ママ向けWebグロースハッカー養成講座、第2期がスタート!
開始から2か月、 急成長するママたちの“いま”をプレゼン

2016年12年07日
時間や場所に縛られない新しいママの働き方を応援するために、2015年に発足した「Growth Hack for Womenプロジェクト」。その一環で取り組まれている「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」の第2期講座が、デジタルハリウッド福岡校にて2016年9月7日(水)より始動。今回は、講座開始から2か月が経過し、まだまだ慣れないソフトを懸命に使いこなしながら課題に取り組んだ15名のママたちの、課題発表の様子をレポートする。
プレゼン風景1

ひとり5分の持ち時間内で、自ら制作したコンセプトとデザイン案をプレゼンテーション。緊張感漂う中、15人のママが堂々とやり遂げた。

11月9日(水)、午前10時半。デジタルハリウッド福岡校の第三スタジオには、緊張した面持ちのママたちが続々と集まっていた。この日は、グラフィック課題の発表日。以前にも一度、グラフィックロゴの提案という形でプレゼンテーション実習を行ってはいたが、クライアントのオーダーに合わせてグラフィックを作り込み、コピーライティングも含めた本格的な課題提案をするのは今回が初めてだ。

「2期生は、ロールモデルとして1期生がいるので、目指す目標がはっきりしている人が多い」と語るのは、高橋政俊デジタルハリウッド福岡校校長。今期のママたちは、前職がグラフィックデザイナーやカメラマンなど、クリエイター系職種を経験している人もいる。時間と場所に縛られずに活躍できる幅をさらに広げるために、前職で鍛えたスキルにWebや最新の知識をプラスして、自分の価値を高めたいと考えているようだ。一方で、グラフィックもWebも初めて触れるというママも多い。Webグロースハッカーの世界は、Web制作の知識やスキルに長けた玄人だけが有利なのではなく、一般消費者にもっとも近い目線でサイトのデザインを見直せることが大事。特に、ママグロースハッカーに期待されているのは、これまで男性中心のWeb制作界では気づかなかった、ママならではの目線によるサイトの最適化。スキルの違いはあったとしても、チャンスは平等にある。今回の課題発表は、そんなグロースハッカーを目指す最初のステップ。2ヶ月間学んできたことを実際の提案に生かし、クライアントを説得する、実力が試される機会でもある。

課題内容は、リクルートジョブズが提供するサービス「とらばーゆ」「iction!みらい家計シミュレーション」をタウンワーク上で紹介する、誌面広告の作成。それぞれの課題には、約10枚に及ぶ説明資料と、制作に利用可能なロゴやグラフィックが提供され、ママたちがどちらか一つのサービスを選んで、課題制作に取り組む。プレゼン後、最終的に各1案に絞り込まれ、リクルートジョブズとの細かな校正作業を経て、実際に全国のタウンワーク誌に掲載されるのだ。プレゼンテーションに与えられた時間は、ひとり5分。その短い時間内で、発想の筋道、デザインの根拠、工夫した点などをわかりやすく伝える。課題といえど、これは実際の広告制作の流れと全て同じ。このように実戦に即した進め方を学べるのも、この講座の大きなウリの一つだ。

プレゼン自体が学びの場 真剣にメモを取るママたち

プレゼン風景2

同じ課題に対しても、アプローチの仕方は十人十色。それぞれの案と、案が出てきた筋道を知ることは、自らの制作のヒントにもなる。

さて、いよいよプレゼンテーションの開始。最初の8名は、「とらばーゆ」の広告案をプレゼン。とらばーゆの中でもオフィスワークの求人に絞った広告が課題ということで、とらばーゆのサービス特長だけでなく、オフィスワークを探している人の行動パターンを自分なりに読み解き、デザインに落とし込んでいる。

「ターゲットは20歳から29歳までの“さとり”世代。彼らは過剰な物欲がなく、恋愛も淡白で、レビューや口コミを重視する傾向があります」
「ペルソナは、仕事への意欲はあるものの体力面に不安を抱えている、アパレル勤務の女性。おしゃれ有名人の日記やSNSをチェックしているタイプです」
「AIDMA(アイドマ)の法則を使って、まず上段でユーザーの注意を引き、そこから下段へ視線を誘導しています」

緊張で声を震わせているママもいるものの、プレゼン中に出てくる言葉遣いはどれもプロ並みで、説得力がある。ちなみにペルソナとは、メインのターゲットとなる仮の人物像を細かく設定し、その人物にもっとも効果的に訴求するようにデザインや文章を作る、広告制作の手法。またAIDMAの法則とは、注意(Attention)→関心(Interest)→欲求(Desire)→記憶(Memory)→ 行動(Action)という、消費者の一連の行動心理を表した仮説のこと。どちらも専門的な内容だが、ママたちはすでに講座内で学んでおり、それらを早速実戦に生かした提案となった。

