株式会社エービーシー・マートで働く:私のキャリアストーリー

2016年01月28日
スニーカーからレディースまで幅広いジャンルのシューズを販売するABC-MART。ここでアルバイトから正社員となり、そして現在では店長となった西野恵美さん。順調なキャリアステップを踏んできたが、ここまでくるには彼女ならではの戦略があったそう。そのキャリアアップの心得を聞いてみた。

アルバイトから社員、そして店長へ
キャリアアップの秘訣は思ったら、即行動

株式会社エービーシー・マート
ららぽーと柏の葉店 店長
西野恵美さん(28歳)

株式会社エービーシー・マート ららぽーと柏の葉店 店長西野恵美さん

Profile●1988年生まれ。高校卒業後、サービススタッフを目指すためホテル専門学校に入学。しかし、合わないと感じて半年で退学しアパレルショップの販売員に。3カ月勤務した後、居酒屋のアルバイトで1年半、ABC-MARTのアルバイトを3年半経験。22歳で正社員となり千葉、東京の店舗を回り、昨年、ららぽーと柏の葉店で店長を任される。

軽い気持ちでABC-MARTでアルバイトを始めた10代
これまでのキャリアは?と西野さんに聞くと「20代前半まではけっこうフラフラしていたんですよ」と笑う。高校を卒業後、ホテル業界の就職を目指し専門学校に入学するが半年で中退。その後、大好きだったファッションの世界に入りたいとレディースブランドでアパレルの販売のアルバイトにつくものの、女性ばかりの職場環境が合わないと感じ3カ月で辞めてしまう。そんな彼女を心配して友人が誘ってくれた居酒屋のアルバイトで1年半。しかし、夕方から深夜までの昼夜逆転の勤務に身体がついていかなかった。

「このバイトも長く続けられないなと思っていたときに居酒屋と同じビルにABC-MARTが入っていたんです。スタッフが明るく楽しそうに働いていたことと、すごくタイプの店員さんがいたこともあって(笑)、ここで働いたら面白いかなと思いABC-MARTでアルバイトを始めました」

19歳の西野さんにとってABC-MARTに入ったのはあくまでアルバイトのつなぎで、正社員になるなんてまるで考えていなかった。でも、どのアルバイトでも共通していたのは“接客が好き”という思い。

「人見知りですけど、話すことも聞くことも好きなんですよ。少し気持ちが落ち込んでいるときでも接客をすると心が安定するぐらい好きで。一見、少し怖そうな人や気難しそうに見える人でも声をかけると靴に対する悩みを持っていたりと話さないとわからないことがたくさんあります。多くの人の声を聞きたい気持ちで積極的に声をかけていたら少しずつ顧客さまもついてきました。そうするとやりがいになってどんどん楽しくなってきたんですよね」

しかし、やりがいが増えてきた分、不満も出てきた。「アルバイトは社員に比べて任される仕事の範囲がどうしても狭くなります。在庫を出し入れすることはできても、新規でオーダーはできなかったり。それが不満で若干、仕事への熱量が減ってきたときに当時の店長から『正社員になったら?』と言われたのです。今思えば、私の士気が下がっていたから、新たな目標を与えてくれたんでしょうね」

そして西野さんは社内の正社員登用面談を受け、22歳でABC-MARTの社員となった。

仕事風景

店長となった今も積極的に接客を行う。「何店舗もあるABC-MARTの中でもららぽーと柏の葉店で買いたいと思われるような接客をすることがモットーです」

異動した店舗での出会いがさらなるキャリアアップを決意させた
正社員で配属された店舗はレディースシューズがメインの店舗。スニーカーを扱いたかった西野さんは少々、気落ちしたものの、ここで結果を出せば必ずキャリアにつながると前向きに考えた。ただ、それ以外にも大きな問題があったという。

「とても狭い店舗だったので、シューズを置く場所も少なくレイアウトに頭を悩ませました。立地や店舗によりお客さまの流れは異なります。その流れを見越して、売れる商品を仕入れてレイアウトを考えたり、売れ筋商品の価格を下げて購入につなげるよう考えるのは社員の重要な役目。狭い店舗でどんな靴を置けばお客さまに注目をしてもらえるかを常に考え、毎日商品を入れ替えていました」

思ったら即、行動が基本という西野さん。躊躇なく本社に電話をして「あの商品が欲しい、この商品を安くしたい」と希望を伝え続けていた。「本社に連絡するのを嫌がる人も多いですが、私は考えを直接伝えたいタイプ。伝えれば必ず動いてくれる会社ですから、モチベーションもあがります。そして、自分の読みが当たって商品が売れたときの楽しさはたまらないものがありますよ(笑)」。

社員になって1年たったころ、大きな出会いがあった。「異動した店舗の店長との出会いが私のキャリアを変えました。店舗売り上げやスタッフの指導、すべてにおいて完璧で、店長が言うなら間違いがないと思えるほど説得力のある仕事ぶりだったのです。“自分もこんな店長になりたい”と思い、キャリアアップを目指すようになりました」

西野さんが店長を目指すにあたって大切にしたのは売り上げと同時にスタッフの育成。「売り上げを生み出すのは人です。同じ商品で同じ価格のものがあったときに、最終的に選ぶのは接客してくれたスタッフの人柄だと思うのです。女性だからこそ気が付く細やかな視点で接客方法を教えていきました」。

その努力は実り、昨年、店長に昇格した。女性店長はまだ少ないそうだが、今後は会社をあげて女性の店長を増やす取り組みを続けている。「私がその突破口を開いた感じですね。育休や産休の制度も整っていますし、育児と両立しやすいよう時短勤務も推奨しています。私自身がライフスタイルが変わっても女性店長として活躍して、背中を見せていきたいと思っているんですよ」。

商品

西野さんが個人的にも好きなブランドVANS。女性でもスニーカーを履くのがトレンドになってからは女性客も多く、女性のスタッフが選ばれることが多いそう。

◆キャリアステップ

18歳:アルバイトを転々とする(社会人1年目)
専門学校を半年で中退し、アパレルのバイトで販売を担当するが、女性だけの職場に居づらさを感じて3カ月で退職。その後、居酒屋で1年半、ホールスタッフのバイトをする。

19歳:ABC-MARTにアルバイト入社(社会人2年目)
居酒屋と同じビルに入っていたABC-MARTに親近感を持ちバイト入社。オープニングスタッフとして地元から近い店舗に配属される。

22歳:正社員に昇格(社会人5年目)
当時働いていた店舗の店長にすすめられ正社員登用面談を受ける。見事、合格して正社員に。千葉県の柏店に配属された後、北千住ルミネ店で売り上げを伸ばし評価される。

27歳:店長となりららぽーと柏の葉店へ(社会人10年目)
リーダー、サブ店長を経て、念願の店長へ昇格。ファミリー層がターゲットのららぽーと柏の葉店へ異動となり手腕を発揮。スタッフから愛される店長として有名に。

◆企業概要

株式会社エービーシー・マート
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティウェスト19F
03-3476-5650(代)

1985年、靴と衣料の輸入販売商社からスタートし、現在では国内外で1000店舗以上を展開している。「VANS」「HAWKINS」などを自社ブランドとして取り扱い、アパレルの新業態店舗のオープンなど飛躍し続けている。