ベビーマッサージ講師とグロースハッカー、二足のわらじを履く行動派ママ

2017年01月13日

ママたちのリアルライフ&ワークスタイル
vol.1: ママグロースハッカーズ1期生・平野実子さん

ママグロースハッカーズ1期生・平野実子さん

子育て中のママによる在宅ワークの新しい可能性として、全国から注目を集めている「ママグロースハッカーズ」。この記事では、2016年6月から本格的に活動を開始したママグロースハッカーズ1期生のワーク&ライフスタイルのリアルに迫る。第一回目は、2児の母である平野実子さんの一日に密着した。

目標は子連れで音楽フェス!ベビーマッサージ講師とグロースハッカーの二足のわらじ

ママグロースハッカーズの第一期生である平野実子さんは、家族と福岡市で暮している。子どもは、現在6歳と3歳の娘が二人。実子さんが幼い頃は、両親の仕事の関係上転勤が多く、全国各地を転々としながら育った。千葉や東京など関東圏での生活が長く続いたが、2011年に現在の福岡市にやってきてからは、すっかり福岡の住環境が気に入っている。
「海と山が近いし、都会へのアクセスもよくて、子育てにぴったりの場所だと感じました。それまで関東にいた時は、街に対する愛着を感じたことなんてなかったんですけど。ここにはずっと住みたいと思ったんです」
福岡でのびのびと育っている子どもたち。しかし福岡にはもともと、頼れる親戚がいたわけでも、仕事のあてがあったわけでもないという。彼女はどうやって、地域のコミュニティに関わり、仕事をするようになっていったのだろうか。

実子さんは関東にいた頃、いわゆるバリバリのキャリアウーマンとして働いていたわけではなかった。もともと専業主婦になることが夢で、子育てをちゃんとしたいという思いがあったので、仕事よりも家庭の優先度の方が高かった。一人目の子どもを生んだ時に、昔助産師になりたかったという夢を思い出し、何か赤ちゃんに関われる仕事がしたいと考えた実子さん。ベビーマッサージの民間資格を取得した。
「私が取ったのは、ベビーマッサージを考案したピーター・ウォーカーという理学療法士公認の資格です。福岡でその資格を持っている人は少なくて、いても自宅で細々と教えているケースがほとんどだったので、きちんと外に場所を借りて、ベビーマッサージ講師としての活動を始めることにしました」

ベビーマッサージ講師を務める実子さん

この日は、福岡市営地下鉄姪浜駅から徒歩5分の場所にある、総合ショッピングモール内の教室でベビーマッサージ教室。必要な道具の用意から会場の準備まで、すべてを一人で行う

現在では、近隣の数カ所の施設を借りて、平均週に2回ほど、ベビーマッサージの講師を務めている。赤ちゃんにとって気持ちがいいのはもちろん、ママたちにとっても、子育ての悩みを共有できるコミュニケーションの場になる。十分にやりがいのある仕事だが、実子さんのチャレンジ精神はこれに留まらなかった。グロースハッカー養成講座の募集広告を見つけて、「私は将来これをやることになるだろう」と予感のようなものを感じ、即座に応募したという。
「ベビーマッサージの仕事は、ずっとやりたかったことだし、充実した気持ちになれるのでこれからも続けていきます。でも、それとは別に、自由な時間をフルに使って家でできる仕事がしたくて、グロースハッカーに興味を持ちました。それに一度学んでおけば、フリーランスとして活動の幅を広げられると思ったんです」
実子さんはもともと、人と関わるのが好きで、自ら進んで手を動かすタイプ。福岡に来てからも、ベビーマッサージを通じてできた人とのつながりで、フリーマーケットイベントを主催するなど、さまざまな活動の場を持っている。その関係で、「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」を受講する前から、Web制作の依頼など多方面から相談を受けることがあった。ここでグロースハッカーの仕事を学んでおけば、その後も幅広く活用できるスキルが身につくと考えた。

