U29(ユニーク) 女子プロジェクト

実行してこそ、一生ものの“心がけ”! 明治時代の女性から教わる7つの「品」あるたしなみ

気品ある女性になるための、女子のたしなみ

女子のたしなみイメージ

“女性らしさ”とは一体何を指すのか、考えたことはありますか?
それは「気品」にあると言うのは、武家の娘として育った祖母をもつ石川真理子さん。
祖母のように、明治時代に生きた女性こそ気品に満ち溢れていたのでは、と考えた石川さんは、著書『女子の教養(たしなみ)』で、祖母の50の教えを紹介しています。
今回はその中から、しゃんと背筋の伸びるような7つのたしなみをピックアップしました。

 

日常で取り入れられる「品」のある所作

1:美人になりたいのなら目をきれいになさい。遠い目を基本に、気品ある目遣いをなさい

『美人は目次第だから、美人になりたいのなら目をきれいになさい。目には心ばえがあらわれるのだから、明るくきれいな目になりたかったら、明るくきれいな心でおりなさい
(中略)
祖母は「美人は目次第」と言いながら、心を磨くことの大切さを教えたのです。』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

「目をきれいに」と言われると、アイメイクのことを考えてしまいがち。確かに目を大きく見せたり、華やかにメイクを施したりすることも大切ですが、目の奥の輝きや眼差しは、それだけでは変えることはできません。石川さんもそのおばあさんも、目を美しくするために磨くべくは心ばえ、つまりは内面的な美しさだと説いています。

また、目に内面の美しさがあらわれるのであれば、目遣いに意識をやることによって、内面も磨かれていくということになります。
著者の石川さんは、おばあさんに教わったことで最も役に立ったのは「遠い目」だと言います。

『「すぐ目の前を見るんじゃなくて、五メートルくらい先を見てごらん。もし壁や襖があっても、それを通り越すようなつもりで遠くを見やるのです」』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

遠くを見渡す目遣いは視界を広げ、さらに腹式呼吸と組み合わせると心が落ち着くという利点があります。さらに、大勢の前で話すときなどは、相手の目をじっと見る、もしくは視線が定まらないよりも、相手に「話しやすい」という印象を抱いてもらえることもあるそう。
加えて「目を動かすときは、顔も同時にゆったりと動かす」ときれいな仕草、「眉間に力をいれないよう、眉をひらく」と親しみやすさが身に付けられます。

 

働く女子としてものにしたい「しなやかさ」

2:言われなくても自分から動く、気はしのきく人におなりなさい

言われたこと、お願いされたことにはできる限りすぐ対応するということは、小さい頃から教えられてきた人もいれば、社会人になって強く意識している人もいると思います。

ですが、言われてからするというのは最低限のマナーであって、大人として十分な振る舞いではありません。お給料も別に変わらないのに、余計な仕事を自ら増やすなんてめんどくさい……とついつい思ってしまいがちですが、そこを乗り越えて「言われる前にやる」を繰り返し実践していくことが、長い目で見るととても大切になってくるのです。

『「自分の考えでもって自分から動ける人におなり。気はしのきく人におなりなさい。それは必ず役に立つはずだよ。家事でも仕事でも、おんなじだからね」
 仕事のできる人というのは、どんな些細なことにもチャンスを見出すといわれています。気はしがきくことは瞬時の機会を生かせる人でもあるのでしょう。』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

「情けは人の為ならず」という言葉がありますよね。誰だって、自分がやらなくても誰かがやってくれるような仕事を引き受けたり、見返りがないのに親切にするのはおっくうなものです。
ですが、そういったことを積み重ねることで、希望する仕事のチャンスをもらえたり、困った時に助けてもらえたりといったことが巡り巡って必ずやってくるのです。

気付いてはいるけどやっていない。そんな仕事があったらすぐに手をつけましょう。短期的に手間を省くことよりも、長期的に自分が得るものにぜひ目を向けてほしいと思います。

3:言いつけや言づけに対しては、まずは「ハイ」と答えなさい

『祖母や両親からの言いつけに対する返事は「ハイ」しかありませんでした。兄や姉でも同じです。我が家では上下関係がそれくらいはっきりしていました。
 ただし、自分の意見が言えないわけではありません。むしろ、自分の考えはきちんと相手に伝えるように教えられました。そのためにも「ハイ」と受け入れることが肝心だとされたのです。』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

