“12人12色”のママたちが新たな舞台に挑戦

2016年06年17日

集合写真

講座や課題をともに乗り越えて笑顔を見せる卒業生たち。笑いあり、涙ありの感動的な卒業式となった


時間や場所に縛られない「新しい働き方」として、注目されるグロースハッカー。グロースハッカーとは、端的に言えばユーザーの声やマーケティングデータを分析し、サービスや商品、Webサイトなどに反映して価値を高める仕事のこと。ユーザー目線に立った改善を行うことで、ユーザー数や売上の向上を目指す。たとえばWebサイトなら、ボタンの配置や色を変えてユーザーがより使いやすいデザインを提案する役割を担う。

そんなグロースハッカーを育成するために行われた”Growth Hack for Womenプロジェクト”。その一環で、2015年9月から7ヶ月間に渡ってデジタルハリウッド福岡校で行われた「ママ向けWebグロースハッカー養成講座(7ヶ月間)」が先日修了し、5月11日(水)に修了式が執り行われた。

思い出の教室で高橋政俊校長より、卒業生一人ずつに卒業証書が手渡された。
今回の養成講座を受講した1期生は12人。年齢は20代~40代と幅広く、前職も事務職、エンジニア、ダンス講師、保育士、ベビーマッサージ師、エステティシャンなどさまざま。そんな彼女たちに共通するのが、“子育て中”であるということ。お互いを励まし合い、笑いあり涙ありの和やかな雰囲気で式は進行。途中で養成講座期間中に挑戦したグロースハックの成果も発表された。デザイン案が企業から採用された受講者も多く、実際にサイトの効果改善の結果を確認するなど、彼女たちの顔からは自信さえ感じることができた。

卒業生たちは、仲間たちで乗り越えた課題やこれまでの思い出を振り返り、涙ながらに語っていた。家庭での役割と養成講座の課題を両立するのは決して楽ではなかったと話す修了生たち。だが仲間と一緒に乗り越えて「挑戦してよかった」と多くの卒業生たちが話していたのが印象的であった。

修了後の進路は、フリーランスとしての活躍や、職場への就職などさまざま。今年、卒業生たちはデジタルハリウッド福岡校の高橋政俊校長と新たにママグロースハックユニット「Mama Growth Hackerz(ママグロースハッカーズ)」を結成。修了生のうち9名は、そこに参加して活躍をはじめている。養成講座は終わってしまっても、助け合った仲間の絆は今後も続いていきそうだと卒業生たちは話す。

将来を見据えて考え始めたフリーランスの道

20代、アメリカの短大を卒業したあと日本で広告代理店のグラフィックデザイナーとして活躍していたという平石さん。その後、インテリアコーディネーターを経て、設計事務所で集合住宅や戸建住宅の設計などの仕事をしていた。しかし、このまま会社員として働くことに不安を感じることもあったそうだ。

平石さん

会社員からグロースハッカーへの道を歩み始めた平石さん。ほかのママの子育ての相談を聞くなど、チームでは頼られる存在だった

「現在、高校生の娘の将来を考えて少しでも蓄えを増やしておきたかったですし、将来的に親を介護する必要もあるので、そのまま会社員として働くのは厳しいかと思っていました」

会社員として働いていた頃は、家庭でやることも多くなり、双方のバランスを取るのが困難な時期があったそうだ。そこで、平石さんが考え始めたのがフリーランスで働くという選択肢だった。手始めにデジタルハリウッドの説明会に足を運んだとのこと。

「フリーランスとして活躍するためには、+αのWebデザインができなければならないと思っていました。それにイラストレーターやフォトショップのスキルをもっとブラッシュアップをしたいという思いもあったので説明会へ参加したんです。ただ、年齢的にWeb業界に入るには少し不安もありました。それに、授業料も安くないのでどうしようかと悩んでいました」

悶々とする日々を過ごしていた平石さんに、ある日一通のメールが届いた。それがデジタルハリウッドからの「ママ向け講座」についてのお知らせであった。授業料も20万円と通常講座よりも低い価格となっており、これなら参加できそうだと思ったと平石さん。

「娘が今回は『お母さんがやりたいなら、私のために我慢してほしくない。お母さんがイキイキとしている姿がかっこいい』といって応援してくれたんです。今しかできないことをしたいと思い参加することを決めました」

