女のマネー講座:社会人1年目、貯金約30万円。一人暮らしできる?

2010年01月01日
マネー講座タイトル


自分で働いて得たお金は、ムダにしたくないし、できる限り賢く付き合いたい。
ここで、マネーの賢い貯め方、使い方を身に付けよう!

vol.19 一人暮らしを始めてもいいですか?


Webサイト運用/正社員/E・Mさん(22歳)

profile 大学卒業後、新卒でWebサイトの制作関係会社に就職。現在は、Webサイトの更新業務などを中心に担当している。今後、制作の実務経験を積み、一人前になりたいと考えている。
Webサイト運用/正社員/E・Mさん(22歳)家計簿

溝渕麻理さん


溝渕麻理さん
ファイナンシャルプランナー兼 キャリアカウンセラー。 三菱信託銀行を経て、人材派遣会社、人事総務部マネージャーを経験後、お金の専門家の集団「フェイシス」に参画。100ten.Schoolで講師も行う。
http://www.100ten.co.jp/


一人暮らし、もう一度学生になること…社会人1年目は様子を見て貯金を続けるがよし!

Eさん:「新卒で現在の会社に入社し、一人暮らしをするため節約しています。3カ月で45万円貯めたら引っ越しできると思って、月15万円の貯金を目標にしています」
溝渕先生:「実際は月10万円ちょっとだとしても、ムダ遣いもしないで素晴らしいです。やはり目標があれば貯金はできるものですね。ただ、今後、お金を貯めていきたいならば、実家にいるほうがお金は貯まると思いますよ」
Eさん:「そうですか…。今の仕事でもっとスキルをつけるためにも、しばらくしたら学校に行きたいと思っているので、お金は貯めたいんですよね」
溝渕先生:「それなら、一人暮らしを始めるのはもう少し待ってもよいのではないでしょうか」
Eさん:「実は入社したてのころは、絶対実家を出ようと思っていましたが、異動が多い職場なので一人暮らしをすることに迷いが出てきているんです」
溝渕先生:「働き始めたばかりだから、先のことが見えないのかもしれませんね。けれど今後勉強したいと思ったときのために
Eさん:「100万円ですか~。この調子で貯めようと思います」
溝渕先生:「ほかにお金に関することで、気になっていることはありませんか?」
Eさん:「給与明細の読み方がわからないんです」
溝渕先生:「なるほど。健康保険料の場合、Eさんは保険料を払い組合員になっているので、病院に行ったときの自己負担は3割で済んでいます。また、わたしたちが納めている厚生年金(※) の保険料は、今の高齢者に支給されていて、自分たちが将来受給するときの原資の中心は、そのときの現役世代が負担するという仕組みです。
Eさん:「これが若い世代の人口が減って、年金の資金が少なくなっているって話なんですね」
溝渕先生:「そうです。年金の支払いは義務であることを認識しておきましょう。ほかに気をつけてほしいのが住民税(※) 。社会人2年目から引かれる仕組みなので、頭の隅に置いておくとよいでしょう」

◆結論1 :
貯金できる体質とはいえ、一人暮らしは先送りしてよさそう

一人暮らしをするため、意識して貯金をしてきた点は素晴らしいです。しかし、異動が多い職場であることがわかった今、実家に留まり、引き続きお金を貯めるのが得策のよう。今後、学校に通いたい気持ちもあるようなので、なおさらです。社会人1年目は、今後どうなるか見通しが立ちにくいので、しばらく様子を見ておきましょう。

◆結論2:
給与明細の内容を知ることは世の中の仕組みを知るきっかけに

会社員として働く人Eさんの給与明細の控除欄には、健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税の5つがあると思います。給与から天引きされているので、それぞれの役割や仕組みを知らない新社会人も多いでしょう。特に、厚生年金保険料を給与から天引きされて国に納めることで、将来年金を受け取る権利があります。

マネーがどんどんわかる!基本ワード


厚生年金

民間企業に勤務する人が加入する公的年金制度。老齢年金、障害年金、遺族年金の3種類がある。月給から一定額を保険料として納められた年金は、現在の高齢者などが受給している年金にあてられる。


住民税

前年の所得金額に応じて課税される「所得割」、所得に関わらず課税される「均等割」などからなる。会社員は、前年1月~12月の所得に対して課税され計算された税額が、毎年6月から翌年5月までの毎月の月給から天引きされる。