入学して2ヶ月 、広告デビューのチャンス?! 未経験ママ、はじめての広告デザイン案発表会

2017年11月29日
『ママ向けWebグロースハッカー養成講座』第3期がスタートしてから2ヶ月。11月8日にいよいよ初の課題発表会を迎えました。テーマは『とらばーゆ』アプリの紙面広告デザイン。良い案は、なんと、リクルートが発行する求人情報誌『タウンワーク』で実際に広告として使われるチャンスも! ママたちは、今まで学んだデザインやコミュニケーション、カラーイメージの知識を活かして、デザイン案だけでなくプレゼン資料も準備しました。どきどきの当日の様子をお伝えします!

午前10時半、デジタルハリウッドSTUDIO福岡(以下、デジハリSTUDIO福岡)の教室はいつも通り、ママたちの明るい笑顔にあふれていましたが、皆の話題はもっぱら今日の課題のこと。準備期間は約1ヶ月。Adobe Illustratorなどデザインに必要なツールを触るのも初めてだったママが多く、日々の授業の予習復習をしながら、慣れない課題に取り組むうちに、あっという間に発表当日となりました。本日の結果によっては、世の中に自分の作品が出る可能性がある分、初心者とはいえ、プロの第一歩という気持ちで臨んだ人も多かったようです。

今回のプレゼンではひとりずつ前に出て、デザイン案や補足資料をスクリーンに映しながら、なぜそのデザインにしたのか、工夫した点はどこなのか、自分の言葉で説明します。時間は1人4分。実際の提案のように、限られた時間で相手が納得できるように、大事なところをわかりやすく伝えなければいけません。

プレゼンを聞くほうも真剣そのもの。

プレゼンを聞くほうも真剣そのもの。新しいアイデアや視点が見つかることも

「この広告は誰のため? 何のため?」

今回の課題はリクルートの求人情報誌『タウンワーク』に掲載する、女性の求人・転職サイト『とらばーゆ』の広告制作。特に、正社員や契約社員の事務職を希望する20代後半の女性に対して、「オフィスワーク(事務)の転職ならとらばーゆ」というメッセージをわかりやすく伝えて、サイトやアプリを使うきっかけを作ってほしいというのが依頼内容。ただ、細かい指示やたくさんの情報が出されたわけではなく、自分なりに具体的な広告の位置づけやターゲットとなるユーザーを想像してデザインをする必要がありました。たとえば……。

「現状に大満足というわけではないけど、シフトの融通は利くし、せっかく覚えた仕事を辞めるのはもったいない。それに職場の雰囲気もいい。転職して後悔するよりはいいかな。前職の同僚にヒアリングしたところ、そんな働く女性像が浮かんできました」

こちらのママは、職場に対する不満がありつつも、転職せずに長く勤務する同僚たちのリアルな意見を聞くことで、そうした女性が転職に求めるものや、転職に踏み切るきっかけを考えました。彼女が導き出した答えは「雰囲気の良い職場で働きたい」。そして、『とらばーゆ』のアプリを実際に使ってみたところ、職場の雰囲気を表す写真がたくさん載っていることにも気づきました。

そこで、笑顔の女性の写真を大きめに配置することで、転職して楽しく働く様子を表現しつつ、職場の雰囲気が伝わる『とらばーゆ』アプリに誘導するための広告を制作。実際のユーザーとアプリの調査をもとに考えられたストーリー展開に、会場からは大きな拍手がわきました。

他にも、読者の視線の自然な動きに合わせて写真と文字をうまく配置したり、他の転職アプリとの違いをわかりやすくアピールしたり、それぞれの工夫が光る発表が続きました。中には、プロ顔負けの手書きの4コマ漫画を取り入れたママや、「方向性の違う案が出てきたので、両方作りました」と、2つの案を提出したママも。入学からわずか2ヶ月とは思えない作品ばかりで、受講生ひとりひとりの努力が伝わってきます。

発表が終わると、担任の先生から、色づかいやバランス、見やすさ、細かい作業の丁寧さなど、「プロの仕事」にする上で重要なことを、ひとつひとつフィードバックされました。皆さん、自分の課題はもちろん、他の受講生に対するコメントにも真剣に耳を傾けていました。

休憩時間に机に並んだお互いの作品を覗くママたち

休憩時間に机に並んだお互いの作品を覗くママたち。難易度の高い技術や自分が思いつかなかったアイデアには、素直に感動!

すべてのプレゼンが終わると、まずはリクルートジョブズ杉原理恵からのコメントが。

「皆さんのプレゼンを聞きながら、『入学はいつだったっけ?』と思わずカレンダーを確認してしまいました。時間も情報も限られた中で、本当に素晴らしい発表をありがとうございました。今後、プロとしてお仕事をされる際も、制約から入るのではなく、まずは自由に考えて、そのあと広告やサイトとして守るべきことを考慮しつつ案を絞っていくという順番を意識いただけるといいなと思います」

そして、デジハリSTUDIO福岡の高橋政俊校長から総評がありました。

「今回の課題を通じて、まずは表現することの楽しさを感じていただきたいと思っています。ご自分のデザイン案を、ご家族に見せてみましたか? ぜひ、素直な感想を聞いてみてください。ここがすごいという意見も、ここは少しわかりにくいという指摘もあるでしょう。そうした反応が、皆さんのデザインを育てていきます。そして、家族に『ママはこんな仕事をしているんだよ』と伝えるいい機会になるはずですよ」

さて今回も、授業後のママに感想を聞いてみましょう。

子どもの夢に刺激を受けて、ママもチャレンジ!

中馬(ちゅうまん)さんは、現在高校2年生の息子と、中学3年生の娘を持つママ。

「今までは、子どもたちの夢を支えることが私の生きがいでした。息子も娘も大きな目標があって、そのために毎日努力しています。親としてサポートを続ける中で、『自分でも夢を持ちたいな』って私も子どもたちから刺激を受けて……。そんなある日、東京オリンピックのエンブレムのニュースを耳にして、デザインの可能性や面白さに興味が湧きました。そして、私がやっている部屋のデコレーションもある意味デザインじゃないかと、急に身近に感じたんです。そこで、この講座に飛び込んでみました」

入学から約2ヶ月。飛び込んでみた授業の感想を教えてください!

「技術的な内容ばかりだったらどうしようと焦ったのですが、実際は、基本となる考え方からしっかり学べるので、助かっています。子どもたちが塾や習いごとをがんばっている間、私も学校で自習することが多いです。息子から『お母さん、僕の気持ち、わかったでしょ?』と言われたことも(笑)。とても充実していますね」

今回の課題発表はいかがでしたか?

「こうしたいというイメージはあるのに、形にするのが難しくて。自己評価では60点といったところです。でも、チャレンジしたこと自体が大きな一歩だと思っています」

中馬さんの目標は、まずは一人前のグロースハッカーになること。そして、周りにいるママたちにもゆくゆく仕事をお願いできるようになったら、さらに嬉しいと言います。

「お子さんの病気や障がい、学校との相性などの事情があって、働く意欲も能力もあるのに外で働けないママたちがいるんですよね。自分がグロースハッカーとして活動することで、少しでもそういう人たちが働く場所を選ばずに仕事をできるようなきっかけや、支えになれると嬉しいですね」


さて次回は再び、『キャリアプランニング概論』の模様をレポート。リクルートジョブズから講師を招き、個人事業主として働くうえでの基礎知識について、グループワークも交えて学びます。さまざまな課題に挑戦しつつ、自分らしい働き方に一歩一歩近づいていくママたちを、どうぞあたたかく応援してくださいね!