例えば、仕事が立て込んでいて忙しい時に限って、上司から「これやっといて」とポンと渡される仕事。重要なものではなく、時には雑用であるかもしれません。ある程度の職場関係が築かれると、「ちょっと今忙しいので……」と、思わず口に出してしまうかもしれませんが、そこはぐっと堪えて、まずは「ハイ」と返事をしましょう。

また、仕事の中では明らかに時間が足りなかったり、適切ではない意見を押しつけられたりと、無理なお願いをされる場面も多いでしょう。そんな時に言いがちなのが「ですが…」という言葉。実はこのように否定の発言で返事を始めると、相手もムキになってしまい、反論をしようという構えになってしまいます。そこで、まずは「ハイ」と言って相手を尊重する意思を示すことが大切です。

『言われたことや相手の意見をまず肯定することによって、相手に自分の意見を受け入れてもらいやすくなるようです。
(中略)
 まず肯定し、それから交渉する。この順序を守ることが他者との間に余計な摩擦を起こさない結果につながります。』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

4:「でも」と「だって」は言わないこと。言い訳するほど品性が下がるものですよ

『「一度すると決めたことについて、ああでもないこうでもないと言うものではないんだよ。ましてすると言ってできなかったことに、でももだってもないからね。そういう態度は弱腰といってね、おのれの弱さをごまかすために口を動かしているにすぎないのですよ」』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

上司と話し合って設定した目標。もちろん達成できるのがベストですが、あと一歩というところで目標に届かないことも。そういったとき、あなたはどうやってそれを上司に報告していますか?
「元々無理な目標だったから」「途中で他のプロジェクトも掛け持つことになって、時間が足りなかったから」。色々と理由はあると思いますが、自分本位で保身のために口に出るのは、完全なる「言い訳」になってしまいます。

誰だって怒られるのは嫌です。良くない報告をするときにはいかに自分が怒られないようにと、言い訳ばかりが思い浮かんでしまいます。でも、上司の気持ちになって少し考えれば分かりますが、こういった言い訳は聞いていても気持ち良くないですよね。

自分に非があると感じたときは「言い訳」をつらつら言うのではなくて、まず、潔く謝りましょう。その上で、今後どうすれば良いのかの改善策を話すのです。仕事を進める上で大事なのは「責任の追及」ではなく「原因の分析」。怒られるのを避けるのではなく、目線を上げて、少しでも仕事を前に進める勇気をもってください。

5:厳しい意見を避けるのはもったいないこと。大事なものを自分から放り出すようなものですよ

『「厳しい意見を避けるのはもったいないことだよ。学ぶ機会を自分で放り出してしまっているのとおんなじなんだからね。だから、ちゃんと真心から聞くようにするのですよ」
(中略)
先生から叱られたとか、お友達から嫌なことを言われたとか、そうしたときに教えられたことです。「ハイ」と言いながら心の奥では意固地になっていました』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

知らず知らずになまけていることや自分の欠点など、内心耳が痛いような厳しい意見を言われること。誰でも、何歳になっても避けたいことですね。ついつい受け流したり、都合のいい解釈でごまかしたりしてしまいます。しかし、そんな厳しい意見は自分を良くしてくれる大切な助言だと気付きましょう。プライドを捨てて真っ直ぐに受け入れるべきなのです。

『自分本位でい続ければ、厳しい意見は自分を否定する嫌な言葉でしかありません。けれど、相手がどんな思いでそのようなことを口にするのか、言わざるを得ないのかを想像してみれば、言葉の向こうにある思いやりに気づきます。
(中略)
 言わずに済ませるほうが楽ですが、それでは相手に対して不誠実になります。相手が大事な人であればあるほど、不誠実なことはできなくなるものです。つまり、厳しい意見を言ってくれる人ほど、自分のことを親身になって考えてくれる大切な人だということなのです。』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

そうはいっても、中には親身になって言ってくれているとは言いがたい、悪意を感じる嫌な言葉もありますよね。そういった場合でさえも、石川さんは、素直に聞き入れるのがベストだと考えます。

