共通の趣味を楽しみたい!飯塚夫妻がワークライフバランスを保つために工夫していること
結婚や出産といったライフイベントは女性にとって大きな節目となります。仕事と家庭のバランスを保つには、夫の協力が欠かせません。
そこで、先輩夫婦のうらやましすぎて震える(?)ような、結婚と仕事を両立させる理想的な関係をご紹介します。みなさんがライフプランを考える際のヒントが見つかるかもしれません。
今回お話を伺ったのは、北海道にお住まいの飯塚さんご夫婦。ご主人はWeb広告のオペレーションチームをまとめるマネージャーとして、奥さんはIT企業でプロジェクトマネージャーとしてそれぞれ働いています。
現在は共通の趣味であるツーリングや、自分たちでお部屋の壁紙を変えるといったDIY(“Do It Yourself”の略で、自分でなにかを作ったり修理したりすること)を楽しんでいるといいます。そんな飯塚さんご夫婦ですが、実は一時期、奥さんの転勤により海外と日本の“超遠距離婚”状態になっていたこともあるのだとか。そのような状況を夫婦でどうやって乗り越え、現在も共働きをしながら共通の趣味に打ち込む時間を確保し、楽しくワークライフバランスをとっているのか。今回はその秘訣について伺いました。
【飯塚さんご夫婦から学ぶ成功の秘訣】
・お互いのやりたい仕事や働き方を尊重すること
・パートナーの楽しそうな趣味に便乗して自分も楽しむこと
・通勤時間を短くして、夫婦で過ごす時間を増やすこと
バイクにハマっていた妻。趣味の時間がないほど忙しかった夫
–お二人の出会いについて教えてください。
芳さん:夫と知り合ったのは30歳になる直前、29歳のときです。夫は31歳でした。
康雄さん:同僚が会社を辞めて、転職した会社に妻がいました。当時は「元同僚の同僚」という関係でした。みんなで食事に行ったのがきっかけで仲良くなり、二人で会うようになりましたね。
–そのときに、同じ趣味の話などで意気投合したのですか?
康雄さん:実は付き合いはじめた当初は趣味が一緒だった訳ではないんです。僕はとにかく仕事が忙しくて余暇を楽しむ体力もなかったので、これといった趣味もない状態でした。
芳さん:私はバイクにハマってて、毎週のようにツーリングに出かけていました。でも、夫と付き合いはじめて1週間のときにスノボで骨折しちゃったんです。付き合いたてで二人であちこち行きたい時期なのに、デートはもっぱら部屋でビデオ鑑賞するハメに…でも、かえって二人でゆっくり過ごす時間ができたのでよかったですね(笑)
–1年半の交際期間を経て結婚されたとのことですが、結婚前後でワークライフバランスは変化しましたか?
康雄さん:しばらくはお互い独身時代と変わらない生活を送っていましたね。特に僕は仕事がとにかく忙しかったので…。
芳さん:当時私は営業職で残業も少なかったので、私のほうが先に帰ることが多かったですね。夫の帰宅が遅い日が続くと、「3日くらい顔を見てないかも…」と思うこともしばしばありました(笑)。結婚するときに特に約束したことではないのですが、平日は二人の時間が合わない分、休日はできるだけ一緒に過ごすようにしていました。
–休日を一緒に過ごす以外に結婚後、意識したことはありますか?
康雄さん:他には特に決めていないですね。お財布もずっと別々だったのを最近まとめたくらい。しいていえば、「ご飯を作ってもらったらお皿は僕が洗う」というルールくらいですかね。
芳さん:家事を明確に分担していないから、たまにイラッとすることもありますよ。「私のほうが多く家事してない!? あれ?」って思いますね(笑)
康雄さん:でも、これまでに大げんかをした記憶はないですね。
芳さん:主人よりも私のほうがイラッとするタイミングが早いのですが、主人も指摘されることに対してはその通りだ、と思ってくれるのでケンカにならないですね。
お互いのやりたいことを尊重し、超遠距離別居婚。2年前から再び同居
–お互いの仕事について、どう思っていますか?
芳さん:5年ほど前に夫が北海道に転勤してからは「楽しそうに働いているな」という印象です。会社の同僚と仲良く働けている環境もいいのかも。家に会社の人たちを呼んでご飯を食べる機会も増えましたね。それまでは忙しすぎてそんな余裕はありませんでしたから。
康雄さん:妻は「男社会で頑張っているな」という印象です。技術系の仕事柄、男性が圧倒的に多いと思うので、よく渡り合っているなと(笑)。
–お二人の帰宅時間は早いほうですか? 遅いほうですか?
