年間100万円までの投資による利益や配当金が5年間非課税になる制度。
2つ目の背景は“女性のコミュニケーション力の高さ”が評価されていること。「相手の話をよく聞いてニーズをくみ取り、それに応えてあげたいと思う。そうした女性の心理は、まさに営業や販売の現場で求められるマインドです。特に形のない商品を売る分野、例えばIT業界や人材サービス業界でそうした女性の能力に注目する企業が増え、実際に女性の活躍の場が広がっています」
職種:コールセンタースタッフ
「内勤の仕事の注目株は、成長著しいネット通販業界。今後、リアル店舗での対面販売は減少し、ネット通販に切り替わっていく流れは必至です。その際に問い合わせ対応やアフターサービスのためのコールセンターは、人による対応が必要。そこで、先ほどもお話した女性のコミュニケーション能力が求められるのです」。
ただ、コールセンターは地方や中国などの海外に設置されるのが、最近のトレンドなのだとか。「国内では、北海道の札幌市が『コールセンター・バックオフィス立地支援制度』を設けるなど、誘致に積極的なことで知られています」。これをチャンスに、北の大地に引っ越すのもあり!?
業種:介護・保育・家事代行業界
最後は業種について。安倍政権の政策によって女性の社会進出が進めば、女性が家庭で行っていたことを代行する人が必要になる。そこに新しい活躍の場があるというのが、藤井さんの3つ目の指摘です。「共働き家庭が増えることでニーズが高まるのが、家事代行業界。介護や保育も同様ですが、この2つに関しては、今後、高齢化社会に向かうということや、2020年までに保育園の待機児童をゼロにする目標を安倍政権が掲げているという時代背景もあります。いずれも正規雇用ではないことも多い業界ですが、得意な家事を活かしたい、やりがい重視で働きたいという人にはお勧めできる分野です」
「女性の活躍」が国家戦略の一つになるなんて、これまでになかったこと。さまざまな分野で女性への門戸が開き始めている今、一歩を踏み出すチャンスです!