女のマネー講座:貯金や運用のことを考えたい
vol.1 なんとなく外貨預金をしているけれど、きちんと貯金や運用のことを考えたい
臨床検査技師/派遣スタッフ A・Aさん(29歳)
profile 専門学校を卒業後、検査センター、病院に勤務。一般企業の検査などを行い、2年前より大学の研究員として勤務している。東京23区内の実家暮らし。一人暮らしを検討中。
都内で一人暮らしをするなら、手取りで年収350万円以上を目指して。29歳なので、月々1万円の投資信託ができるとなお良し!
Aさん:「29歳なので、そろそろ正社員になって、一人暮らしを始めたいです。安定して一人暮らしをしていくには、どのくらいの収入が必要でしょうか?」
溝渕先生:「毎月約10万円を銀行に貯金して、1万円は米ドルで積み立てをしていますね。一人暮らしをすると、貯金ができなくなるでしょう。手取りで年収350万円(額面430万円が目安)以上の正社員になるか、一人暮らしを先送りするかですね」
Aさん:「現在、求人を探していますが、扱うものが専門的な職場か、病院に転職するかは、まだ決められません。そろそろ、マネーの基礎くらいは知っておきたいしなぁ…」
溝渕先生:「転職においては、Aさんにとっての優先順位をつけ、活動を続けてくださいね。また、マネーの基礎をもっとよく知りましょう。私たちは親の世代と違い、自分で老後の備えを作るべき世代。預金だけだとインフレに陥った場合、お金の価値が下がる心配があるため、資産運用も必要です。 40歳で始めるよりも29歳の今始めれば、老後までに十分時間があるため、老後の資金が準備できます」
Aさん:「投資って、危険ではありませんか?」
溝渕先生:「株式投資をはじめとした、投資のすべてが短期的なギャンブルだと思うのは間違い。毎月1万円を投資信託(※)などで積み立てし、運用することも、資産運用なのです。実際に運用するのは運用会社にいるプロで、株のように自分で運用する手間がかからない点がメリット。初めて商品を選ぶ場合や、家の購入や老後の資金のように確実にお金をふやしたい場合は、分散投資(※)をするタイプを選ぶのがよいでしょう」
Aさん:「知れば怖くないですね。資産運用ができそうな気がします。資産運用といえば、保険加入は必要ですか?」
溝渕先生:「独身なので、入院保険だけで十分。余計な保険に加入して、資産運用にまわすお金がない家計になってしまうほうが、29歳のAさんにとってマイナスですよ」
◆結論1 :
手取りで年収350万円以上の求人を探し続けよう
東京都内で一人暮らしを始めるとすると、手取りで年収350万円以上(額面430万円以上が目安)が必要。この収入の場合、家賃が6万円台で、貯金もしくは投資に毎月1万円を充てるのが、現実的なラインのようです。また、Aさんのように、仕事選びにおいて、迷いがあるうちは、まずはいくつかある条件の中で優先順位をつけ、頭の中を整理しましょう。そして、条件の中に収入アップを加えてみてください。
◆結論2:
毎月1万円からでもいいので、投資を始めてみよう
株式投資や投資信託のすべてが、ギャンブル性が高いものではない。また、元本保証がないからと敬遠していては、お金はふえてくれない。老後に最低でも5000万円必要と言われているため、投資は必ずすべきです。また、手元の金融商品で“損している気がする”“金融機関にすすめられるまま購入したものがある”という人は、どういう金融商品なのか、きちんと理解しましょう。
マネーがどんどんわかる!基本ワード
投資信託
多くの人から集められたお金を、運用会社のプロが運用し、成果を出資額に応じて還元する。株の銘柄選び、売買などの手間がかからない。元本保証商品ではない点、購入時の販売手数料や運用コストがかかる点は知っておこう。証券会社、郵便局、銀行などが販売窓口。
分散投資(対象の分散)
日本株と外国株、日本債券と外国債券といったように、投資先を分散させ、リスク(値動き)を軽減する。投資したもののうち、一つが大きく値下がることがあっても、ほかのものでカバーできるので、全体として大きな値下がりを避けることができる。