ママグロースハッカーが手がけた福岡市のホームページリニューアル こだわりを詰め込んだ構成で10倍以上のページビュー増を達成!

2017年04月05日

2016年に活動を開始し、子育て中のママによる在宅ワークの可能性を福岡から広げている「ママグロースハッカーズ」。その活動の一環で、ママ独自の提案力を生かしてホームページを全面的にリニューアルした例がある。それが、福岡市農林水産局が運営する「ふくおかさん家のお気に入り」だ。これは、福岡市内の農産物で作った加工品を紹介するホームページ。ママたちの提案によって、サイトは大幅に生まれ変わり、ページビュー(PV)もリニューアルした月には前月の10倍以上に。生産者からも喜びの声が多数寄せられている。今回は、福岡市農林水産局の担当者へインタビュー。ホームページリニューアルの経緯や制作時のこと、リニューアル後の効果について、語ってもらった。

ママたちの手によって新しく生まれ変わったホームページ

ママたちの手によって新しく生まれ変わったホームページ(http://www.city.fukuoka.lg.jp/nousui/okiniiri/

細かな配慮がなされた
質の高い提案に驚き

–ホームページのリニューアルをママたちにお願いすることになった経緯を教えてください。

猿渡 「ふくおかさん家(ち)(産地)のお気に入り」というプロジェクトは、福岡市で生産された農畜産物を使った加工品を「ふくおかさん家のお気に入り」として認定し、認定商品をPRし、地産地消を推進する取り組みの一つです。現在は14商品を紹介しています。リニューアル前のホームページは、市の職員が商品を羅列して体裁を整えた程度のものだったので、担当者会議でももっと魅力的なデザインのホームページにリニューアルしなければという意見が出ていました。

そんなとき、女性の視点でWebサイトを改善するママグロースハッカーズの存在を知ったんです。ママたちは、ホームページを見ていただきたいターゲット層ともぴったりでしたので、ママグロースハッカーズをマネジメントしているデジタルハリウッドSTUDIO福岡に、ホームページの改善提案を依頼することにしました。それに、福岡市は「グローバル創業・雇用創出特区」の指定を受けたこともあり、女性の創業の裾野を広げる取り組みを応援したいという気持ちもありました。

ニューアル前のホームページ

ニューアル前のホームページは、市の職員が自ら作ったもの。見やすさ、商品の魅力の伝え方など、課題は多くあった。

–ママたちのプレゼンテーションはどんな印象でしたか。

猿渡 これほど充実した内容を提案していただけるのかと、とても驚きましたね。まずリニューアルのコンセプトの提案があり、それを表現したデザイン案をパターン違いで3案、かつ制作体制や進行スケジュール、費用まで全てが考え抜かれた提案でした。私自身Webには疎い方で、苦手意識もあるんですが、提案を見て、現状のホームページがこんなに素敵に生まれ変わるんだと担当者として嬉しくなりましたね。

福岡市農林水産局・猿渡結香さん

担当の福岡市農林水産局・猿渡結香さん

–具体的には、どんな提案内容だったんでしょうか。

猿渡 ママの視点で一般消費者に商品の魅力を伝えるだけでなく、生産者も巻き込んだホームページづくりをしようという提案でした。それが、全て現地取材に行き、プロのカメラマンによる撮影も入れて、美味しそうに商品を撮り、キャッチコピーと文章で分かりやすく商品と生産者の魅力を伝えるというこだわりにつながっていました。

さらに、生産者の中には商品を手作りするのに精一杯で、とても広報や宣伝までに手が回らない方も多いんですが、その方たちが販促ツールに活用できるような仕組みが提案に盛り込まれていたのにも驚きました。印刷ボタンを押すと、ホームページの必要なページをA4サイズできれいにプリントでき、販促チラシとしてそのまま使えて。このアイデアには感心しましたね。

–どんなところに、ママらしさを感じましたか?

猿渡 紹介している商品を知っていただきたい、買っていただきたいターゲットは、まさにママを中心とした主婦層なので、主婦目線で商品をいかに美味しそうに見せるかというこだわりを、随所に感じましたね。ただ商品のパッケージを載せるのではなく、作り手の思いを文章化したり、食べるシーンを演出したり。生産者の自然な笑顔の写真が多かったのも、ママのコミュニケーション力と共感力の高さだろうなと感じます。

経験を積んで実践的なスキルを高め
活躍の幅を広げていってほしい

–新しくなったホームページの反応は、いかがですか?

猿渡 生産者にとても喜んでもらえたのが良かったですね。生産者の方々の笑顔の写真を見て、まず身内の方が「いいね」と言ってくださり、それが徐々に広がって伝わっているようです。パソコンが苦手な生産者も、印刷ボタンで自分の商品をPRするためのA4チラシを用意できるので、イベント出店などの際に活用してもらっています。私たち市役所としても「福岡市の特産品ってどんなものがありますか?」と聞かれた時にも、このページを案内すればいいので、とても助かっています。

「しっかりデザインされてて、行政のホームページっぽくないですね」と言われたりもして(苦笑)。農林水産局の受付には、A4で印刷したチラシをまとめた簡易パンフレットを数部置いて、いつでも手に取ってもらえるようにしています。

印刷すればA4のチラシとして活用できるレイアウト

印刷ボタンを押すと、印刷用に用意されたPDFが立ち上がるため、ブラウザによるレイアウトの崩れなどもなく、そのままA4のチラシとして活用できる。1ページにつき1商品、それぞれの魅力をあますところなく伝える構成。


–今後の展開と、ママグロースハッカーズへの期待を聞かせてください。

猿渡 素晴らしく仕立ててもらったこのサイトをフルに使って、販促を強化していくのが私の使命ですね。ママたちの実力がよくわかり、実際に意図した効果が着実に出ているので、この案件に限らず、いろんなフィールドで活躍していってほしいですし、十分にできることだと思っています。これからも、活動を応援しています。

ママインタビュー:プロジェクトリーダー 高橋愛子さん(左)

ママグロースハッカーズが初めて受けた大きな仕事
持てる力を100%出し切りました

この案件は、ママ向けWebグロースハッカー養成講座の開講中から特別に請け負った案件で、私たちにとっては初めて正式に依頼された仕事でした。チーム一丸となって取り組み、責任ある行政の仕事でもあったので、今でもとても印象に残っています。

オリエンテーションを受けてから、みんなでアイデア出しのブレストをし、「商品自体をもっと魅力的に、もっと美味しそうに見せ、生産者の方々に喜んでもらう」ことをコンセプトにして、他のさまざまなサイトを参考にしながら、どういう伝え方が最適なのかを考えていきました。市内全域の生産者に取材し、その思いを聞き、撮影を進めていく中で、私たち自身も商品のファンになり、「この商品をなんとか世の中に広めたい!」という気持ちが高まっていきました。

現地取材の様子

現地取材の様子。共感力の高いママたちが取材に入ると、現場のテンションも上がる

取材や原稿作成、時にはプロカメラマンのスタジオ撮影立会いなど、初めてのことばかりで苦労しましたが、この経験でそれぞれが得た手応えはとても大きく、今の活動に繋がっているのは間違いないと思います。特に、一つの制作物を企画から納品まで一貫して経験できたこと、サイト制作の面白さや産みの苦しみを味わえたことは大きかったですね。

納品後に生産者の方にお会いすると、私たちが作ったサイトのことをとても喜んでもらえて。こんな風に人を笑顔にできる活動を、これからも続けていきたいと思っています。