休憩を挟み、後半は7名が「iction!みらい家計シミュレーション」の広告案をプレゼン。こちらは家計に関する漠然とした不安を抱え、「いつかは働かなきゃ」と考えている主婦層へ、まずはこのサービスでシミュレーションしてみようと自然に促せるかどうかが提案のカギになる。

「家計など個人情報の入力への抵抗感を少なくするため、“登録不要”という言葉を強調しました」
「類似するサービスをいくつか試してみて、みらい家計シミュレーションの特徴と優位性を分析してみました」

普段から家計の管理を任されていることが多いママだからこそ、消費者の立場に立ったリアルな提案ができる。前半・後半とも、提案内容に関してはしっかりと練られており、現状のベストを尽くした印象だ。

講師や高橋校長による講評では、率直な評価点が述べられる一方、「この内容にこの書体はふさわしくない」「説明が足りず、情報が未消化で終わっていて、読者がストーリーを感じられない」など、厳しい指摘も多数。ママたちは、自分の案への指摘はもちろん、他のママのプレゼンや講評でも熱心にメモを取り、自分のスキル向上に生かそうとしていた。今後は、この場で示された改善点をもとに、実際の広告としての採用をめざし、引き続きブラッシュアップを行っていく。

合計3時間にわたった長丁場のプレゼンテーションも、全て終了。無事終えられた安堵感でリラックスした表情のママに、今日の感想を聞いてみた。

積み上げた努力を無駄にしない 自分らしい働き方を目指す

木村さんデザイン案完成画像

「今回の課題では、自分の得意なやり方で、大胆に攻めてみた」と語る木村さん。用意してきた言葉を読み上げるのではなく、語りかけるようなプレゼンもわかりやすかった。

木村さんは、9歳の息子と6歳の娘、3歳の息子をもつ3児の母。かつてはグラフィックデザイナーとして働いていたが、子育てのために現役を引退して、早10年。子どもにかかりきりの状態もひと段落し、在宅ワークの選択肢を検討した際、過去の経歴を生かせると考えて、この講座を受講し始めた。
「過去に経験があると言っても、10年間のブランクは長く、使うソフトも変わっていたので、不安がありました。講座が始まって2か月で、ようやくリハビリ期間を終えて、感覚を取り戻してきたところです」
かつてはクライアントと直に顔を突き合わせて、提案と修正を繰り返し、デザインを固めていった。だからこそ、改まった形で大勢の前でのプレゼンは、ほとんど経験がなかったという。
「予想以上に緊張して、前回(ロゴ課題発表)の時には声が震えました。その反省で、今回は自分らしく堂々とやってみようと思って。おかげで、プレゼン自体を楽しむことができました」
制作時には、初めにパッとビジュアルが浮かぶという彼女。今回も、大胆な写真使いと印象的なキャッチコピーで、大きなインパクトを残した。

有働さん

「自分が求人情報を見ていた時の視点を思い出しながら作った」という有働さん。「情報のそぎ落とし方が潔く、読み込まなくても直感的に理解できる」と高評価だった。

二人目のママは、小学3年生と2歳の息子をもつ有働さん。昨年4月に、夫の転勤で熊本から福岡に引っ越してきた。それを機に、長年正社員として勤めた事務職を退職。以後、働きたい気持ちはあるものの、やりがいのある仕事がなかなか見つからなかったという。この講座のことを去年知り、興味を持ったが、当時は子どもが1歳で手がかかることもあり断念。今年こそと思って応募し、受講資格を得た。
「デザインもWebも全くの素人です。この2か月で、ソフトの使い方などをいろいろと教えてもらってるんですが、まだ難しくて。今期の受講者は業界経験者もいて、いつもクラスメイトに助けてもらってます」
そうは言いながら、彼女が発表したデザイン案はシンプルでわかりやすく、経験2か月とは思えない見事なものだった。実際に、参加者とクライアントによる相互投票でも5位以内に入り、センスの良さを発揮した。
「今回の課題は、自分で点数をつけるとすると70点、プレゼンは50点ですね…。案を出している段階から迷い、家での時間もかなり使ってしまって。もっと効率よくこなせるようにならないと」
熊本で長年勤めていた会社を辞めざるを得なくなった時、積み上げてきたものを一気に失くしたように感じて、とても寂しい思いをしたという有働さん。これを機会に、しっかりと手に職をつけ、在宅で自分らしい働き方を見つけたいと語ってくれた。

スキルがある人もそうでない人も、9月の講座開始からコツコツと努力を続け、一定の成果を出した今回の提案。ここでの経験が、ママたちの成長をさらに加速させていく。この講座では今後、Webデザインをさらに2か月かけて学び、12月中旬にはWeb課題の中間発表、来年2月初旬にはWeb課題の最終発表を行うとのこと。彼女たちが飛躍していく姿を、このレポートでも引き続きフォローアップしていく予定だ。

集合写真

自ら制作したデザイン案を掲げて、記念撮影。2か月でここまで自分の表現ができるようになったママたちは、どこか誇らしげな表情。