「始めたら夢中になる性格なので、今はやれるだけやってみている状態です。目標は、月収30万円。子ども二人を連れて、大好きな音楽フェスを存分に楽しめるぐらいに、バリバリ稼ぎたいですね」

カフェでの作業風景

家だけでなく、カフェで仕事をすることも。買ったばかりの最新のPCなら、持ち運びもラク。安い買い物ではないが、しっかりと仕事に取り組むためなら、投資も惜しまない

ママが仕事と人生を楽しんでいる様子を
子どもたちに見せてあげたい

実子さんの1日は、朝7時頃に始まる。上の子が起きてきたら、身支度を済ませて小学校に送り出し、家事などをして9時半ぐらいまでに下の子を保育園に連れていく。そこから家に戻って、PCで作業。午前中は、デザインの修正作業が入っていればそれを、なければグロースハック新規案件のオリエンシートを読み込む。午後からはベビーマッサージ教室があれば出向いて、赤ちゃんやママたちとの触れ合いの時間を持ち、終わった後再びPC作業に戻る。こうして午前中の間に頭にイメージを叩き込んでおくことで、家事や他の仕事を済ませた後にデザインのアイデアを出す際、すっと取り掛かれるのだという。18時までに子どもたちを迎えに行き、そこからは家族の時間。食事は同居している母が作ってくれている。子どもたちもおばあちゃんのことが大好き。22時ぐらいまでに子どもを寝かしつけて、その後にまたPC作業をする。
「布団の中で、子どもを両脇に寝かしつけながらPCで作業なんてこともあります。みんなが寝静まった深夜が1番集中できるので、結局夜の2時か3時ぐらいまで没頭してしまいますね」

実子さんのこれまでのグロースハッカーとしての実績は、デザイン案制作数が77本、うち採用数が19本、改善率の最高値は194.4%(2016年12月現在)。最初のうちはまったく採用に至らず、挫けそうになったこともあったが、最近は採用されることも増え、平均すると月20万円ぐらいの収入になってきている。「デザイン案を週に5本出す」など具体的な目標を決めて、計画的に収入が得られるように努めている。
「結果が数字として明確に出るので、次はもっと数字をあげてやろうと、やる気が維持しやすいですね。私自身もママ消費者としてオンラインで買い物をすることが多いので、その時の視点を意識しています」

実子さんによるデザイン改善案

元のデザイン(左)に対して、実子さんがサイト改善し採用されたデザイン(右)。無料であることを強調し、入力のステップとかかる時間を示すなど、ユーザーの不安を取り除くような工夫がされている

グロースハッカーの仕事は、とても片手間ではできないと語る実子さん。
「私も、パートの仕事が見つかりやすい東京にそのままいて、数万円程度の収入でよければ、わざわざグロースハッカーを目指してはいないかもしれませんね」
労力も根気も必要な仕事だが、実子さんの表情は明るい。家のことも仕事も、楽しんで向き合っている様子が伝わってくる。
「今の生活は忙しいけど、とても充実しています。グロースハッカーの仕事も、要領をつかむまでに時間がかかったけど、やればやるほど自分の成長がわかって、最近は面白くなってきました。それに、ベビーマッサージ講師の仕事は、地域の子どもやママたちと関わることができて、自分が人の役に立てている実感が持てます。子どもたちには、ママが楽しく働き、人生を楽しんでいるところを、近くから見せてあげられたらいいなと思っています」
周囲を巻き込み、その場をポジティブに変える力を持つ実子さん。彼女のチャレンジが、たわわな実を結ぶ日もそう遠くはなさそうだ。

ベビーマッサージ教室にて

Mama Growth Hackerz(ママグロースハッカーズ)とは
子育てママの目線を生かしたリサーチ・企画・デザイン・運用等の全てをワンストップで対応できる日本初・ママだけのグロースハッカー集団です。ママ向けWebグロースハッカー養成講座の修了生が中心となって活動しています。
http://www.mgh.plus/