同じ境遇の仲間がいるから苦難も乗り越えられる

愛する娘に背中を押され、大きな一歩を踏み出した平石さん。会社の都合もあり、講座がスタートした当初はインテリアコーディネーターの仕事をしながらの参加であった。会社員、受講者、母親という“三足のわらじを履く”忙しい生活。それなりのストレスは抱えていたものの、自分の進みたい道を歩んでいる喜びに楽しい毎日を過ごせていたそうだ。そして、何よりも心強かったのが仲間の存在。

「みんなママで同じような境遇の人たちと学べるのは本当に心強かったですね。授業の内容でわからないことがあれば互いに教えあい、励まし合っていました。時には休憩室で盛り上がりすぎて、『静かにしてください』『声のトーンを落としてください』と先生方に注意されることも度々ありました。でも、そんなたわいの無い話しで盛り上がることからアイデアが出ることもあったんです」

もし、自分一人だけだったら投げ出していたかもしれないと笑顔で話す平石さん。授業内容以外にも、子育てや家庭のこと、さらにはグルメ情報やお得な生活情報など、みんなで集まると、様々な話をしていたそうだ。

「娘が高校生ということもあり、皆さんの子育ての相談などを聞くことが多かったのですが、話を聞くだけでリフレッシュできましたね」

「学び」だけではなく「機会」も与えてくれる

平石さん2

子育てや介護など、ライフステージによって働き方が変わっていく中で、グロースハッカーという選択肢はメリットが多いのではないかと話してくれた

また、この講座に通うようになり平石さん自身大きく変わったことがある。それは仕事に対する向き合い方だ。会社に属していれば、困ったことや悩んだことがあればすぐに誰かに頼ることができる。しかしフリーランスとなればすべて自己責任で解決しなければならない。プレッシャーはかかるが、今まで以上にいいものを作らなければという気持ちが芽生えたそうだ。

さらに、フリーランスという働き方は、女性にとって魅力的な働き方ではないのかと平石さんは話す。

「女性の働き方はライフステージによって大きく変わってきます。それに柔軟に対応できるフリーランスという働き方は非常にいいと思いました。もちろんプレッシャーはあると思いますし、1人で始めるのは不安だと思います。ただ、”Growth Hack for Womenプロジェクト”「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」なら、同じ目標を持つ仲間ができますし、修了後に仕事を受けられる仕組みも提供してくれるので、非常に始めやすいと思いますよ」

平石さんも、今後はママグロースハッカーズの一員として、プロジェクトを支援するKaizen Platformからの仕事や企業のWebデザイン、ロゴデザイン等の仕事を担っていきたいそうだ。

「女性目線や今までの経験を生かして、世の中をよりよくしていく仕事をしていきたいです」 と、力強く語ってくれた。

子育てと仕事の両立を考え、フリーランスとして生きる道を選択

「フルタイムで企業に勤めるのか、このままフリーランスとして働くのか悩んでいました」

里川さん

親子で接する時間をより大事にするために、フリーランスの働き方を考え始めた里川さん

そう話すのは、フリーライターとして活動をしている里川さん。大学時代から地元熊本県の出版社で編集アシスタントとしてアルバイトを経験。また、大学生編集長として所属し、学園祭の取材やゲームセンターのプロデュースを担うなど、学生の頃より出版業界に携わってきた。

そんな里川さんは大学卒業後、新聞社の発行する生活情報紙でライターとしての道を歩み始めた。取材や撮影をはじめ、クライアントのアフターフォロー、校正作業を担当。順調にキャリアを積んでいったが、結婚・出産を機に退職することに。

「当初は、専業主婦として子育てに専念していましたが、運よく認可保育園に入園することができて。それで、もう一度働きたいなと思っていました。ただ7時〜19時まで子どもを預けて、親子で接する時間が少なくなってしまうのは、自分の中で迷いがありました」

そこでまずは、空いた時間を活用してできるフリーランスのライターとして、活動を再開するようになった。主に、子育て情報誌で毎月2〜3コーナーを担当。毎月企画案や取材先リストを持ち寄り採用されたものを取材するという形式で仕事をこなしていた。