『いきり立つのも必要以上に落ち込むのも、確かにみじめで仕方ありません。透明な水のような素直さで、嫌な思いさえも浄化できるようになりたいものです。』 

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

嫌味に対して嫌味を返すのではなく、受け入れることから始めてみましょう。そうするといつの間にか「受け流す」という対応がとれるようになり、悪意でさえも水のようにさらさらと心を通り過ぎるようになっていきます。

 

必要以上に悩みこまない「明るさ」

6:一本筋が通っていれば自分の歩き方でいい。転んで得たものは次の一手になる

『「筋が通っていれば、歩き方など本人が決めればよい。走りたいなら走り、歩きたいなら歩けばいい。人の進み方を真似て何になりますか」
そして、その結果つまずいても、それはそれでかまわないと言うのです。多少のつまずきなどどうということもなく、かえってそれは益になるとさえしました。
「大いに転びなさい。転ばなければ拾えないものがあるものだよ。転びもせずに歩き続けるなんて、たいそう気の毒なこと。何ひとつ拾わずに通り過ぎてしまうのだからね」』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

人生の転換期であるU29女子世代は、転職、結婚、独立、はたまた思い切って留学などなど、迷うことも多いでしょう。「何歳までにやらないとだめなんじゃないか」とか、「わたしの考えって変なんじゃないか」とか、なんとなく考えてしまいませんか。また、いざ踏み出して失敗して、取り返しがつかなかったらどうしよう。そんな風に考えてしまうことはありませんか。

しかし、どんな道を選んだとしてもそれはあなたの道です。他人の意見を気にしすぎたり、失敗を恐れて行動を避けるのはやめましょう。転んでも道を外れても、ちょっとくらいなら大丈夫です。同じ人生なら、何事も起こらずにすーっと通りぬけてしまうのではなくて、たくさん転んでたくさん拾うような人生がいいですよね。

7:受け入れがたいことも、受け入れなさい。そうすればどうにでもなるから

『「受け入れがたいことも、受け入れてごらん。悩むのは、ほんとうには受け入れていないからだよ」
「嫌なことでも避けて通らずに、嫌なことの中に飛び込んでごらん。どのみち、何ごとも避けて通れるなんてことはないんだから」』

『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)より

自分の本来の趣旨とは反すると思う仕事、ありませんか?
気乗りしないし、体も重く感じられて、私はこんなことするためにこの仕事を選んだわけじゃないのに……という状態に陥ることも。あまり思いつめてしまうと、日々の出社がつらくなってきて、早く時間がすぎないかな、なんてことばかり考えてしまいますね。もちろん、自分の本心と向き合うことは大切ですが、そうやって、もんもんとした気持ちで過ぎ去ってしまう時間は、実にもったいないです。

この停滞期から抜けるためには、「受け入れがたいこと(与えられた仕事)を受け入れてしまうこと」、これがポイントです。時間を大いに使って、やらない理由をうじうじと考えるよりも、まず受け入れ、その仕事に体当たりする勢いで飛び込んでみてください。

もちろん、その仕事としっかりと向き合っても、難しいこと、つらいと感じること、そういったことにもがくことになる可能性は大です。ですが、目の前にあること一つ一つを淡々とこなしていくうちに、振り返ると、「あ、抜けられたな」と思うときがくるはずです。もしかしたら、業務をこなしていくうちに、思いもしないやりがいが見つかるかもしれません。

自分に起こることの全ては自分の運命で、自分自身でもあります。運命を受け入れるということは、自分自身を受け入れるということ。自身を受け入れられてこそ、女性らしい「柔軟な強さ」が備わるのでは、と石川さんも言います。

 

教養とは単なる知識ではなく、人柄や人格に溶け込んで生きる、つまり日々活かされてこそだと石川さんは言います。
ご紹介した7つのたしなみも同じこと。大人になると、自分を律することができるのは、自分だけです。知る、理解するだけではなく、実行してこそ、一生ものの“心がけ”となりますよ。
参考書籍:『女子の教養』

参考書籍:『女子の教養』(石川真理子著/致知出版社)

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