ディチャーム株式会社で働く:私のキャリアストーリー

2016年06月02日
高齢者を中心にヘアカットなどを行う訪問美容師。もともとはサロンで美容師として働いていた長根久美子さんが、なぜ今の仕事に転身したのか。その理由と、今後、需要が高まる訪問美容師の仕事について話をうかがってみました。

交通事故をきっかけに訪問美容師の大切さに開眼
サロンでは経験できない仕事は面白いことだらけ!

ディチャーム株式会社
訪問美容師
長根久美子さん(31歳)

ディチャーム株式会社 訪問美容師 長根久美子さん

Profile●1985年生まれ。高校生のころから美容の世界を志し、21歳で念願の美容師になる。しかし、交通事故にあい、一度、美容師の仕事から離れるが、25歳の時にディチャーム株式会社に入社し訪問美容師として復帰。現在は教育担当として後進の育成にも務める。休日は仕事仲間と山登りに行くなどしてアクティブに過ごす。

21歳で高校生からの夢だった美容師に!
しかし、予期せぬ不幸で仕事から離れることに…

“訪問美容師”とは字のごとく、お客さまを訪問して美容サービスを提供する。主に高齢者施設でのサービスが中心となるが、まだ、耳慣れない人も多いはず。しかし、長根さんは自身の経験から20代半ばでこの仕事の需要性を強く感じ転身をした。

「高校生のころから手に職をつけたいと思い、美容師を目指していました。高校を卒業後、日中は美容室でお手伝いをしながら、通信制の美容学校で免許を取得。21歳で晴れて美容師としてサロンで働き始めました」

しかし、夢をかなえた長根さんは、予想もしなかった不幸に見舞われる。交通事故にあい両足を骨折。3カ月間、自分の足で歩くことができず入院生活を送ることになる。

「トラックに巻き込まれてしまい3カ月間は動けない状態でした。でも、この経験が私の仕事観を大きく変えたんです」

ベッドから起き上がることもできなかった長根さんは、入院している間、お風呂に入ることもままならず髪を洗えたのは入院して2カ月目だったという。

「病院に訪問美容師がきて洗髪をしてくれたんです。とても気持ちがよくて感激するほどでした。自分の身体が不自由な時に髪を洗ってくれたり、カットをしてもらってさっぱりできるのは本当にありがたいことだなと実感したんです。そして、この時に訪問美容師という仕事があることを知りました」

退院した後もリハビリは1年間続くこととなり、体力的に美容師の仕事は続けられないと判断。資格を取得し医療事務の仕事に就いた。しかし、美容師の仕事が大好きだった長根さん。医療事務の仕事をしながらも“美容師に復帰したい”という思いが強くなってきた。

「その時に頭に浮かんだのが訪問美容師だったんです。あの時の感謝した思いを今度は自分が提供したいと考えました」

そう思いついてから長根さんの行動は早かった。訪問美容サービスを行っているディチャーム株式会社にコンタクトを取り面接を経て入社。晴れて第二の美容師人生がスタートしたのだ。

仕事風景

お客様の要望を聞きながらヘアカットを行う。「ただ髪を切るのではなく“キレイになっていただきたい”という思いのもとサービスを提供しています」

「素晴らしい仕事をしているわね」
お客さまからの言葉に背筋がのびた

もともとはサロンに勤務していた長根さん。サロンと訪問美容の違いに戸惑ったことはなかったのだろうか。

「サロンはお客さまが来店されますが、訪問美容は美容師が高齢者施設にうかがって、身体が不自由だったり、認知症を患っているお客さまが中心となります。お客さまの容態を把握したうえでのサービスが求められますが、自分の知識不足のために思ったようなサービスが提供できず戸惑うことが多かったですね。例えば、椅子に座っていただくときも手の引き方ひとつでスムーズに座れたり、座れなかったりするんです。また、認知症の方とお話しすることも初めてでしたから、どう会話をすればいいか戸惑ったこともありました」

そんな長根さんの不安を解消してくれたのが会社の先輩や定期的に行われている講習会だったという。

「先輩が現場で丁寧に指導してくれ、実際に先輩の動きを見て実地で学んでいきました。認知症のお客さまと話すときも、ほかの方と同じように会話をしていて“特別なことはないんだな”と知ったんです。講習会では高齢者の心理や介護にまつわることを学び、自分でも勉強するようになりました」

長根さんに「この仕事の一番面白いところは?」と聞くと「常に面白いです」とすぐ答えが返ってきた。

「サロンはお客さまが来るのを待つのが基本ですが、訪問美容は毎回いろんな施設にうかがって、多くのお客さまと触れ合えるのが面白い。そして、高齢者の方は素直なのでカットが気に入らなければ「気に入らない」とはっきり言いますし、気にいってくだされば「すごく素敵」「この髪形、好きよ」など言ってくださります。率直な気持ちが聞けるのは美容師にとっても励みになりますね」

そして、超高齢化社会をむかえる日本で、今後ますます必要とされる仕事に就いている誇りとやりがいもあるという。

「高齢者に対して、どんなサービスを提供すれば喜んでいただけるか。このことを常に考え、新たなアイデアをどんどん出して実行する会社の姿勢に面白さを感じていますね。訪問美容師も私が入社したころよりも大幅に増え、社会的に求められている仕事だということを実感できます。当社の社長がよく言うのが『訪問美容は一生できる仕事』。サロンは勤務時間が不規則で休日もバラバラの場合が多いですが、当社の訪問美容は18時には終わり、日曜はお休み。結婚・出産を経て復帰する方も多いですね」

長根さんも訪問美容師の仕事を“一生の仕事”にする予定か聞いてみた。

「もちろんです! お客さまに言われたんですよ。『あなたは素晴らしい仕事をしているわね』って。求めてくださるお客さまがいる限り、訪問美容師として働きたいと思っています」

仕事道具

シャンプーや頭皮トリートメントなどの備品は訪問時に必ず持ち歩く。「頭皮をマッサージするときにこのトリートメントを使うとお客様がすごく喜んでくれますね」

◆キャリアステップ

18歳:高校卒業後、美容室でお手伝いを始める
高校を卒業した後、美容室でお手伝いをしながら通信制の学校で美容師免許の資格取得を目指す。

21歳:美容師免許を取得しサロンで勤務
美容師試験に合格し、晴れて美容師としてサロンで働き始める。しかし、その直後、交通事故にあってしまい入院生活に。長期休業に入る。

22歳:医療事務として病院で働き始める
退院後、体力的な問題から美容師の仕事から離れ、医療事務の資格を取得し転身。しかし、事務仕事が合わず、モヤモヤする日々が続く。

25歳:ディチャームに入社し訪問美容師として勤務
訪問美容師になることを決意しディチャームに入社。1年間、業務委託として働き、26歳の時に正社員となる。

26歳:教育担当に抜擢
仕事ぶりが認められ後進を育てる教育担当を任される。現在はシフト管理などを含め、マネジメント業務も行っている。

◆企業概要

ディチャーム株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田7-22-17 TOCビル10階
03-5745-1471

シニアのライフラインを担うシニア向けのサービスの開発・提供を行う。訪問理美容用事業をはじめ、レクリエーションの企画運営事業も手がけている。