ラララとらばーゆ総研100人調査 医療~勤務したい科、したくない科を教えて

100人調査[医療版]
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お題
看護師100人*「勤務したい科、したくない科を教えて」
勤務してみたい科を教えてください
グラフ01
勤務したくない科を教えてください
グラフ02
※調査会社によるインターネット調査を2008年3月に実施。対象は関東・東海・関西エリアに在住する、看護師として就業している100人。
とらねこのつぶやき
さて、冒頭に再度言っておきます。医療においては優劣はないし、どの科も同じだけ大切。こんなアンケートなんてトンでもない! でも、許してね。今現在、看護師として働いているみんなのホンネは、世の中の役に立つもの。そう思ってくださいませ。

で、今回アンケートから感じられたのは、多くの看護師さんは、生死の狭間に立ち会ったり、患者さんの苦しみに心を痛めたり、回復を心から喜んだり、本当にナイチンゲールな心を持っているということ。その上で自分の信念を持って「勤めたい科」「勤めたくない科」を考えているんだね。

仕事をする上で、「動機付け」というのは重要なもの。「どうしてこの仕事“を”したいのか」「どうしてこの仕事“が”したいのか」、なんてことを考えることは本当に大切。強い信念があれば、知識の吸収も早く、スキルもぐんぐん伸びる。その結果、キャリアも形成していけるからね。皆さんも今一度、「なぜその仕事をしたいのか」、振り返ってみてくださいませ。
一番人気は外科。
賛否分かれるのは産婦人科と小児科。
不人気なのは泌尿器科・肛門科・精神科でした

今月のお題は、ズバリ「勤務したい科、したくない科を教えて」。“医療”ということを考えれば、どの科も大切で優劣をつけることはできないのだけれど、ま、現場で働く看護師さんがどんなことを思っているか知るいい機会。こんなテーマでアンケートしちゃったことを許していただきましょう。

で、その結果は…。ぱっとグラフを見たところ、人気があるのは外科系が30人で、続いて内科系が14人。とはいえ実は、アンケートに答えてくれた看護師さんのうち、外科系勤務の人は24人、内科系勤務は28人。ちなみに「勤めたくない科」としての得票は両科とも低いことから、外科系は人気、内科系は特別人気もなければ不人気でもないと言えるのかも。

そして「勤めたい科」「勤めたくない科」の両方で得票が高かったのが、産婦人科系と小児科系。生命の誕生や子どもに対する愛情から「勤めたい」と思う人がいる一方で、中絶や医療事故、モンスターペアレントの存在などから「勤めたくない」と思っている看護師さんもいるようでした。

そして残念ながら不人気だったのは泌尿器科・肛門科・精神科の3つ。

ナマ声ではそれぞれ、「勤めたい」「勤めたくない」理由を聞いてみました。看護師さんのホンネをのぞいてみましょう。

勤めたい科は?
産婦人科系。生命の誕生を実感できる場であるから。(28歳、内科系勤務、三重県)
眼科系。人が死なないから。緊急手術が一般外科と比べ物にならないくらい少なく、また、術後管理も楽だから。(36歳、外科系勤務、静岡県)
外科系。イメージ的に外科が出来ると『出来るナース』みたいな感じがする。(35歳、内科系勤務、岐阜県)
外科系。手術が多く、看護師がやる処置などで勉強ができると思う。(30歳、内科系勤務、千葉県)
リハビリ科。内科は慢性的なので患者の日々の変化がないのが苦手。看護師になってずっと外科系で、患者の状態が変化していくのがやりがいがあった。リハビリも工夫が必要なことが多いので、やってみたい。(27歳、内科系勤務、大阪府)
精神科系。精神的看護ケアやカウンセリングなど心理的分野に興味があるため。(27歳、産婦人科系勤務、兵庫県)
ICUや救急。もっといろいろ勉強したいから。今のICUで働いて仕事が充実しているから。(33歳、その他の科勤務、埼玉県)
美容整形外科、やればやるだけ給料が上がる。(29歳、外科系勤務、東京都)
勤めたくない科は?
小児科系。子どもは好きだが何かあったときに両親から責められるのが怖い。今はモンスターペアレントとかもいて親の常識も無さそうなので。(28歳、内科系勤務、愛知県)
救命とか心臓外科。働いている人間がピリピリしてそうだから。(29歳、産婦人科系勤務、東京都)
産婦人科系。そうでなくても夜中の分娩などで大変な科なのに、お産が現代でも命懸けということを理解していない一般の人が多すぎて話にならない。医療者として身を守るために産科には関わらないと決めている。(36歳、外科系勤務、静岡県)
精神科系。救急外来でたまに対応することがありますが、奥が深すぎてこちらが精神的に対応しきれないため。(38歳、その他の科勤務、大阪府)
泌尿器・肛門科系。なんとなく汚い。(32歳、外科系勤務、東京都)
小児科系。子どもがつらそうにしているのを見るのがつらい。(28歳、外科系勤務、東京都)
産婦人科系。医療事故が多いと聞くから。裁判ざたになったら大変そう。(36歳、その他の科勤務、東京都)
内科系。点滴管理が大変だから。外科と比べて改善するのがわかりにくい印象があるから。(24歳、外科系勤務、千葉県)
産婦人科系。出産・人工中絶といったギャップに耐えられない。(35歳、内科勤務、三重県)
構成・文/堀家由紀子、デザイン/河村俊子