スペシャルインタビュー タレント 若槻千夏さん

2009年02月12日

若槻千夏さん今の生活から心機一転「自分を変えたい!」思いはあるのに、やりたいコトってどうやって見つけたらいい? 転機のサインはどこに転がってる? 立ち止まってしまう自分もいる。そんな悩めるみんなへ、タレントの枠を超え、さまざまなジャンルに飛び込んでいく、常に自分☆革命中の若槻千夏さんからメッセージ!

■グラビアからテレビに出たらファンが激減!ホントに悩んだ

きっと、この記事を読んでいる人は、「仕事を替えたい、新しいことをしてみたい」って考えていると思うんですが、私も常に新しいことを求めちゃうんですよ。

芸能界にデビューして、グラビアを3~4年やったころ、テレビのバラエティの仕事が入ってきたんです。新しもの好きとしては、飛びつくわけですよ。だけど、グラビアの若槻千夏を知っている人たちは「まさかこの子がこんなにしゃべるとは…」って驚いたみたいでファンが激減。サイン会でも前は2000人ぐらい集まったのに、テレビに出てから200人とかになっちゃいましたからね。さすがに「テレビに出ないほうがいいのかな」なんてメチャメチャ悩んだんですけど、人のこと気にしてないで、自分らしくやっちゃおう、ファンなんてひとりもいらねーや(笑)、みたいな気持ちでテレビに出始めたら、逆に女の子のファンがすごくついたんですよ。

そのとき、思ったのが芸能界に入ったから安定するわけじゃなくて、グラビアからバラエティ、バラエティからドラマとか、常に職探しじゃないけど、自分に合った仕事を見つけていかなきゃいけないんだなってこと。そこで、いかに自分らしく仕事に取り組めるかが、仕事を楽しむコツなんですよね。

■このまま芸能界にいたら、どんなオトナになるか不安になった

そんなこんなでバラエティの仕事も増えてきて、1日8本ぐらい仕事が入ったりと忙しい毎日が続いたんです。これって、すごく喜ばしい状態なんだけど、この状態がいつまでも続くわけがないし、必ず落ちていくときがくる。そのとき、どうなるんだろうって不安を感じ始めたんですよ。一回、自分が本当にやりたいことを探そうと「自分探し」をしにタイへ10日間、ひとり旅に出たんです。でも、10日じゃ何も探せず、帰ってきて、また普通に働く、みたいな(笑)。

若槻千夏さん

でも、この旅であることに気がついた。タレントなんて仕事をしていると、海外へ行っても航空チケットからホテルまで全部誰かが手配してくれるワケですよ。でも、今回は何でもひとりで手配しなきゃいけないし、通訳もいない。22歳にもなるのに、改めて何もできない自分にびっくりして「人としてどうなの」って思った。このまま芸能界でチヤホヤされながらぬるま湯に浸かってていいのかなって。たいして努力もせず、おもしろい話をして、おもしろいロケ行って、それが一生続いたら私、どんなオトナになっちゃうんだろうって。これをきっかけに、自分で頑張れることを見つけなきゃと思い、出た答えが、昔から大好きだったアパレルをやってみたいって気持ちだったんです。

そこで去年、芸能活動を一旦休んで海外へ買い付けに回ったんですけど、勉強不足で本当に苦労しました。買い付けのイロハもわからず、人づてに紹介されたアパレル関係の人に頼りっぱなし。これじゃ、いかんと日本でアパレルのことを勉強しながら人脈増やしたりと、ベース作りに専念しようと思ったんです。でも、自分が勉強不足って気が付いたのも買い付けに行ったからこそ。実際に体験しないと、答えなんか出ないんですよ。

だから、次の仕事に可能性を感じているなら、ソッコー、今の仕事を辞めたほうがいい。他の仕事をして自分に合ってたらラッキーだし、違うと思ったら、また替えればいい。自分がやりたいことって考えるんじゃなくて、行動したときに見つかるんで。自分に何が合うのか、なんて考えたりするより、一回面接行って、働いて肌で感じるしかない。仕事ってそういうもんだと思います。

●Profile
わかつきちなつ●1984年5月28日、埼玉県出身。グラビアで次々と表紙を飾り、その歯に衣着せぬ発言でバラエティにも引っ張りだことなる。07年に芸能活動を一時休止し、LAなどで古着の買い付けなどを行う。現在はアパレルブランドとのコラボなど、多岐にわたる活動を行っている。

●Information

『ちなつの歩き方』『ちなつの歩き方』

宝島社より好評発売中。人生を考えるきっかけとなった07年のタイ旅行やアジア、LAでの買い付け奮闘記などが綴られた日記。芸能活動休止中に何をしていたかが明らかになる一冊。

取材・文/中屋麻依子、撮影/八木虎造、デザイン/河村俊子