ハートマーケットで働く:私のキャリアストーリー

2016年04月21日
カジュアルウェアを中心に、幅広い年代が“ドキドキワクワクする服”を提供するアパレルブランド、ハートマーケットで店長を務める櫻井美香さん。「何がやりたいかわからない」時期を経て、本当にやりたかった仕事と出会うまでのストーリーは仕事に迷っている人ならば、きっと参考になるはずです。

会社が倒産したからこそ、今の仕事に出会えた
マイナスをプラスに変えて再出発!

ハートマーケット
イオンモール浦和美園店 店長
櫻井美香さん(31歳)

ハートマーケット イオンモール浦和美園店 店長 櫻井美香さん

Profile●1985年生まれ。高校卒業後、地元のホテルに就職するが仕事内容に不満を感じ半年で退職。その後、派遣会社へ登録し、さまざまな仕事を経験する。24歳で大好きだったハートマーケットへ正社員として入社し2年後には浦和美園店の店長となり現在5年目。この春から別店舗への異動が決まっている。オン&オフともにハートマーケットの洋服を愛用する根っからのファン。

“やりたい”からではなく“仕事だから”やっていた
「自分は何がやりたいのかわからない」。転職活動をするうえで、そんな思いにぶつかった人は多いのではないだろうか。櫻井さんもそのひとり。ただ、櫻井さんが心に決めていたことは「早く働いて自立したい」という思いだ。

「姉が高校卒業後にすぐ働いて自立していたので、かっこいいなと思いました。ですから、私も高校卒業後は就職。ただ、何がやりたいかはっきりした意思がなくて、高校の先生が薦めてくれた地元のホテルに就職しました」

受付で入ったはずなのに任される仕事は宴会場のホールばかり。仕事への不満と体力的なつらさが原因で半年で退職。その後“とにかく働かなければ”という思いから派遣会社へ登録し、実にさまざまな仕事を経験する。

「洋服の検品から食品工場での作業、パチンコ台の組み立てなど、1週間~1カ月ごとにいろいろな会社へ派遣されて仕事をしていました。ただ、当時は仕事が入ってきたから、働くという感じで、自分の中であまりやりがいを感じられなくて。でも、その中でやっと“楽しい”と思える仕事と出会ったのです」

それはインターネット回線の訪問営業。飛び込みで個人宅を回るという一見、ハードにも見えるこの仕事は櫻井さんにとって、初めて面白いと感じたという。「お客さまと直接、お話しすることがすごく楽しかったんです。私にとっては初めてのじっくり話す接客。お客さまの顔を見ながら、相談に乗ったりアドバイスをしたりという人とのつながりを感じられる仕事内容がとても魅力的でした。そのうえでお客さまが納得して契約へ結びつく過程にやりがいを感じました」

その仕事も契約が終わり、今までの働きぶりが認められた櫻井さんは派遣元の企業の内勤にスカウトされて4年間アルバイトをする。しかし、幕切れは派遣会社の倒産というあっけないものだった。ところが、この最悪な出来事が櫻井さんにとって最高の一歩を踏み出す結果になったのだ。

仕事風景

接客のほかにもパンツの裾上げなども仕事内容の一つ。「まっすぐ縫えるまで何回も練習しました。今では10分ぐらいで裾上げできるようになりました」

店長になり泣いてばかりの毎日。でも、好きだから続けられた
ハートマーケットは櫻井さんの大好きなお店だった。「店員さんがかわいい着こなしで参考になるし、いつも元気で明るい。このお店に遊びに来るとパワーがもらえる、そんなショップでした」。

「次は何の仕事をしよう」そう考えた時に、思い浮かんだのは初めて面白さを感じた接客の仕事。そんな時にハートマーケットで正社員募集の広告を目にする。

「ここしかないと思いました。好きなお店で楽しいと感じた接客の仕事ができるという期待に胸を膨らませて入社をしました」

その思い通り、初めての接客業ではあったが、持ち前の明るい人柄や丁寧な接客に常連客がどんどんついた。初めて仕事を心から楽しいと感じた櫻井さんに転機が訪れたのは入社して2年目。店長に抜擢されたのだ。