芳さん:私はプロジェクトが落ち着いたらそんなに残業することはないですね。そして、どんなに忙しくてもなるべく21時には帰るようにしています。というのも、それ以上働くと次の日に影響が出てしまうので…。
康雄さん:基本的には僕のほうが帰るのは遅いですね。特に事業所を立ち上げたばかりのころは、帰宅が深夜をまわることもありました。今は平均して18〜19時には家に帰っています。なにより、夫婦とも徒歩圏に会社があり、通勤で時間をとられることがないので早く帰宅できるんですよ。
–ご主人は転勤の多い会社にお勤めだと伺いましたが…
康雄さん:はい。もともと東京勤務だったのですが、沖縄を経て北海道に異動になりました。今後もずっと北海道にいるということはないと思いますし、いつか東京の本社に戻るかもしれません。今、英語を勉強しているので、英語を身につけたら海外転勤という可能性も出てくるかもしれません。
–海外といえば、奥さまも一時期シンガポールの会社に勤めていたそうですが、「遠距離婚」でもうまくいったコツはなんですか?
芳さん:Skypeでほぼ毎日連絡を取っていました。途中からLINEが使えるようになったので、早いレスポンスで連絡できるようになったのはうれしかったですね。
康雄さん:あと3カ月に1回は会うようにしていましたね。お互いに行ったり来たりして、必ず会う時間を確保することは意識していました。
芳さん:そもそもシンガポールを選んだ理由も、時差があるとコミュニケーションが取りにくくなると思ったからです。日本との時差が約1時間しかないシンガポールであれば、離れていてもお互いほぼ同じ生活リズムを共有できるので。
夏場はツーリング。冬場は家の中でDIYを一緒に楽しむ
–芳さんの帰国後、北海道に住み始めたお二人。現在はツーリングがご夫婦の共通の趣味だと伺いました。同じ趣味を楽しむようになったきっかけを教えてください。
康雄さん:結婚してバイクの免許をとったことがきっかけですね。それまでは妻のバイクの後ろに乗ってあちこち連れて行かれていたのですが、「運転を代わってあげられたらいいな」と思っていたんですよね。それに、いつも後ろに乗ってばかりもつまらないですからね(笑)。
芳さん:東京にいるときは、夫婦で毎週末いろんなところにバイクで出かけていました。東京近郊は走るところが結構あるんですよ。でも、やっぱり北海道のほうが走っていて気持ちがいいです。都会と景色がぜんぜん違うので楽しいですね。
–今は冬なのでツーリングには出かけられないそうですね。
芳さん:北海道に引っ越してきたばかりのときは冬の過ごし方がわからなくて…。二人で資格取得の勉強をしていました。最近は引っ越したばかりなので、休日には壁に漆喰(しっくい)を塗ったり、壁紙を貼ったりしてDIYを楽しんでいます。
–ご夫婦で趣味の時間を作るコツなどあるのでしょうか。
康雄さん:次の週末に二人でどう過ごすかを決めておいて、それに合わせてそれぞれの予定を入れるようにしています。前もって決めているので、週末に予定が合わないということがほとんどありません。週末の予定を合わせるようにするだけでなく、夏休みなどの長期休みは同じ日程で取るようにしています。
芳さん:通勤時間がもったいないので、お互いの会社が徒歩圏内にある家に引っ越しました。それでも帰る時間がバラバラなので無理に時間を合わせることはしないですが、平日でも一緒に過ごす時間は増えましたね。帰るときにお互いメッセージを送りあって、タイミングが合えば一緒にご飯を食べて帰るようにしています。
–共通の趣味を楽しむ良さはどのようなところにあると思いますか?
康雄さん:同じことをして同じ時間を楽しむので、共通の話題があるのはいいですね。あと、なにかを始めるときも、一人だと挫折しちゃうかもしれないけど、一緒だと諦めない。一緒に楽しむからこそ、長く続けられるというのも良さだと思いますね。
–趣味の話でケンカになることはないですか?
芳さん:全然ないです。自分の趣味やDIYに便乗して楽しんでくれるので、こちらとしてはうれしいくらいです。ツーリングにいったときは、マメな夫に食事先を決めてもらうなど、役割分担するようにしています。
康雄さん:思いつきで予定を変更されると、ちょっとムッとしますけどね(笑)
U29女子へのアドバイス「自分に趣味がなければ、相手の趣味にのっかってみよう」
–では、最後にU29女子にアドバイスをお願いします。
康雄さん:自分にこれといった趣味がないんだったら、相手が楽しんでいる趣味に乗っかっちゃうのはオススメです。逆に自分にとって大切な趣味があるのであれば、一緒にのめり込んでくれる人と結婚するのもいいかも。夫婦で同じ趣味にハマることができるのって楽しいですからね。
芳さん:夫婦ともに通勤時間を短くするなど、ワークライフバランスをよくする工夫を一緒に考えたり実行したりするのもポイントだと思います。通勤時間が短くなれば、精神的にも身体的にも余裕ができるし、一緒にいる時間も自然と増えますからね。一緒に過ごす時間が増えた分、共通の趣味に時間をあてて楽しめると、夫婦仲も良いままでいられるのではないでしょうか。
(大井あゆみ+プレスラボ)