「幼稚園や保育園へアポイントメントをとって取材をしたり、子どもやママの病気についてドクターに取材を行っていました。ほかにも、企業とのタイアップ記事を制作していました」

少しずつフリーライターとして活躍の場を増やしていった里川さんだが、心の中でどこか不安を感じていたという。

「このままフリーランスとして働くのか、企業に属して働いた方がいいのか悩んでいました」

実際に、フリーランスとして働く一方で、転職活動も行っていた里川さん。金融機関の事務として内定までいただいていたそうだ。それでも悩み続けていたのだとか。

そんなとき、彼女が出会ったのが”Growth Hack for Womenプロジェクト”「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」の告知だった。何気なく見ていたサイトに出ていた「子育てママ」「在宅」「Webデザイン」の文字に自然に体が反応した。気がついたらバナーをクリックし、真剣に情報を見ていたという里川さん。”Growth Hack for Womenプロジェクト”「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」の取り組み内容はもちろんのこと、金銭的にも大きな負担がかからないと思い、その場で申し込みを決意したそうだ。

「『周りはみんなママ』『卒業後の就労支援』『学費が20万円』というキーワードが決め手でした。この講座がきっかけで、一歩を踏み出すことができました」

笑いあり涙ありの濃密な7ヶ月間

こうして”Growth Hack for Womenプロジェクト”「ママ向けWebグロースハッカー養成講座」に参加することになった里川さん。講座では1回2時間、週2回の授業が行われていたが、それでは追いつけないほど早いペースで授業が進んでいった。加えて、里川さんはライターの仕事は続けていたため、授業に参加できないこともあったそうだ。しかし、同講座では動画で授業をフォローできる体制を整えていたので、移動中の時間を活用して動画で勉強をしていたとのこと。

「課題も多く、子どもを寝付かせた後に制作課題に取り組んでいました。時には深夜まで課題に取り組むことも。さらに休日は制作課題のため夫に子どもを見てもらわなければならない日が多くなってしまうなど、正直言って、しんどいこともありました」

そんな里川さんを救ってくれたのが、学びを共にしてきた仲間である。お互い励まし合い、この7ヶ月間を乗り越えたそうだ。

「授業後のランチ会やFacebookでグループをつくってコミュニケーションをしていました。学校のことはもちろんですが、仕事のことや家のこと、更には子どものことから園選びに至るまで、何から何まで話していました。時にはトークが白熱しすぎて先生たちに注意されることもありました(笑)」

この講座では、実在する企業の案件を手がけるほど本格的な授業が行われていた。その際も、里川さんたちは和気あいあいと雑談をしながら仕事を進めていったそうだ。夫とささいなことで言い合いになった時も「分かる分かる」「こうしたらいいよ!」とアドバイスをもらったりするなど、同期として固い絆で結ばれていった。

「講座を通じて、同じ目的に向けて頑張れる仲間ができたのは本当に心強かったです」

グロースハッカー&ライター、どちらも楽しみたい

里川さん2

これまでのバックグラウンドであるライターの仕事とグロースハッカーの両方で、自分らしいスタイルで仕事をしていきたいと話してくれた

実は今回のプロジェクトに参加する際、夫に反対されたそうだ。

「すでにフルタイムの仕事が決まっていたので、はじめは反対されました。でも、家に居ながら仕事ができる点、就労支援がある点などを説明して納得してもらいました。また、課題で作ったWebサイトやタウンワークに掲載された『とらばーゆFashionアプリの誌面広告』のデザインを見せると、どんどん認めてくれるようになって」

離れて暮らす両親や義理の両親からは、「家で仕事ができるなんてすごいね!」と、この働き方なら子育てに重きをおけることを喜んでくれたそうだ。そんな里川さんだが、最近、夫の仕事の都合で急な引越しが決まってしまった。それまで通っていた保育園に娘を通わすことができず、退園することになってしまった。

「“在宅でできる仕事”を目標に勉強していて本当に良かったと思いました。今後は、グロースハックのお仕事や「ママグロースハッカーズ」としてのチームのお仕事をメインに、ライター業は在宅でできる仕事に絞っていきたいと思います。少し子どもの手が離れたら、収入に制限をかけずグロースハッカー&ライターの二本柱でフルタイム並に活躍できるようになりたいです」