「浦和美園店のオープニングで店長という大役を任されました。ここで初めて仕事の難しさや大変さを痛感したのです」

これまで接客を中心にしてきた櫻井さんはディスプレイや人材育成など、それ以外の業務にはあまり関わってこなかった。それが店長となって、改めて今までの仕事の甘さに気付いたという。

「今だから言えますが、最初は泣いてばかりでした(笑)。接客のことはスタッフに教えられるけど、ディスプレイや具体的な教育になるとまったく言葉が出ない。その自信のなさから、スタッフに指導するときも上から目線で言ってしまったりして、コミュニケーションがギクシャクしていくのがわかりました」

そんな櫻井さんを助けてくれたのは本社のマネージャーだったという。店長として思うような結果を出せない櫻井さんを責めるのではなく、良い方向へ導こうとアドバイスを何度もしてくれた。

「自分の行動は自分ではわからないことも多いですから、客観的に見た冷静なアドバイスはすごく勉強になりました。効果的なディスプレイの方法から、後輩の育成方法などを教えてくれただけでなく、新人店長である私の悩みを根気強く聞いていただいて本当に救われました。悩みを打ち明けられる人がいることは、とても心の支えになるんだと実感しましたね。アドバイスの後に温かい励ましの言葉を添えてくれ、心身ともに支えられ感謝しています」

この経験で櫻井さん自身は学んだ。良かれと思ったアドバイスも上から責めたてるようでは人の心には響かない。同じ目線で相手の話も聞きながら、前向きに引っ張っていくことが店長の仕事であると。

「店長になって4年ですが、今ではスタッフ間のコミュニケーションもうまくいき、店舗運営も順調です。今の仕事は派遣時代より大変かもしれません。でも、その分、比較にならないほどのやりがいや楽しさを感じることができます。やりたい仕事だからこそつらさも大変さも乗り越えられるんですよね」

この春、櫻井さんは店長の手腕が認められ、別店舗で新メンバーの育成を担当することになるという。やりたい仕事を見つけた人は強い。そう思った。

仕事アイテム

店頭に立つときはハートマーケットの服を着用。「お客さまの着こなしの参考になるように心がけています。今ではプライベートもほぼハートマーケットの服です(笑)」

◆キャリアステップ

18歳:高校卒業後ホテルに就職(社会人1年目)
高校を卒業後、先生から薦められるがままに地元のホテルに就職。受付配属のはずが宴会場のホールを任され、ハードな仕事内容に疲れてしまい半年で退職。

19歳:派遣会社に登録(社会人1年目)
大手派遣会社に登録して倉庫スタッフや食品工場、組み立て製造、訪問販売の仕事などを転々とする。主に繁忙期のヘルプのため1週間から長くても1カ月程度で仕事が変わっていた。

20歳:派遣会社の内勤アルバイトにスカウト(社会人2年目)
働きぶりが認められ派遣会社の人から声をかけられアルバイトで内勤に。クライアント先とのやりとりや、派遣スタッフへの連絡などを中心に事務作業を行う。

24歳:ハートマーケットへ正社員として入社(社会人6年目)
派遣会社が倒産して職をなくす。仕事を探していたところ、ハートマーケットの正社員募集の広告を見つけて応募。見事、合格して地元、茨城県のショップに配属。

26歳:店長に抜擢され浦和美園店へ(社会人8年目)
茨城県のショップに2年勤めた後、店長として浦和美園店のオープニングに携わる。初めての業務に悪戦苦闘しつつ、今では頼られる店長としてスタッフとのコミュニケーションも良好。

◆企業概要

有限会社ハートマーケット
〒371-0046 群馬県前橋市川原町1-28-7
027-219-0550

自社オリジナルブランドのほか国内外のブランド商品も手掛ける総合アパレル企業。「Noエイジ、Noジャンル」をコンセプトに幅広い世代のお客さまにファッションを提供している。